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先週末覚書

8月13日 
私達は友人の展覧会を見に街まで出かけた。小さい展覧会だが、制作する喜びが素直に伝わる良い展覧会であった。しかし室内が蒸し暑く、訪問客も増え始めると、空気が目に見える様に重く淀みはじめて、朝から抱えていた痛む頭を攻撃し始めたので、半刻少しで会場を離れた。車は中央駅前の駐車場に停めてあった。初めて入った駐車場でそこはなかなか汚く怪しげだった。
人気ない階段室から怪しい煙の匂いが漂ってきた。階段を降りてゆくと若者が2人床に座り込み、そこ此処に飲み物や“煙の元“が散らばっている。
ちょっと失礼!と降りてゆく私達に、慌てた彼らは決まり悪そうに、謝りながら“良い週末を!“を声をかけてきた。“あなた方もね!“と言いながら私たちはそそくさとドアを閉めた。 
煙い階段室を通り抜けただけだったのに、しばらく危ない香が髪にまとわりついている。もしも警察の麻薬捜査犬が近くにいたら吠えられたかもしれない。昼間でなければ入らなかったであろう駐車場だ。田舎者の私達にとってなかなかスリリングな駅前の出来事だった。。と言ったら笑われるのだろう。
8月14日
シャカシャカ。。。トウモロコシ畑は枯れ始めた葉の擦れる音がする。
とうもろこしの花から甘い香がする事を数年前に知った。かすかな香でも集まれば鼻先を香の雲になって漂う。
今年は花盛りのジャガイモ畑からの良い香りにも気がついた。

14時頃友人のアトリエのオープンドアーに出かける。そこはかなり大きなホールで、空気はまだそれほど温まっていないのは幸いだった。
久しぶりに会う多勢の知人友人と歓談して2時間ほども経った頃、室温が上がり始めて、空気が薄くなったように感じた。
そして暑い空気に押し出されるように帰路についた。


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