毒牙が抜けた日~親知らず、圧倒的破壊力!!【下】
親知らずを抜いて、何がつらいかって、食べられないのがつらいっ!!人間は、食の楽しみを奪われると、心のエネルギーもどんどん奪われていくのですね。
病院からは、お酒や入浴を控えること、強いうがいはしないこと(かさぶた的なものが取れちゃうから)、具合が悪くなったらココにかけてねなど、基本的な注意事項はいただきましたが、家に帰って来て気づいたのですが、そういえば食事については、私は疑問すら浮かばなかったのです。
(前回のお話はこちら)
その夜、シチューを食べてみました。
無理です……。サイコロかってくらい小さくした人参でも無理でした。仕方ないので、噛まないで飲み下すように平らげました。この日はまだいいんです。問題は、翌日からです。
親知らずって、2~3日後がいちばん腫れるんですね。私の場合も、しっかり腫れてくれました。熱も持っています。そうすると、シチューなんて食べられません。
「痛い~、痛い~、つらい~」
旦那くんに訴えても、経験したことのない痛みだから、よくわかりません。
「そっかぁ、かわいそうに……。でもほら、何て言うの?……ふっ、おたふくみたいでさ、ププ……福のある顔じゃない?ふっ……」
「ふざ……!!いてててて、痛い、痛い!!もーやめてよ!!」
笑うなんてビキビキ痛くてできないですよ。しかも、こんなときに「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ」がやってるんですよね。録画しておきましたが、翌日どーうしても見たくて見てしまい、見てしまいましたら……
「アハハ!!いててててて……!!無理無理無理!アハハ…、いててて!!」
親知らず、圧倒的破壊力!!
ちなみにその日のTwitterです。
いちばん後悔したのが、親知らずの抜歯に備えた食事を用意していなかったことです。この「毒牙が抜けた日」を執筆しようと思ったのも、私のように舐めくさって、痛い目に会う人が少しでも減るようにと、記録しておこうと思ったからでした。
食事がおいしく食べられないと、心もだんだん弱っていくんです。気力がなくなります。ほかの人のブログを読んでみても、やはり気力がなくなり、ネットスーパーで買ったとか、寝込んだとか書いていました。私も寝込みました。食べられないってだけで、心まで冷たくなってくる。それほど、食は心と密接に関わり合っているんですね。
さて、食事について。私が学んだことを書きます。もしも親知らずを抜く手術をした人がいたら、積極的に教えてあげてくださいね。翌日は仕事も休ませてあげてくださいね、いやホント。
手術してから1週間くらいは、ヨーグルト、すりおろしリンゴ、お粥くらいしか食べられません。本当にそれくらいしか無理です。お煎餅なんて、かけらをかじっただけで「痛ててててて!!」ってなります。
私がお勧めしたいのが介護食です。ドラックストアやスーパーで置いています。パウチになっていて、温めて食べられます。ミキサーでトロトロにしたものでなくても、舌で潰せる程度の柔らかさなら、食べられるんじゃないかなと思います。
ゼリーでも吸うタイプはNGでした。痛いです。スプーンですくって食べられるものがいいです。同じ理由でうどんもきついと思います。
栄養補給には気をつけてください。柔らかいものばかりだと、どうしても栄養が偏りますからね。傷の治りも早くなるそうです。私の場合は、栄養が足りていないのが本能で感じ取れたので(動物…)これはダメだなぁとドラッグストアに走りました。
牛乳や豆乳と混ぜて飲めるプロテイン、青汁もお勧めです!私は昔から青汁派なので、青汁を買いました。すごいおいしいってわけじゃありませんが、山本漢方製薬の青汁がいちばん好きです。昔、ストレスなのか?脱毛症をやったとき(髪がスカスカになった)栄養補給にと飲んでいたら、体調も良くなり、髪が戻ってきたんですよね(笑)以来、栄養補給したいときは山本漢方製薬の青汁を愛用しています。
ちなみに、術後の食事については、ネットで検索すると歯医者さんのHPなど出てくるので、ぜひチェックしてみてください。これはね、もう経験した人にしかわからない痛みだから……(泣)
よかったモノ
プリン、すくって食べるゼリー、お粥、すりおろしリンゴ、ヨーグルト、介護食、プロテイン、青汁
絶対やめれ
お煎餅、吸うタイプのゼリー、舌や歯茎で潰せないおかず、チョコレート(歯が汚れるのに磨きづらい)、香辛料などの刺激物、大笑い
私は、縫合した糸を抜くために、かかりつけの歯医者に行きました。それまでビキビキしていた奥歯も、糸を抜くとすごく楽になりました。糸で引っ張られても痛かったのかな?
かかりつけの先生は、40代半ばくらいのバリバリ働き盛りといった先生です。今の家に引っ越してきてからは、ずっとこの先生にお世話になっています。
「行ったらすぐ抜いた?」
「はい。すぐに抜きました?」
先生、なんだか嬉しそう?そりゃあ、そうだよね。だって、手術だとか難症例だとか、専門分野ど真ん中だもんね。話を聞いていて、楽しいわけだ。喰い気味に私の話を聞く先生を見て、良い先生だなぁと、私は改めて思いました。
そういえば、姉が足を捻挫したとき、やれ腰が痛い、肩が凝るって、高齢者のマッサージばかりしている近所の整骨院の先生が、「はぁ……これですよ、これです。僕がやりたかったのは、こういうのですよ……!!」って、捻挫した足を見つめながら、思わず心の声を漏らしたって言っていたな。お医者さんも大変なんだなぁ。
糸を抜いてからは、ほとんどいつも通り食べられるようになりました。心の元気も戻りました。痛みと食べられない日々に耐えることは修行のようで、乗り越えたあとは、まるで毒気を抜かれたかのようにスッキリ!
ひとつ悩みなのが、歯茎がまだしっかり戻っていないのか?でこぼこ隙間ができてしまって、そこに細かいおかずが入り込む……。いつもより、ぶくぶくうがいを繰り返さないと、しっかり取れないんですよね。それだけが悩み。
それにしても驚いたのが、あんなに大きな歯を切開してバキバキぎゅんぎゅん抜いても、人間って1週間で元通りになるんだなぁということです。昔なら考えられなかっただろうなぁ……。医学って、いつの間にこんなに進歩したんですか??インプラントとか何?ゴイス―。
ああ、でも二度と親知らずの手術は受けたくないなぁ。いい大人が涙を流して叫ぶくらいだし、何よりも食事が、食事の楽しみが、心の力と一緒にどんどん削がれていくんだから。これがいちばんつらかった!
ほんっと、もーうゴメンだよ。親知らず、圧倒的破壊力!!
(おしまい)
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