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私のお気に入り

ゴールデンウィークが始まりましたね!ウィズコロナの大型連休、旅行先に
”打楽器だけの音楽の世界”はいかがでしょうか。
実は今年で活動10年目に突入する私たち「ぺるあん」。東京大学の打楽器アンサンブルサークルとして2013年に活動を開始してから、様々なアンサンブル曲に挑戦してきました。そこで今回は、入団4年目の上級生団員が、ぺるあんアンサンブル史から推し曲を紹介します!


今回は推しのアンサンブルを紹介するにあたって、私がぺるあんに入った2019年から2021年のそれぞれの年で、特にお気に入りのアンサンブルを選びました。その3曲について、主観強めに魅力や演奏した感想をお伝えします。

水の記憶

動画はこちら▶▶▶【打楽器四重奏】水の記憶/加藤大輝

 2019年の駒場祭で披露した曲です。時間の経過とともに形を変えながら存在する水の様子が、様々な楽器で表現されています。前半はせせらぎや水面に落ちるしずく、そこから広がる波紋といった、比較的穏やかな水が描かれ、後半は打って変わって急流のような勢いで曲が進んでいきます。私はこの曲を演奏したことがないので、一観客としての個人的な推しポイントを書いていきます。
 前半は、鍵盤打楽器の美しい音色や流れるような旋律ももちろんですが、その後ろで響いているティンパニの低音が個人的にすごく好きです。これによって全体の音の深みが増している感じがします。続く中間部では、マリンバと、マレットで叩いた柔らかい音色のコンガ・ボンゴとの掛け合いがあります。神秘的というか、不思議な雰囲気を醸し出していてこれまた素敵ですね。そして何よりも、後半のテンポが上がるゾーン!!熱すぎます。それまでとはがらっと変わってパキッとした音色のボンゴ、そしてバスドラム、さらにマリンバの低音による、高速の連符が続きます。どの楽器もかっこよすぎる。自然と体が動いてしまうこのリズムも最高です。続くティンパニとコンガ・ボンゴの掛け合いも、盛大にかっこいいですね。。終盤のマリンバとティンパニによるユニゾンのメロディも、きらきらした伴奏とともに、壮大で荘厳な世界観を作っていて大好きです。つまりこの曲全部大好き、みたいになってしまいましたが、やっぱり一押しは後半のテンポが上がるところですかね。
 また、これはこの曲に限らず多くの打楽器アンサンブルに言えることですが、色々な楽器が登場し、その多様な魅力が出ているのも見どころです。詳しくは過去にぺるあんnoteでこの曲に登場する楽器を紹介した記事があるので、気になる方はぜひこちらから読んでみてください。
 曲からは少し離れますが、この動画では奏者の衣装を白で統一しているのも好きなところです。上下黒の衣装が多いぺるあんでは珍しい気がしますが、このアンサンブルでは曲の雰囲気や水の透き通ったイメージに合っていて、白も素敵だなぁと思います。
 ちなみにこの動画の演奏が行われたのは2年以上前で、それでも対面で開催した演奏会としては一番直近のものです、、。今年の駒場祭ではオフラインの演奏会ができたらいいなぁ。


宝島

動画はこちら▶▶▶【打楽器17重奏】宝島 / 和泉宏隆

 2020年、初のオンライン開催となった駒場祭で、総勢17名で演奏した曲です。フュージョンバンドTHE-SQUAREの曲で吹奏楽版も人気のある『宝島』を、団員が打楽器用に編曲しました。3台のマリンバや2台のヴィブラフォンなどの鍵盤打楽器、ドラムやティンパニといった太鼓系に、小物楽器も加わり、大人数ならではの迫力ある演奏になっています。中でも全員で演奏するサビは華やかで、様々な楽器がメロディやハモリ、対旋律、刻みなどを奏で、本当にたくさんの音が聞こえてきます。もちろん、後半のマリンバソロも必見です。
 私はこの曲でマリンバを演奏したのですが、10人を超える大人数での打楽器アンサンブルに参加したのはこれが初めてで、それまでに経験したアンサンブルにはなかった音の数と厚みに圧倒されました。。こうした大編成ならではの魅力を感じられるのは、打楽器奏者のみが集まる打楽器アンサンブル団体の醍醐味だなと思っています。
 またこの動画は、演奏会のオンライン開催(事前収録した動画の配信)に伴い、初の試みとして複数台のカメラの映像を組み合わせて編集されています。先ほど紹介した『水の記憶』のような、演奏の様子を遠くから一台のカメラで撮影した動画とは違い、奏者の手元がよく見えるうえ、様々な視点から見て楽しむことができ、コロナ前の演奏動画にはない魅力がありますね。特にこの曲のような大人数での演奏では、前からはほとんど見えない後方の楽器も映せたり、注目してほしい複数の楽器を同時に見せることができたりと、配信という形式になって良かったところがたくさんあるなと思います。観客のいない、オンラインでの動画公開を主眼とした演奏会にも、それならではの良さがあるんですね。…でもやっぱり、早くも3年目に突入するコロナ禍でオンラインの演奏会が続いているので、そろそろ有観客の演奏会ができるといいですね、(2回目)。


Runner’s High for Percussion Ensemble

動画はこちら▶▶▶
【打楽器六重奏】Runner’s High for Percussion Ensemble / 細谷晋

 2021年の五月祭で演奏した曲です。マラソンなどで長時間走り続けたときに訪れる高揚感であるランナーズ・ハイをテーマに、ランナーが走り、途中で休憩を取りつつ、再び走り始めてやがてランナーズ・ハイに達する様子を描いています。
 曲の前半と終盤では、終始マリンバやドラムが16分音符を刻み、疾走感を生んでいます。前半で特に注目してほしいのは、動画内で前列にいるマリンバ奏者2人が16分音符を叩くところ(1:28あたり〜)です。ここでは実は2人が違うリズムを叩いていて、それが重なることで16分音符が続いているように聞こえるという形になっています。伴奏を担当していた私は後ろから見て、テンポが速くて音符が細かくて大変そう、、と思っていました(他人事)。
 ヴィブラフォンのソロに始まる中間部は一転してゆったりとした曲調で、ランナーの一時の休息を表現しています。正直、ずっとマレットの4本持ちに16分音符で走り続けてきた奏者にとっても、ここは一息ついて落ち着ける部分でした(私だけかも。すみません)。それもあってここのマリンバの優しい音色やハーモニーにはとても癒されます。8分の6拍子の部分でも、前列のマリンバ2人の息の合った演奏が見どころです。
 そして、再びランナーが走り始めた様子を描く終盤に突入しますが、ここがこの曲一番の激熱ゾーンです!初めのドラムとパーカッションのソロは、自分は叩いていないのに聞いていて一番楽しいところだったりします。そのあと冒頭のフレーズが再現され、転調を経て曲はクライマックスを迎えます。演奏しているときは、特に転調したあたりからラストスパート!という気持ちで、テンション・熱気が最高潮でした。曲が終わると最後まで走り抜けた、という達成感があり、演奏しながらまさにランナーズ・ハイを体感できた気がしています。



今回紹介(?)した3曲は、推しと言っても好きな曲はたくさんあってきりがない、どうしよう、、と悩んだ末になんとか絞ったものなので、ここで挙げなかった曲にももちろん魅力はたくさんあります!ぜひぺるあんのYouTubeから自分のお気に入りを見つけてみてください◎

公式YouTubeチャンネルはこちら▶▶▶
東京大学ぺるきゅしおんあんさんぶる - YouTube

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