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超短編

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スクロールは1回か2回程度の超短編です。
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2022年7月の記事一覧

パラダイスの楽屋 【超短編】

パラダイスの楽屋 【超短編】

 彼は侯爵主催の文字通りの酒池肉林のパラダイスに招かれても踊り子の楽屋の隅の椅子に腰掛けて珈琲の碗を時折啜りつつ遠見にレビユウの舞台を眺めながら御馳走には手を着けずカアテンコオルが終はつて自分のかねて眼を付けてゐた大柄の踊り子が楽屋に戻るのを根気強く待ち続けてゐた。

宦官 【超短編】

宦官 【超短編】

......宦官が性欲を想像して巧みに文を草したとしてそれはフィクションとしてはむしろリアリティがあり得るのです、と語る老作家は出版社の企画担当の注文に応えてモデルの女の足元に踞り群青色のマニキュアの光る爪先を推し頂き奇妙に細い舌を指の又に走らせてグラビア用写真に収まった。

アクセル 【超短編】

アクセル 【超短編】

ジャガーの白い革張りの助手席はエルメスのオーデコロンのスパイシーな薫りがする。運転席の彼女はアクセルを踏み続けながら言った。
「ほら、エンジンの音が喜んでるわ!」
彼はこういう無茶はこの天才チェリストには許されていいのだと、付き人の立場を忘れて一人の男性として思った。