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ラムネに蒸気機関車、翻弄されながら新しい文化はゆっくり定着していく。

透明な水のような液体。だけど、パチパチ泡を立てて、飲むと口の中がシュワシュワ~!って、おお、痛い。そうだよ、ラムネだよ。俺はこれが好きなんだよねえ。

ラムネが一般庶民に定着したのは、明治も終わり頃だったねえ。西洋文化っていうものは、商いで東京に行ったときや、親戚が東京にいて遊びに行ったときなんかに知って、へえ、おもしろいねえと持ち帰って、各地に広まった感じだよ。

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おお!そうであった。先週まで「天翔る少年」を読んでくれたようで、かたじけのうござった。どうであったか?これを書いている作者の詩子って奴は、昔からちょっと変わっていてね。他人がおもしろくないと思っているものを、おもしろいんだって、まるでそこに井戸があるかのように、せっせこ一人で掘り進めているような奴だよ。そういう意味では、生きづらそうな奴だよねぇ。

どこに行ってもユニークだなんて言われて、旦那には宇宙人だって言われて。この「天翔る少年」の元になった史料を研究していたときなんかも、

「君の先行研究は、ないね

って教授に言われていたんだよ。いや、早く教えてくれよって思ったらしいけれどね。だってそうじゃないか。ありもしない先行研究を何ヶ月もかけて調べていたんだから!今じゃ笑い話だけどね。

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話は戻って……。政立たちが生きていた幕末から明治という時代は、外国文化に翻弄されながら、徐々に新しい文化が定着していった時代だった。こんなことがあった。

甲武鉄道は最初、甲州街道に沿って敷かれる予定だったんだ。甲武鉄道って、今でいうJR東日本の中央線のことだよ。こいつはまあ揉めたんだよ。

東京に府中って場所があるね?あそこは宿場町だった。その宿場町の奴らがだよ、鉄道が敷かれるのを反対したんだよ。何でもそうだけれど、新しい文化っていうのは、そう簡単には受け入れられないんだよね。

実際、汽車の煙突から出る火の粉が沿線の草屋根に降りかかって、家事になったこともあったし、農村部じゃあ養蚕をしていてさ。汽車の煙が桑の葉にかかると、蚕が黄色い水を吐いて死ぬって噂があって、せっかく開通するはずの鉄道が先送りなんてあったんだよ。

外国の米だって、毒だっていわれて、旧政府のえりーとが香港まで行って買ってきたのに広まらなかったんだ。日本製のビールは人糞を肥やしにしているから臭いとかね。ハハハッ。誰だよ、そんなこと言いふらした奴は。

ほかにもいろいろ話したいんだけれど、小話だからよ。今日はこの辺で、また来週。ミャッ。

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