【繊細図書室】そのときは彼によろしく
こんにちは。繊細リーマンゆうたろうです。
働く繊細リーマン&ウーマンが集う、繊細図書室へようこそ。
ここでは適応障害で休職と転職を繰り返す私が、
繊細リーマン&ウーマンの心に響く
そんな本を紹介させていただくシリーズです。
今回は「そのときは彼によろしく」という私の好きな小説を紹介させてください。
information(本と著者について)
<内容 Amazonから引用>
小さなアクアプラント・ショップを営むぼくの前に、ある夜、一人の美しい女性が現れる。店のドアに貼ってあったアルバイト募集のチラシを手にして―。採用を告げると彼女は言った。「私住むところがないの。ここに寝泊まりしてもいい?」出会うこと、好きになること、思いやること、思い続けること、そして、別れること…。ミリオンセラー『いま、会いにゆきます』の著者による、最高のロマンチック・ファンタジー。
<著者紹介 Amazonから引用>
市川拓司さん
1962年、東京都出身。2002年、『Separation』でデビュー。代表作は、03年刊行の『いま、会いにゆきます』
恋愛小説要素が軸になっているお話ですが、この本はそれだけではありません。
・親友との友情
・親子、夫婦の愛情
・不思議で切ないファンタジー
・もちろん恋愛的キュン要素も
などなど、色んな要素が盛りだくさん。
登場人物のそれぞれが魅力的で、複雑な繊細さを持っている人達ばかり。
人の優しさに飢えているなら、読んで欲しい。そんな一冊です。
お話は主人公の現在と幼少期の2軸で交互に語られる形式になっていて、どちらの軸も面白い。
きっと世界観に惹かれると思います。
人の優しさに触れたい、優しい涙を流したい人へ
本って涙が出まくっていると、先が読めなくなってもどかしいですよね。
これはそんなことに、初めて気付かせてくれました。
読書にハマるきっかけになった大切な本で、今でも社会とか世の中とかが醜く見えてしまいがちな時に、何度も読み返しています。
また世の中を好きにさせてくれる、気持ちをリセットしてくれる、そんなお話です。
内容としては基本的に恋愛小説ですが、少しSFチックで、家族の愛にもあふれています。
キュンとしたい人、少し不思議な世界観にハマりたい人、親との愛に触れたい人、色んな人に響くお話です。
独身の頃によく読んでいましたが、結婚して子供も授かった今、改めて読み返すと、主人公の父とも気持ちがリンクして、切ない無償の愛情を感じさせてくれました。
この作家さんの本は他にも沢山でていて全部好きなのですが、初めて読書にハマるきっかけになった、という理由でこの本を今回紹介しています。
他の作品であれば、「いま、会いにゆきます」の映画をご覧になった方は多いのではないでしょうか。
このお話も好きで、著者の市川さんの作る世界観が自分にあっていて、全冊読み漁っていました。
魅力的な登場人物と名言が繊細さんに響く
主人公の友人、佑司の言葉より
「人は後ろ向きにしか歩いていけないんだよね。見えているのはいつだって自分が歩いてきた道程ばかり。左の道に進んで初めて、右にも道があったことを知るんだ」
過去のことばかり意識を向けがちな繊細さんのことを、めっちゃ肯定してくれる言葉に感じませんか。
先のことなんて見えない、そんなの当たり前。
分かるのは過去におこったことだけ。
色々チャレンジして、突っ走って、よし頑張ったなぁって思っていても、周りを見たら、なんだかもっといい感じに仕上がっている人がいる。
え?そんなやり方もあったの?って驚いて、落ち込んで。
人生って基本的にそんなものかも知れませんね。
でも、しょうがないか。それでも歩くしかないし。そんな気持ちにしてくれるセリフです。
佑司の父(小説家)との会話
~新作がまったく書けていない状況について~
「小説は涙と同じようなもの」
「どこかの臨界点を超えたら、言葉は自律的に埋められていく」
「涙が零れ始めたら止まらないのと一緒だよ」
これは中々新作を1マスも書き進めない、友人の父との会話です。
妻には逃げられ、子供からも冷めた目で見られちゃっている悲しき男なのですが、人生悟っちゃている感じが嫌いになれないんですよね。
特にこのセリフはすごく好きで、たまに仕事中とかにも思い出したりします。
皆さんにも経験があるのではないでしょうか。例えば、何か文章を書きたい、プレゼン資料を作りたい、そんな時。
1ページ、1行、1文字たりともまだ書けずに、ずっと思考している段階。
この段階って、何も書いてないけど内側にはイメージや構成を作りこんでいたりしませんか?
そしていざ書き始めると、ものすごいペースで仕上がっていく感じ。
これを涙に例えているセリフです。
なるほどな~ってめっちゃ共感しました。
印象に残り過ぎて、職場に小説家を目指している友人で「中々新作の筆が進まない」と悩んでいたので、このセリフのことを話したら、もの凄く共感していて喜んでいました。
そうそう、そういうことなんだよ~!って。
その友人、今では数冊出版が決まったようで、嬉しいです。
涙が決壊したんだね。よかった。
後半のタイトル回収で泣くので人前で読めません
タイトルのことなんてすっかり忘れるほど、世界観に没頭できる小説です。
だからこその衝撃。いや、襲撃か。
一時、読み進めるのを諦めるしかありません。
涙で先が読み進められません。
しかも後半に差し掛かると様々なところで泣けてくるので、電車やカフェで読んじゃうと、本当に周りが気になっちゃいます。
私はカフェから移動して、人が居ない公園で読み進めました。
もう、こういう優しい世界で暮らしたい!
本のページ数が減っていくのが悲しい!
そんな思いになりながら、でも先を読み進める目がとまらない話です。
登場する人物すべてに、素敵な結末がある。
だからこそ、繊細な私は落ち着いて感動できました。
【まとめ】繊細さんは人より読書が楽しめますね
これを書いているのが2021年11月4日。
秋ですね。
外の景色や空気がおとなしくなっていって、感受性ボリューム全開な季節です。
繊細さんが読書するには最高のタイミングなので、また色々読んでみたいと思います。
ここ最近、ビジネス本や仕事関係の業界紙ばかり読んでいたので、久しぶりに物語を読むと、豊かな気持ちにさせてくれました。
人一倍傷付き、落ち込み、また立ち上がる繊細リーマン&ウーマンのみなさんだからこそ、読書は楽しめる。そう思っています。
沢山のことを経験すればするほど、読書は楽しくなる。
老後にでもゆっくり読書して過ごしたい。
その時には色んな経験をしていて、色んな事に感動できるおじいちゃんになっていたい。
そんなことを人生の楽しみに、働いていきます。
今回は秋にぴったりの、切ないけどあったかい気持ちになれる本を紹介させていただきました。
ぜひ、皆さんのおすすめ本も教えてください。
以上、最後まで目を通していただき、ありがとうございます。
これを読んでいただいたあなたを、前向きとまではいかなくても、横向きくらいにはしたい。
繊細リーマンのゆうたろうでした。
ではまた!
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