朝起きたら推しが消えていた

朝起きたら推しが居なくなっていた。
正確に言えば、所属事務所のアーティストページから消えていた。
リンクを開けば宣材写真や活動履歴が見られたはずなのに、見られなくなっていたし、事務所の動画タグから推しは削除されていた。
本人のツイッターアカウントもスタッフアカウントもインスタグラムも存在はするけどずっと動いていない。


この記事は特定の個人を傷つけるつもりはないけど見る人によっては気分が悪くなるかもしれないのでそういう人は見ない方が良いです。
ずっと泣き続けているオタクの気持ちの整理と思い出語りの長々とした文章です。


推しについて

推しは、芸能事務所では珍しい株式会社の事務所に所属していた。(私も推しに投資してますと言いたいが為にファン株主だった。)
過去に所属していた俳優が問題を起こした際には、株が暴落し当時の会長が謝罪をした事は有名なので、世間一般的にいう「無名俳優」の推しが問題になる前に静かに解雇されてもおかしくないのかなぁ、と後から考えたりした。覚悟していたとはいえしばらくは混乱していたけれど。

しかし無名といえど、随分お金をかけて育てられていたと思う。
色々な企業と連携した2.5次元アイドルプロジェクト(正確に言うと五次元アイドル)に参加していたし、その後も自分の劇団から飛び出して外部の舞台でも主演を務めたりしていた。
五次元アイドルプロジェクトでは主役のアイドルもセンターも務めていたのでファンの中での認知度は高かった。
先日のキャラクターCGライブでは、販売するはずだった俳優陣(3次元)のグッズが推しのせいで取り扱い中止になって他担当の人に申し訳ないと思った。そこから不思議に思い推しが居なくなった理由に気付いた人も見かけた。

彼はもともと不思議な人だった。
ツイッターでサーチをかけたとき「人生何周目?」と言ってる人がいたけれど、確かに年齢の割に肝が座っていたり達観的だったり、刹那的な雰囲気があって自分の死を連想させることを笑って話す。
別に気を引きたくて生死の話をする訳でもなく、単に自分にも相手にもあまり興味がない雰囲気があった。
発せられる言葉はいつも力強くて人の背中を押すし、大きすぎる夢に思えても叶えてきたから何となく神様に愛されて、強運があって、生かされてる感じが魅力的に見えた。そこが私は大好きだったし信頼していた。
(どんな人間だよって思うかも知れないけど推しを知ってる人なら分かるはず!多分。)
推しはカッコよくて可愛くてセンスがあって、ふと居なくなりそうで怖かった。もはや信仰に近かったかもしれないけど推しってそういうもんだと思う。文字にするとなんだお前痛々しいな!って感じだけど。

推しと私

私が推しを好きになったのは10月20日、推そうと決めたのは10月21日、信仰心が芽生えたのは同日20時過ぎなのでつまりファン歴1年のド新規だ。
(前推しは3年推してても自称新規だったので基本的に永遠の新規スタンスだけど。)

五次元プロジェクト終了のお知らせ後、ファイナルライブで大泣きするオタクたちを前にひとり笑って救済MCをしたのがきっかけだった。
この救済MC、本当に凄いのであらゆる人に自信を持って見せられる。
推し!凄い!大好き!世界一かっこいい!神さまみたい!本当すごいよ推し!なんで燃えたのバカ!
帰り道も、後のレポートも推しを褒めちぎる言葉や救われたという文章を見かけた。
私もその一人だった。
とは言え、歴代推しがこぞって流出・炎上しているので私はかなり慎重に彼を推して安全か吟味した。

・軽率な発言はしなそう
・事務所が大きい
・2.5次元舞台には出ない
・服も似合ってる(ダサくない)
・本をよく読む、学がある
・過度なファンサをしない
・劇団に入ってるから会えないってことはなさそう
(後にその劇団は退団する)
・SNSもそんなにやってないしここから燃えることはなさそう
(この時はそこそこ動かしていた。)

・私の夢だったアクスタにもなってる
・私の夢だったサクライさんの絵にもなってる
・私の夢だったR・O・Nくんに曲を作って貰って歌ってる

完璧じゃん!推し、完璧だよ!運命?

