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【Twitter連携企画】クイズ★進振りケース(CASE08)

 オンライン授業が始まって早1ヶ月。新しい生活様式での「大学生活」に慣れてきた人も多いのではないだろうか。しかし一方で、定期試験や成績評価、そして特に、進学選択、いわゆる「進振り」には不安を抱えているだろう。コロナ禍の影響を完全に取り除くことはできないが、我々にできるのは進学条件を今一度確認し、問題なく志望学部・学科に進む準備をすることだ。
 UT-BASE公式Twitter( https://twitter.com/UtBase )で行われている、進振りのあれこれを具体的な例を用いて理解する「クイズ 進振りケース」。第8回は第7回の続きとして「追い出しの失敗」についての出題だ。解説もあるので、ぜひ参考にしてみてほしい。なお、断りの無い限り、既習外国語(英語)と初修外国語を選択した非TLP生を想定しているので、これに該当しない人は適宜、『履修の手引き』を見て確認してほしい。

CASE08 【追い出しの基礎】

【問題】
理科X類の場瀬(ばせ)さんの、2Sセメスター終了時での総合科目E~F系列の成績表は画像の通りであった。彼女の成績表をみて、このツイートに続く選択肢から、「追い出された」科目を過不足なく含むものを選ぼう。

スライド36

【選択肢】
① E2
② F1・F3
③ E2・F3
④ E2・F1・F3

Twitterでの出題はコチラ

知識の確認

 前回は追い出しとは何か、追い出しに成功するとどうなるかを紹介した。(まだCASE07の記事を読んでいない人はまずはそちらを読んでほしい。)今回は逆に、追い出しに失敗するとどうなるかを紹介する。追い出しは履修戦略として積極的に使ってほしいものだが、一定のリスクも伴うということは知っておく必要がある。

■追い出しの失敗
 追い出しを目的として履修したものの、結果が振るわずに、その科目の成績が追い出そうとした科目の成績よりも低い成績になってしまったとき、追い出しに失敗したという。追い出しに失敗すると、追い出しを目的として履修した科目がむしろ追い出される結果となる。前回の復習だが、追い出されると、その科目(基礎科目の例外を除く)の重率は0.1になるのだった。

スライド37

 上の画像では、追い出し目的で履修した「本郷学」の成績が、追い出そうとしている「東大史」の成績よりも低いので、「本郷学」それ自身が、返り討ちに遭ったかのように追い出されてしまっている。この例では「本郷学」の点数は50点になっているが、これが50点未満であったとしてもこの例はそのまま成り立つ。

■基本平均点への影響
 追い出しに失敗すると基本平均点はどのような影響を受けるか?追い出しに失敗したということは、今までの成績よりも低い点数を取ってしまったということであるから、基本平均点は追い出しの失敗によりむしろ低くなる可能性がある。(これは常に成り立つわけではない。これについては後日、問題として出題しよう。)
 追い出された科目は、基礎科目の例外を除いて重率が0.1になるから、たとえ基本平均点が下がるとしてもその下げ幅は最小限に抑えることができる。この下げ幅は状況により異なるが、0.1点~0.3点ほどの幅での低下になるだろう。自身の基本平均点が「底点」(=最下位で内定した人の進振り点)ギリギリの人は、この0.数点の損失が致命傷となることもあるので気を付けよう。

スライド38

(一部の基礎科目は追い出しにより重率を0とみなるようにすることができます。その場合は、その科目は基本平均点に算入されないので、影響は0になります。)

■再履修との合わせ技
 追い出しに失敗したのはおろか、単位取得にも失敗した場合、これは逆にチャンスにもなる。もし失敗した科目が2Sセメスターまでに再履修できる科目であれば、再履修を行うことにより追い出しの失敗をなかったことにできる可能性がある。追い出しを目的として履修した科目が「不可」または「欠席」のとき、再履修してまともな点数を獲得することで成績を上書きし、その上書きされた点数をもって追い出しを行うことができる。再履修により追い出しの失敗を帳消しにできるのだ。

スライド39

 注意点としては、この手法が使用できるのは、1A(や1S)セメスターで追い出しに失敗して「不可」・「欠席」になり、かつ、その科目が2S(や1A)セメスターに開講されている場合のみであるということ。進振りは2Sセメスターまでの成績で決定するため、これまでに再履修が完了していなければ意味がないからだ。

問題の解説

さあ、問題の解説に入ろう。解説のついでに、追い出しの失敗は基本平均点にどこまで影響を及ぼすのか、デモンストレートしてみよう。
【問題】

スライド36

【選択肢】
① E2
② F1・F3
③ E2・F3
④ E2・F1・F3

【解答】

【解説】
 基本的な考え方はCASE07で説明しているため、簡単に済ませる。成績表を見て、成績表の右にある条件などを満たすように各科目成績順で並び替えると、成績上位6単位は「E1」、「F2」、「F1」であることが分かる。これは条件を満たしているので、これらの重率が1で確定する。したがって、残った科目「E2」と「F3」は追い出された科目である。(重率は0.1)よって、③が正解。簡単すぎたかな?
 ところで、ここからがこの問題の本題で、この「E2」と「F3」を履修した時期を見てほしい。ともに2Sセメスターで履修しているから、これらは、履修戦略上は追い出しを目的に履修したものと解することができる。しかし結果は、追い出し用に履修したこれらの科目自身が追い出される結果になってしまっている。これが、追い出しの失敗だ。試しに、場瀬さんの総合科目E・F系列だけの基本平均点の変化を計算してみよう。
 1Aの末のまだ追い出しが行われていない時点では
  (80点 + 70点 + 75点) × 2単位 × 重率1 ÷ (2単位×3科目×重率1)
 = 75点
である。対して、2Sの末(追い出し後)では、
    {(80点 + 70点 + 75点) × 2単位 × 重率1 + (45点 + 65点) × 2単位 × 重率0.1} ÷ (2単位×3科目×重率1+ 2単位×2科目×重率0.1)
 = 73.75点
まで低下する。総合科目E・F系列だけで計算したため減少幅が大きくなってしまったが、追い出しに失敗するとこのように基本平均点が下がってしまう可能性があるので注意が必要だ。追い出しに失敗して落単した場合(例えば場瀬さんの「E2」)、制約があるが、可能なら再履修をして基本平均点を上げるのもいいだろう。
(終)

 以上のことは基本的にほぼ全て『履修の手引き』に掲載されている。万が一履修条件の抜け漏れがあった場合は、すぐに手引きを参照しよう。特殊な成績計算方法を採用している学部・学科もあるため、各位志望に合わせてチェックしてほしい。
 また、進振りに関する詳細な情報を掲載しているUTaisaku-Webや成績を入力すると自動で基本平均点を計算してくれるUTESなどのサイトを活用するのも有効だろう。
もちろん、UT-BASEでも進振りに関する耳より情報をご提供していく予定なので、参考にしていただければ幸いである。次回はもう少し具体的な話になって、「総合科目の追い出し」の問題を出題する。お楽しみに!


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