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ひとり朝帰り【ショートショートnote】

勢い二人で飛び出した夕暮れ。
「分かるよ」
そんな気持ちを互いにシェアしながらドライブをした。

君がブツブツ言っている。
「どう思ってるの!あんまりでしょ」
分かり易く壊されるというのなら、もっと前にアイツと別れることもしただろう。けどそれは生活の重なりで、気付いた時には傷だらけ。今日のはただのトリガーだ。

君が僕に言う。
「あんたも放置よね」
僕の場合はそろそろアイツに合わなくなってきてるから仕方が無い。
「傷だらけだね」
僕はいいよ。お洒落だと選んでくれたのが君で、三人で楽しい思い出いっぱい作ったから。

真夜中のファミレスで君は手紙を書いた。
時折、僕の方を見ながら。
折り返しの車の中で君はもう話さない。

朝日に染まるポストに、君は手紙と僕を置いた。
「メールで良かったな」
でも最後まで迷ったんだろう?知ってるよ。
「じゃ」
うん。メガネだけ朝帰りだね。
僕はアイツ用だけど、きっと君は君に相応しい毎日を見つけられる。祈ってるよ。

じゃ。

<了 >

本文 406文字
こちらの企画に参加させていただきました。



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ペンギンのえさ