推しはその後も舞台に出たりお昼の生放送でレギュラー出演していたり。
たまにドラマに出たりしていたので私は劇場に通い、チケットを必死にとり追っかけに勤しんだ。
初めての若手俳優の応援に戸惑い、SNS無精すぎる推しの生存確認には四苦八苦したりした。後にその推しは消える。
記念すべきカレンダー発売記念イベントでは何周もして最後に「居なくならないで下さい…」と声をかけた。後にその推しは消える。
(しかも心配するオタクをからかって今度失踪してみようかな〜と笑われた。ひどい。)
思い返すと常に全力で追っかけていたので応援していた1年間に後悔がないのが驚く。
もっと前から…とか、今度決まってたあの映画…って惜しむ気持ちはあるが予感と覚悟はしてたのかも知れない。
まさか炎上するとは思わなかったけど。俳優やってアイドルやって、また俳優やったら次は写真家か詩人になると思っていた。どんな若手俳優よ。

**推しが炎上する。 **

9月15日 23:50〜
・推しの名前のタグと寝顔が捨て垢(A)から投下される
・画像は不鮮明でボカシの絵文字が多くて状況が読めない。比率などからスクリーンショットかと思われる(真偽不明)

※とりあえず私はヒスって泣きながらフォロワーに電話した。

9月17日 11:14
・捨て垢Aにフォローされている別の捨て垢(B)が推しの名前タグや作品名タグと共に別の寝顔写真を投下する

※とりあえず私はヒスって泣きながら事務所に通報した。

9月18日 16:50
・捨て垢Bと別ID同ユーザー名のアカウントC(自称 夜職美容垢)がBが載せていたものと同じ寝顔画像を投下
・推しの名前や作品名のタグと共に痣だらけの女性のコラージュ画像を投下。
「友人である5年間付き合った彼女にしていた証拠」
「人としてありえない」
とツイート

※推しのフォロワー全員のアカウントをチェックしていたのでこの辺で一部オタクが不穏を察知しbioから推しの名前を消したりアイコンを変えて鍵をかけたりしているのを確認。不用意に拡散しない姿勢ほんとに好きだ…(?)
私は「ありえないよね?」と周りに相談して自分に嘘だと言い聞かせつつDVしそうだなぁという考えを必死に誤魔化していた。
拡散したくないので周りにも言えず苦しい日々が続く。

9月30日〜
・捨て垢Dが「やばいことまだ沢山ある」「これから真実だと分かる」とツイート
・推しが彼女に束縛と暴行を働いていたこと、彼女が別れを切り出すと包丁を腹にあてて自殺を仄めかすので別れられなかった、しかし本人は浮気をしていた などのツイート
・鍵付きインスタ(投稿15/フォロワー65/フォロー84)のスクショと共に「これ推しの裏垢だよフォロワー女ばっかだから申請してみなよ」とツイート

※この時点で裏垢が推しだとは確定していないが地元の友人がフォロワーにいたので推しだと確信。しかし正直裏垢はみんな持ってるだろうしSNS放置してる割に「インスタで猫ばっか見てる」発言もあって察していたのでスルー

10月3日
・推しの公式スタッフアカウントから春公開の映画降板のお知らせ
(クランクインは数週間後の予定だった)

*10月6日〜
・捨て垢Dと直接やり取りをする
・裏垢と繋がってるホステスやキャバ嬢のインスタを覗いて暇つぶし
・気まぐれにマシュマロを覗くととんでもない投稿をされていることに気づく。(あんまり人にそういうマシュマロしたらダメだぞ!)

画像1

・捨て垢D「推しがクズだという証拠を見せるからみたい人は連絡を」とDMを募る。
(妊娠中絶同意書にサインしてある推しの直筆サインと判子をばら撒く)

※ここまで正直何がしたいのかも決定的証拠もない。推しやスタッフからも何の発表もなし。
まとめると、5年付き合った彼女を束縛DVしつつ浮気してその相手を妊娠させたあげくお金も出さずに逃げたと言うことだった。

※10月上旬
推しの裏垢の中を見る、生存を確認。
体調不良の発表時もインスタのストーリーで遊んでいた事が分かったので一安心する。(甘やかし)
元気だった頃から表のSNSを全く動かさない上、今回の体調不良を心配しているファンの声をガン無視して裏垢は頻繁に動かす姿勢にキレそうになる。
しかし、裏垢は勝手に見ただけなので嫌いになる権利はないので一先ず置いておく。あと、作品とかファンの悪口がなかったから自殺せずに済んだ。
(ひとつ言うと、人によっては裏垢発見された時点で炎上すると思う。)

※10月中旬
・推しと5年間付き合っていた彼女の鍵付きインスタアカウントを見つける。雰囲気から暴行を受けていた画像と同一人物だったのではと半信半疑
・推しが事務所主催ライブ欠席、推しと同グループのメンバーも欠席(この辺で心が耐えきれなくなって嘔吐ODリスカ号泣とかしてたホントまじで勘弁してほしいこれが一番キツかった推しの事務所見てるか死者が出るぞ ^^)

