見出し画像

パワーか、フォースか?

先日、人間の意識を1〜1000の“数値”で表したというユニークな本を読みました。タイトルは『パワーか、フォースか〜人間の行動様式の隠された決定要因』。マザー・テレサなどが高く評価したことで知られる本です。

創造することに情熱を注ぐクリエイターさんにお勧めです!というのは、創造には“意識”を必要とするからです。意識とは創造の原料となるものだそうで、著書によるとここ10年ほどの間で人類は臨界点を超えて、フォースの世界から"パワーの世界"に突入したそうです。

芸術、スポーツ、経営、政治、法律、心理、スピリチュアルリズム、市場、社会問題、健康。この辺り興味がある人には特に面白いと思います。オリジナルの価値、天才とは何か、スポーツにおける英雄的努力、民主主義、このようなことを話しながら、意識の原理をユニークに教えてくれる本です。

最初の2章は、どんな方法で数値を測ったかという研究方法について、科学的、専門的な話が続きますので、難解だと思ったらぜひ第3章から読み進めるのをお勧めします!(私はそうしました)

そして第4章「人間の意識レベル」に入るに従い、著者も本気出してきます!数値に表すとけっこう衝撃的で、私が最初に受けた衝撃は「」が死に最も近い意識レベルなのだということです。たたた確かに(動揺)生きていて申し訳ないと恥じて自殺する人もいるくらい「恥」は人間を死に追い込みます。

人に恵まれ事業がうまく行っている人の意識レベルは、人類の平均レベルよりも高いそうです。なぜ彼らはポジティブなのか?そもそも、ポジティブとは何なのか?そんなことも教えてくれます。

この”数値”がほんとに面白くて!イエス・キリストブッダの数値なんか見ると、彼らが神格化されたのも頷けてしまうくらいです。もしもスカウター(わからない人はドラゴンボールを見てね)があって彼らを見たら、

「な、なに?!どんどん数値が上がっていくぞ?!どこまで行くんd…、うわぁぁ!!

ドカーン!!!

「スクーターが、こ、壊れただと?!」

みたいになることでしょう。すごいぞ聖☆おにいさん!!(あっ、これです↓)

ガンジーリンカーンもむっちゃ登場します。偉人と呼ばれる偉人は、本当にすごかったんだな……と軽く引いてるくらいの高数値で。人間の尊厳、気高さ、偉大さ。レベチだってわかっててもそこに行きたくなる衝動に駆られます。

昔から疑問だったんです。社会課題ってなんでなくならないんだろう?と。実際にNPO活動を長く行ってきた私ですが、やってもやってもなくならないというか、まるでもぐら叩きかのような社会課題の噴出に、どうしていつまでも長引いているんだろう?と思っていたんです。そしてこの疑問は、多くの社会活動家が抱いているのを見かけました。

その辺も、アルコール中毒者の自助グループ「アルコール中毒者自主治療協会(AA)」というアメリカの組織を例に説明されています。ここのグループはとても素晴らしいんですね。社会課題の解決には「すべての人間の尊厳が平等である」という鉄板のような意識の高さが不可欠だなと感じました。これを維持できるのはすごいです。

ちなみにすべてと強調したのは、私は「平等」とは、強者は弱者を救うべきという考え方とは少し質が異なると考えるからです。

コミュニティには「そのコミュニティを敵味方に分けて二分してしまうと崩壊する」という原理があります。これは私自身も長年に渡って研究してきたことなのですが、平等とは強者が弱者を救うべきという考え方から世界を均一にしようとするのは、そもそもの動機が強弱にパキッと世界を二分しているので、破壊を引き起こしやすいんです。実際、「平等」の名のもとに「強制」がはびこってマイナスに働いているのをよく見かけました。

慈悲の性質には違いがあり視点によって景色も変わるので、その違いを理解できないと、世界は本当に丸くならないんです。偏った正義感ではなく「平和」という高い意識レベルからホームレスを見ると「彼は私たちの内なる自己の一時的な表現(※)」と思うそうで、この辺の話も、私には謙虚になろうと思える内容でした。(※著書P.307-4行目)

この本からは、まずは「すべての人間の尊厳が平等である」という高い意識から、自分の中に尊厳を見つけること。そして、その”尊厳”手触りを体験し、知ること。手触りを頼りに眠れる私たちの創造性を覚醒させて、人間の気高さや偉大さを表現していくと――――

尊厳の手触りを知った創造性が、芸術にしろ経営にしろ「表現」され、人は、自分も他人も同じ仲間だと思えて、心が解放され、他人に対しても自然と心が開いていく。そういう平和の原理を教えてくれた本でした。

私自身、昔からこういう類のテーマに興味津々でした。学生時代は、『明治初期社会の民衆の意識』というテーマで卒論を書いたのですが、いやあ、自分がユニークと言われる所以がわかった気がしました(笑)

ちなみに、どうして『明治初期社会の民衆の意識』に興味を持ったのかというと? 幕末から明治初期、260年も続いた幕府が崩壊したのは、外的なエネルギーだけではなく、内的なエネルギーも大きかったことに注目して、彼らはなぜ釜の底をひっくり返せたのか?人間の「尊厳を表現しよう」とするパワーはどこから湧いてくるのか?そんなテーマを追究したくなったのです。

ちなみに歴史学には精神史、思想史というジャンルがありこの辺を調べたんですね。人間の秘めたる可能性、気高さ、偉大さ、そんなことに興味を持ったのは学部で私くらいだったけれど、今となって振り返れば、学生時代にすごくいいテーマを学べたと思っています。

卒業から十数年経った今『パワーか、フォースか』という素晴らしい本と出会えて幸せです。書いてくださったデヴィッド・R・ホーキンズさん、ありがとうございました!

↓自分レベルが上がってデトックスのようなことが起きたお話です。著書を読まれたい方は、ぜひ予備知識として【2】も読まれることをお勧めします📖

🎹歌とピアノもやっています🐤

🖊異文化、共存、民族などをテーマにした物語も書いています❄

この記事が参加している募集

素敵な時間をあなたと過ごせて嬉しいです。サポートどうぞよろしくお願いいたします♪