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短歌集

202
和語だけで旧仮名遣いの和歌と、和語以外も入り現代仮名遣いの短歌との両方を収録しています。
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2021年3月の記事一覧

短歌 濡れて薫るや

短歌 濡れて薫るや

春雨に
  濡れて薫るや
    黒髪に
  隠るる襟の
    薄紅の色

俳句 肌まだ柔き

俳句 肌まだ柔き

染井吉野の下はまだ花びらも散らず、初々しさが愛らしいです。俳句ができました。

 咲き初めて
   肌まだ柔き
     桜花

短歌 せめて今だけ

短歌 せめて今だけ

山桜でしょうか、微笑んでくれた気がして、短歌ができました。

 誰のため
    咲く桜でも
      ないけれど  
  せめて今だけ
    私のために

短歌  けさ咲き初むる

短歌  けさ咲き初むる

ぼくの住む街に染井吉野が開花しました。うれしくて短歌ができました。

 ほほえみも
   歌も忘れし
     くちびるに
   けさ咲き初むる
     花のひとひら

短歌  虚無は何いろ

短歌  虚無は何いろ

枯草も
  もだし悼まじ
    蒼穹の
  藍ならずして
    虚無は何いろ

短歌  うつるうき世を

短歌  うつるうき世を

私の住む町では、染井吉野はまだですが、いろいろな種類の桜が咲きはじめました。

花見るは
  はなむけなるや
    うたげして
  しばし送らむ
    うつるうき世を

短歌  男言葉のさまになる君

短歌  男言葉のさまになる君

こんな人がいたらきっと振り返ると思います。夢想して短歌ができました。

 ほの白く
   うなじ露わす
     春の風
   男言葉の
     さまになる君

短歌 ふと口ずさむ古いシャンソン

短歌 ふと口ずさむ古いシャンソン

ビルの谷間に今年も緋寒桜が咲きました。短歌ができました。

  街角に
    緋寒桜の
      咲き初めて
    ふと口ずさむ
      古いシャンソン