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ぼくの株の話 part9

棺桶を豪華にしたいわけじゃないんだからお金は今すぐにでもほしい、当然じゃないですか?

〇前回の話

〇うっし in アベノミクス初頭

 2013年アベノミクス最初の年。正直ここからの相場はこれまでの相場と何もかもが違っていて特に2013年前半はまさに狂乱と言ってもいい状態だったように思う。この時バイオだとかゲームだとか乗れていた一流投資家ではない僕。この時twitterで今の株クラを見ていたら完全に頭のおびょーきになっていた僕。とにかくそんな僕でもはっきり言って儲かりまくっていた。この頃のお金の増え方になるとすでに給料がどうとかいう貧乏人の重力を第二宇宙速度で振り切り宇宙へと旅立とうとしていた。気分は完全にニュータイプである。給料に縛られた哀れなオールドタイプ達よ・・・。僕は行くさらばだ。そんな感じ。

 当時、もちろん僕はサラリーマンを続けていて、何故か99%の人たちが体験しているように、馬鹿な上司や同僚たちに理不尽な行いをされることは多々あった。でも見るたびに増える口座のお金が僕の心を宇宙のように広くし、ガンジーやキング牧師、はたまたマザーテレサか、そんな聖人達と同じ領域へと到達しつつあった僕はすべてを許していた。どこかの偉人が言ったように膨れた財布は人を聖人にする、まさにそれを体現していたと思う。

 話は変わるがお金が増えまくって気が大きくなった僕はここにきて株仲間がほしくなった。僕と心を同じくする同志、いや同志という次元ではないニュータイプ*はニュータイプ同士でないとわかり逢えない。とにかく職場で株の話をする気には到底なれないので他でこの欲求を満たしたいと思った僕は当然のごとくインターネッツに向かったのであった。当時すでにtwitterはそれなりに市民権を得ていたが、僕はなぜかアメーバピグで投資仲間を探した(現在サービスは終了している)。さらに言えば僕は当時2chの投資だか市況板に入り浸っていてcisスレも割と見ていた。でも正直この過去はそろそろ消してもいいかなと思っている。

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*ニュータイプ:機動戦士ガンダムシリーズに登場する「宇宙に適応した新人類」のことで、超人的な察知能力やテレパシーなどの能力があって見えないものが見えたりする。それを活用してモビルスーツというロボットに乗って戦場で無双する存在。彼らをニュータイプと呼び、それと対比するように宇宙に適応してない普通の人間のことをオールドタイプと呼ぶ。

 とにかく今となってはなぜアメーバピグを使ったのかもよくわからないが、アメーバピグで仲間を探し、よくわからないがの株をやっていますという人2人とオフ会をすることになった。
 一人目をAとしよう。彼はフリーのデザイナーを本業としていて年の頃は自分とほぼ同じくらいだった。資産規模もそれほど大きくは変わらず、BNFを尊敬していて、手法を研究しているという話だった。2回くらい飯に行って色々と株の話をしたが、もう今はいない・・・・。どこだったか忘れたがどこかの下落相場の時に音信不通になってそれきりだ。
 二人目Bはフリーターで株をやっていますという話だった。年齢は自分よりかなり若く資産規模も数百万程度と小さかった。彼とはあったのは1度だったが、ネット経由でかなり色々と株の話をしたがやはりどこだったかの下落相場で音信不通になってしまった。

 2ch投資系スレでも同様に様々な暴威(cisスレの独特の敬称?)も現れては消えていった。余談だが当時は某G暴威氏もcisスレに常駐していて、今信じる人はいないかもしれないが自分の記憶違いでなければ最高で数千万の資産を誇っていたように思う。とにかく投資仲間を見つけたかったが真のニュータイプに出会うことは容易ではなく、みな結局ただの強化人間*で儚い命を株式市場という戦場で散らしていくことがほとんどだった。

*強化人間:簡単に言うとニュータイプのパチモンで、普通の人間を無理やり改造してニュータイプ能力を付与させようとした存在だが、基本頭のおびょーきですぐ死ぬ。

 当然田舎にいては投資オフなんかにも簡単には参加できず、そんなわけで中々継続的な関係の投資仲間というのはできなかった。そしてこれまで僕は週の半分以上の晩飯を卵かけご飯か納豆ご飯、週末だけは外食して1000円のランチやスシローを楽しむという生活を続けていた。なにせ種銭を貯めねばならなかったから。食費という消費活動はできるだけ切り詰めたかった。もちろん娯楽で消費なんてもってのほかでネットゲームを月2000円課金するのが限度だった。しかしそんな生活にも別れを告げる時が来ていた。もはやこれ以上の入金は必要ではない。給料はこれからは自由に使おう。もちろんボーナスも。ここで僕は唐突にひらめいた。

 そうだこれからは週末は東京で過ごそう・・・・仲間を探しに・・・。偉大なる億への道グランドラインを目指すには一人では寂しすぎるから。

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〇次回
うっし憧れの東京へ


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