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オペラ 恋の妙薬 Elisir d'amore ストーリー

第一幕

19世紀のスペイン、バスク地方の小さな村。

農民達が集う広場で、農夫の『ネモリーノ』は、
農園を管理する若い娘『アディーナ』を遠くから眺め、「美しい」と恋する想いを一人で語っている。
(🎼「なんと彼女は美しい」
“Quanto è bella”)

しかし、
その想いを誰にも明かすことができないネモリーノ。

アディーナは、
農民達から読み聞かせをするようにお願いされ、
“トリスタンが持っていた魔法の薬の話”
(「トリスタンとイゾルデ」)を読み始める。

この薬は、トリスタンがイゾルデへの恋を成就させた妙薬である。
「こんな薬があったらいいな!」
と農民みんなが口を揃えて言う。

その後、軍曹『ベルコーレ』が登場し、アディーナに結婚を申し込む。
アディーナは、
「私を手に入れるのは簡単じゃないわよ。」
と応える。
ライバルの登場で焦るネモリーノ。

ベルコーレ達が去り、
二人きりになったネモリーノとアディーナ。

ネモリーノは、アディーナに告白をするが、
「諦めて。」と言われて振られてしまう。

ある日、
偽物の医師『ドゥルカマーラ』が街へやってくる。
彼は偽物の薬を売る詐欺師である。

村人に巧みな口実で偽物の薬を売った後、

ネモリーノはドゥルカマーラに、
「イゾルデの惚れ薬はあるか?」
と尋ねる。

ドゥルカマーラは赤ワインのボトルを惚れ薬として、ネモリーノに高額で売る。「効果は丸一日経ってから」と聞いたネモリーノは、ボトルのワインを全て飲み尽くした。

酔ったネモリーノは、
アディーナに余裕のあるそっけない態度をみせる。

アディーナに
「明日には君も僕を好きになるよ。」
と言うと、

アディーナは激怒。

「ベルコーレと結婚するわ!」
と言い返す。

そこへやってきたベルコーレ軍曹の求婚に応じるアディーナ。

ベルコーレ軍曹に指令が届き、ベルコーレは明日に軍として出発することになった。そして、アディーナとの結婚式は、今夜行われることになる。

薬の効果が発揮されるまで結婚を待ってもらうためにネモリーノは、アディーナに結婚日を変えるように頼むが、アディーナは聞かず。

ネモリーノはアディーナの結婚にショックを受ける。

第二幕

アディーナとベルコーレ軍曹の結婚の準備が始まる。

一方、アディーナは、彼女にそっけないネモリーノに仕返しをするために、結婚式を見せつけたかった。

ネモリーノは、ドゥルカマーラに妙薬を求めるが、
購入できるお金がない。

ベルコーレ軍曹の軍隊に入ることを決めたネモリーノ。
お金を前借りできるように、ベルコーレ軍曹に直接お願いをする。

恋のライバルが軍の部下に入ることを面白がるベルコーレ軍曹。

その頃、『ジャンネッタ』は、ネモリーノが遠い親戚から大きな遺産を受け取ったという知らせを村人に伝えた。ネモリーノ、アディーナ、ドゥルカマーラだけはこのことを知らない。

村の若い女性達は、お金目的でネモリーノに夢中になる。

ネモリーノは、
“アディーナを嫉妬させるために薬が効果を発揮し出した”
と考えた。

そして、ドゥルカマーラは、
アディーナに、
「ネモリーノは私の薬が効き、モテモテだ。ネモリーノは愛を理解してもらうために自由を捨て、軍隊に入った。私は愛の妙薬をネモリーノに売った。」
と話す。

アディーナの目には涙がこぼれた。
そして、
ネモリーノがアディーナを愛していることを理解した。

ドゥルカマーラは、
「あなたも惚れ薬が欲しいですか?」
と尋ねるが、
アディーナは、
「自分で愛を手にするから薬は入りません。」
と応える。

(🎼「人知れぬ涙」“Una furtiva lagrima”)

アディーナはネモリーノの入隊契約書を取り戻してきたと伝えるが、「愛している」と言わないアディーナ。

愛を伝えて欲しいネモリーノは
「僕を愛していないのなら、僕は軍隊で死ぬ!」
と契約書を返す。

すると、
アディーナは
「あなたに永遠の愛を誓います。」
と告白し、二人は結ばれる。

ベルコーレは
「この世は女性で溢れている。」
と言い、兵士たちと村を出る。

ドゥルカマーラは
「私の薬は、恋の病も治し、人々をお金持ちにもする!」
という。

ドゥルカマーラが村人に賞賛され、
歓声の中で村を出発する。

閉幕。

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