10月17日
・推しの共演者が推しとの過去写真を載せてくれる。

10月27日
・過去に共演していた友人が推しが舞台を見にきてくれたと画像をツイート

※推しは少し太って引きつった笑みを浮かべていた。もしかしたら11月1日に退所のお知らせが来るのでは、と怯えていたが安心する。
明らかにこいつ、酒飲んでむくんでるぞ…と思いつつもう売れることは無理でも確固たる証拠も上がってないなら細々と舞台でやっていけたら…と考えた。
同時に売れない推しを応援できるのか、こんな風に凄まじい内容の暴露があった推しを全部見なかったフリをして観れるのか迷い続ける。

11月8日 朝
・推しの名前が事務所から消える
それから何のお知らせもなし。

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以下まとまらないお気持ち表明

翌日は、推しの声がする、推しがモーションキャプチャーで撮ったダンスを踊る、推しの発言を輸入したボケをする、大好きな2次元の男の子のCGライブの日だった。奇跡的に開催されたライブ中、色々な思いが溢れて苦しくなった。
今ここで死にたいと嗚咽して大好きなキャラに集中できないくらいならもう腹くくってファンを降りようと思った。
「全部認めない」「妄言だ!」と跳ね除けず、所謂お花畑にはなれない、それでもまだ好きでいられるかと悩んできたけど限界を感じた。
でも、もし推しがどこか小さな劇場に立ってると知った時にチケットを取らずに居られるのかと考えたら迷う自分もいた。
今の気持ちを一つ言うならどうすれば良いか分からないに尽きる。

推しは各方面に多大な迷惑をかけたと思う。
動き出したアイドルコンテンツの息の根を止めるような真似をしたんじゃないか、他のメンバーはどう思っているんだろう、推しを他担当がどれだけ憎んでるんだろうと怖くなった。
同時に、あれだけの人数を救って感謝されて一瞬で嫌われるのって神話みたいだなぁとうっすら思った。
結局推しは私の神さまだと思う。
(私にとってアイドル=身近な神さま なので)

表向きでは他担当のオタクたちは推しの担当を心配するツイートをしていてくれて随分心がラクになった。
あと今日まで生きてこれたのはTLの人たちがうっすら知っても冷やかしたり、口出ししてこなかったからだと思う。その節はありがとうございました。お前の推しも同じ目に遭えと呪わずに済みました。
もしかしたらこんな炎上、若手俳優、ジャニーズ、バンドマンを追いかける人にとってはあるあるなのかもしれない。
でもこの数ヶ月苦しんだ思いをあるあるでは片付けて欲しくないなぁ、と思う。


本当に辛い、寝る前も起きた時も一番に考えて一番に大好きで一番優先で本当に推しに命を預けるつもりで生きてきたから、油断すると仕事しても帰り道でも崩れ落ちて泣いてる。
推しに生きる理由だと伝えたときは「まじすか、あざす!」で済まされたけど。
もう二度と好きな人に会えないと改めて思うと、辛さに慣れて麻痺したと思ったのにどんどん寂しくなって死にたくなる。
もう居たのかも居るのかも分からなくなって居ない事に慣れるのも嫌で無駄に路上とか部屋で声に出して名前呼んでるし、なんならウチワに挨拶してる。
好きなのか好きじゃないのかも確かめる術もないし自分の気持ちがわからない。何よりマシとか誰よりはまともとかも関係なくただただ辛い。
本当に推しは酷い男で、最低で、最悪で、沢山の人を傷つけて勝手にいなくなるゴミクズだと思う。

私は推しに、他担当のオタクみたいに好きとか感謝してるとか言われた記憶がない。
でもあの日のMCに救われた過去を否定したくないとは思う。過去を嫌いにならない努力だけは絶対にしたい。

毎日推しのカレンダーを千切りながら悲しくなったり懐かしくなったりしています。推しは今を後悔してるのかどうかもわからないけど。


今後の幸せを祈っていいのかも分からないし何なら地獄に堕ちるべきかもしれないけど、どこかで生きてはいてほしいと思います。
石原壮馬くんが大好きでした。

こんだけ色々書いて言うことじゃないけど、世界一かっこいいアイドルだった推しの過去を知ってください。
私の大好きなアイドルを知って愛してください。
(それが私の唯一の慰めなので…)


【追記】推しのスタッフアカウントが消えました。死ぬか~ (11/20)

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