usupera

描くと書く。 宣伝会議コピーライター養成講座とパレットクラブスクールを遠い昔に受講した…

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描くと書く。 宣伝会議コピーライター養成講座とパレットクラブスクールを遠い昔に受講した。 上海在住4年くらい。今は中野区の手芸関係の会社に勤務中。 【instagram: usupera】

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  • pohjora

    usuperaのショートショートを溜めていきます。

最近の記事

ドントデストロイ。

「壊すとまた叱られるよ」 キュウロクの注意なんて聞かずにヨンロクはテーブルにひょいと上がり、 あれやこれやのものを動かした。 「ぼくは壊してるわけじゃない。動かしてみてるだけだよ」 「だからそれで壊したり散らかして怒られてるでしょ」 「壊れるってなにさ。主観の問題だね。  そもそも怒るあの人がおかしい。君もそう思わにゃいか」 「いやいやいや、ねこの理屈なんて通じませんよ」 「お、あれに飛びついたらどうなるだろう」 「やめときなよー」 「気になるなー。飛びついたらどうなる

    • うまにのりてえ。

      乗るしかない、というデザインだ。馬は。 馬からしたら、生まれたままだし、そんな気もないだろうに、 ヒトが「オレ乗れそうじゃん」ってことで、乗られるのだ。 それでも乗らせてくれる優しさが あの目には溢れ現れている。口は怖い。 もし自分が馬で、自分とまったく違う形の生物が 「乗せてくれ」とか言ってきたら、 ぜったいに蹴っちゃう。蹴り殺す。蹴り殺さねば。 ねこやいぬたちも、自分より大きい異性物に寄っていくなんて 懐が恐ろしく深い(ヒトが浅いだけかも)。 それにしても馬は、

      • セイレーン。

        ギリシア神話の怪獣セイレーンは、 歌声で人を惹き寄せ、殺してしまう。 けれども逆に、その歌声に惹かれない人間が現れると、 海に飛び込んで自殺してしまう。 歌に生き、歌に死ぬ。演歌な怪獣だ。 小セイレーンを育てる場合、 セイレーンの本筋からは外れるけれど、 誰も聞いてくれなかったとしても、 歌うのが楽しければそれでいい と育てた方が良い。 その方が死なないし、 下手かもしれないけど楽しく歌っているほうが ぜったいにかわいい。 ただ、あんまり立派に育ってしまうと、 そ

        • マントのくろねこ。

          小さいのが現れたので、 もうそんな時期が来たのかと思った。 ヒトマダムたちは どっかの汚いねことの間にできた子よと 噂ができて嬉しそうだ。 しかし、わたしは知っているのだ。 あれは子ではなくて、 小さなマントのくろねこなのだ。 マントのくろねこは、この世の音の後始末をしている。 あのマントの内では、世界の音は畳まれて、 時間が乱反射しているらしい。 そもそも音をそのままにしておくと、 ヒトマダムがもっとパワーをもってしまうそうだ。 想像するだけで生きた心地もない話

        ドントデストロイ。

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        • pohjora
          4本

        記事

          すばらしい船。

          すばらしい船を目の前にトリノ博士は言った。 「すばらしい船が完成だ。これは何しろ速い。ここに光が届く前に、君はその光を見ることができる。それくらい速い。そういう設計だもの」 トリノ博士の助手はパタパタと拍手し、にじむ涙をぬぐった。 タコはボーッとしている! 「さぁ、すばらしい船で旅に出よう。すばらしい旅だ」 博士と助手は今日を祝日とすることに決め、この日のために用意しておいた数々の生活用品を船に積み込んだ。タコはボーッとしている! 「忘れ物があるかないかしっかりチ

          すばらしい船。