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大人の思春期:運命のプロジェクトとの出会い

プロジェクト前の家庭状況

思春期、それは小さい時の淋しさや、幼少期に経験した心の痛みがすべて親、特に母親への怒りとして噴き出る時期らしい。息子の学校主催、保護者向け講演会で出会った渡辺久子先生の書物「思春期の子のこころがわからなくなったときに読む本 10代の子どもと親の”心育て”」で学んだ。辛い時にバイブルのように手にとり心を落ち着かせていた。

息子の思春期は、激しい嵐が来て暴風雨に耐えしばらく過ごしていたら、台風一過のようにカラリと晴れ渡った、そんな思春期・反抗期だった。

娘はそれとは違う。小学校で実施されたアンケートで「自分は大切な存在だ」という質問に「あまりそう思わない」と回答していた娘。「家族なんて大嫌い」「どうせ私なんて生きてる価値なんてない」耳を塞ぎたくなるような言葉を吐き捨てられる。職場の仲間に泣きながら吐露することもあった。

過去に3度、娘を裏切ったという意識がある。兄の大病、兄の受験、そして海外業務と管理職を中心にしていた私の仕事。今こそ全てを引き受け、向き合わなければ、そんな焦りとは裏腹に、目も当てられない暴れ馬のような生活態度を毎日のように咎めてイライラしていた。

「脱いだ服は脱衣所に持っていって」
「ソファにヘアピンとクシを置きっぱなしにしてる」
「ノートと教科書が玄関に置いたままだよ」

息子も加わり言い争いが絶えない。
部屋中、いや家中に散乱している、娘のモノ。学校、塾からのお手紙や書類、習い事グッズ、そして誰のものでもない、なんとなくそこに置いてある保留にされたモノ達。それが積み上がった家。・・・自分ができていないことを娘に要求しているんだろうな。。薄々気づいていた。

自分が彼女の全てを作っている原因だと…。

命運を分けたお片付けセミナー

自分も家族もボロボロの状況で、目に止まった広告に吸いよせられ家庭内のお片付けセミナーに参加することになった。最初なんとなく聞いていたセミナーは、主催者の先生から発せられるエネルギーと自分次第で絶対に成果が出る、という確信に満ち溢れた姿勢にどんどん引き込まれていった。

聞いていると自分に心あたりのあることばかり。

・部屋が散らかっていてイライラしている
・いつも何かに追われている
・家事分担がうまくいっていない
・いつも探し物をしている
・お友達が不意に来た時に、あがって〜と言えない
・時間の使い方が下手

今の自分と決別できるかもしれない、そう思った。

家中の片付けは目的の一つだが
・家族との関係修復
・自信を取り戻す
・家族や自分との向き合い方を見直し、自分の人生を好転させる

片付けの先にあるゴールに惹かれた。仕事で人材育成に携わって長かったので、これは本物だとどこか自分の選択に自信があった。

プロジェクトは、45日間。前後入れると約3ヶ月のプロジェクトだった。参加費の金額を聞いた時、やっぱり・・・。目が飛び出る金額だった。起業した友人から聞いていた自己啓発セミナーの金額を思い出し、相場から大きく外れていないこと、後がない自分と家族の状況、働いているんだから自分の意志で決めて良いんだと自分を納得させ、藁をも掴む気持ちで、このプロジェクトに人生を掛けることに決めた

GW初日の出来事だった。

プロジェクトの正体

プロジェクトの肝は、正しいマインドセットに気づき、仕組み化された独自の片付けメソッドに従い、自分自身で手を動かし行動を習慣化していくこと。自分の意識変革が最初にできないとプロジェクトの成果が出ない。今、目の前にある現状は、すべて自分が引き起こした結果なのだと、受け止めることから始まる。

家庭内に広がる光景は、自分の心を映し出す鏡

家の中を片付けるお片づけのプロジェクトは、実は、自己変容を促すプログラムそのものだった。やり方(テクニック)も学ぶけど、意識・マインドこそが全てである、というメッセージを代表の西崎彩智さんから私は受け取った。「お片づけは最高のセルフコーチング」。信じて、とにかく素直にやってみる。

家庭内のモノ・家族とのコミュニケーションを通して、自分自身ととことん向き合うプロジェクトだったのだ。

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