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独りの感情

いつもの週末なら必ず恋人と会えていた。
でも今週は土曜日だけ会えなかった。
来週も会えないんだって。

理由は家のこと。
そんなこと言われたら何も言えないし寂しいって言葉さえも言うのが怖い。

仕方ないのはわかってる。私を不安にさせないように頻繁にLINEをくれたり、電話をしてくれてる彼の優しさも伝わってる。

でもどうしようもなく寂しい。
このことを彼に言えないことがもっと寂しい。

これは独りで抱え込まないといけない感情。
我慢しないといけない感情。
眠りについた彼の横で、起こさないように涙を流す寂しさ。

気を遣わなくていい存在だからこそ、ちゃんと考えて接さなきゃいけない。
親しき仲にも礼儀ありってやつ。

彼に抱きしめられたとき涙が溢れた。

寂しかった。会いたかった。顔が見たかった。触れたかった。声が聞きたかった。隣に居たかった。

けれどそんな思いも虚しく、疲れていた彼は一通り私の相手をした後呆気なく眠りについてしまった。

しょうがない。疲れてるんだもん。家のことだし何も言えない。我慢しないといけない。彼は何も悪くない。寝させてあげなきゃ。明日も私の相手で大変なんだし。ちょっとは休めるように我慢しないといけないかな。私なんて居なかったら良かったのかな。その方が彼は楽なのかな。

なんて考えてたら涙がぽろり。


隣にいるのに隣にいない。
触れられるのに触れるのが怖い。
疲れてると振り払われるのが怖い。

いつかこの感情が爆発して大雨になって彼を沈めてしまうと思うと、自分の弱さを実感する。

できるだけ我慢するよ。
埋まらない寂しさも頑張って誤魔化すよ。
私がそう言ってもたぶん貴方は「うん」としか言わないだろうけど。
貴方の知らないところで、貴方への感情と戦ってることをわかってほしい。


手がつけられなくなってしまう前に、ボロボロな私に気づいて涙を受け止めてね。

こんな彼女でごめんね。

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