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大人の思春期:暗闇に一寸の光

プロジェクト始動! 第一フェーズ

プロジェクトの正式名称は、家庭力アッププロジェクト®️ 株式会社Homeportの代表 西崎彩智さんのチームが主催する、お片付けを通して、自分と家族が笑顔溢れる、そんな家庭力アップを目指すプロジェクト。リバウンドなし!お母さんだけが頑張らない片付けが実現できる心理学を取り入れたオリジナルの講座

全国大会を目指す「本気の大人の部活です!」と彩智さん。始まる前からワクワクした。雑誌に載るようなあこがれのリビングが本当に手に入るのだろうか。東京では初開催で、参加者は全国から集まった111名。それぞれの岐路に立ち、覚悟を決めて参加した同期達、みんな最初は同じ心境だったはず。

セミナー直後から、何も手を加えていない現状の汚部屋と収納を全て記録に残し、プロジェクト開始までの1ヶ月で明らかな不用品を家から出す。やると決めたら今日から動く!そんな宿題が出され、いわゆる断捨離一巡目が始まった。課題図書やテキストの予習、今の自分を知るワークシートの記入など様々あったが、とにかく時間を費やしたのが不用品を家の外に出す作業だった。

高2と中1の子供達は、思春期ど真ん中。子供部屋の中はどんなに足の踏み場がなくても手出しできない場所。子供部屋、夫の書斎は対象外とし、それ以外の場所を今回のプロジェクトの対象範囲と決めた。

言われた通りに手を動かすも、すごく進みが遅い。ものすごく重い体を動かすように、のっそりのっそり。さらには、何時間もかけたはずなのに、出せた不用品はほんの少し。それでも「今日は、45Lのゴミ袋を2つ!頑張りました!」と写真付きコメントで「できたこと」を愚直にアウトプットしていった。その時は自分にとっての要る、要らないの基準がまだ曖昧で、不要と判断ができていなかった。

プロジェクトの同期メンバーとはFB上で進捗を共有しながら、励まし合う。分からないことも質問やコメントが飛び交い、なんと心強いこと。同期が頑張っている姿を見ることが、自分の原動力になっていった。

大人の思春期

" Be Ambitous 志は高く!" イギリス人上司の口癖だった。常にやる気がみなぎっている5人のティーンエイジャーのお父さん。人間的にも大きな人で、ビジネスでも結果を出す。尊敬している人の一人だった。

そんな上司から何か頼まれれば、返す言葉は「わかった、なんとかする」。部下から相談されれば「そっかそっか、話しをしよう」傾聴は得意だった。いつだって傍にいる、だから安心して思う存分自分らしさを発揮できる -- そんな環境を用意するお母さん的マネジメントが目指す姿だった。メンバーをエンパワーしてモチベートする。チームビルディングが一番好きな仕事だった。

「Uさんは、CHOですよ」

Chief Happiness Officerだという。従業員の幸福をマネジメントする専門の役職。アメリカでは、正式なタイトルとして存在するらしいと、数年前に同僚から聞いたことがあった。すごく嬉しかった。最高の言葉のギフトだと思った。しかし、後になってそれは、自分に意識を向けることと逆方向にあるご褒美だと気づくのだった。

外側にあるご褒美や見える景色に満足し、自分に意識が向かなくなっていったのかもしれない。これがモヤモヤの原因だったんだ。目標はあった。Willだってある。仕事はやりがいがあって、仲間にも恵まれて、いろんなことを築き上げてきた。本当に楽しかった。

でも、管理職3年目からずっと消えないモヤモヤ。娘とほぼ同時期に、私自身も思春期を迎えようとしていたのだった。

大切にしたい家族を大切にできない

家庭力アッププロジェクトの参加を決めた頃、新年度を迎えて、新組織、新ミッションで5月病にもかかっていた。コーチMに話を聞いてほしいと連絡する。自分では、どうしようもなくなって状況を説明すると涙が溢れる。家族を第一に行動したいのにできない自分が嫌で仕方なかった。

自分にとって、必要なこと、必要じゃないこと、言葉にしたことを丁寧に書き出して整理してくれた。過去の執着でもなく、未来の恐れでもない「今」の自分と丁寧に向き合わせてくれた。手放して良いことは手放す行動をとる。コーチに、小さくても手放せたことを報告した。一番最初にしたことは、上司にメールしたこと。仕事も含めた頭の中の断捨離一巡目を同時に進めていくことになった。

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