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人も動物、動物も人

奇しくも「早く人間になりたい!」と書いたばかりである。それを念頭に置いていたわけではないが、ここ1週間で2つの<動物を擬人化した物語>を摂取した。

ひとつは「動物農場」ジョージ・オーウェル

コメントの中にあり、運よくオーディブルにあったので聴いてみた。本文を聴き進めていくうちに人間社会でありがちな展開だなぁと一瞬寝てしまった。(今思えば当たり前だな)

気が付くと本文が終わっており、巻末に収録されている著者序文案になっていた。著者序文、訳者あとがきとづづくのだが、俄然興味深く面白かったのはこの部分だった。

恥ずかしながらこの作品がこういった背景の下に書かれたものだと知らなかった。で、あとがきを聴いてからそれを踏まえた上でもう一度最初から聞き直した。うん、無学が悔やまれる。時代背景をもう少し勉強した方が良さそうだ。


もうひとつが「オッドタクシー」

以前に少しだけ見たが、期待したほのぼのではなくどう観たら良いのかわからなくなって断念したものだ。何となく気が向いて今回摂取してみた。

うん、そうか、これは大人向けのミステリーだったんだ。そのまま俳優でリアルに映画とかドラマに出来そうな内容だ。しかもとても面白い。セリフも秀逸。
これ以上はネタバレになるので控えるけれど、是非最後まで視聴いただき、オチまで味わって欲しい。

便宜上、擬人化と書いたがこれらの本質は逆だろう。
動物の気持ちを擬人化して語っているのではなく、様々な立場や人間の個性を動物の種の特性に重ね合わせて表現しているのだ。

私がこの手の表現に最初に出会ったのは、たぶん「ZOO」エコーズ(辻仁成)の歌詞。いや?幼少期に「アリとキリギリス」や「ウサギとカメ」などの寓話に接しているのか。

そう思うと、子供むけの童話などはほとんどこのタイプで、動物の気持ちを擬人化で語らせているタイプは少ないかもしれない。

調べてみると、動物の擬人化の物語についての論文がいくつか出てきた。掘下げると深そうな感じがしたので掘削は中断して引き返してきた。

こういうタイプの物語を気にするのは、私が内側で書いた物語がこのタイプだからだ。勿論、第一人称、主人公の私はペンギンである。
このタイプにした理由は、多くの登場人物をイメージしやすく覚えやすくするため。また、リアルな名前を書くわけにはいかなかったからだ。仮名でも良かったが、私がこんがらがるので、名前だけ動物にしたというのが正しい。

実は結論、まとめ、オチがある話ではない。ただ、摂取した物語ふたつが其々の観点から面白かったので書かずにはいられなかった。というだけ。


ペンギンのえさ