見出し画像

会社の中で「アート部」を立ち上げた理由

会社の中で「アート部」を立ち上げ、アートを媒介にした学習・創発の方法や、組織開発の事例などをリサーチすることで、新しい手法を開発を目指してます!という話です。

近年ビジネスにおける「アート思考」の活用が話題になっています。

絵画を見る感受性を仕事に生かそう」とか「アーティストのように創造的に新しい事業を生み出そう」と言った言葉に、様々な記事で触れている方も多いのではないでしょうか。(たくさん本も出おり、こちらのリストにまとめています。)

ぼくが所属する「株式会社ミミクリデザイン」でも、最近アートに関する研究を熱心にレビューし、アートによる組織開発・事業開発の手法の開発に勤しんでいます。その起点となっているのが #ミミクリアート部 です。

「創造性の土壌を耕す」

ミミクリデザインは、ワークショップデザインに関する専門家集団です。組織開発、商品開発、地域活性化事業、教育コンテンツの開発など、さまざまなプロジェクトを「ワークショップデザイン」という技術を用いて実践しています。

ぼくは、これまでの仕事のキャリアの中で、アート事業(芸術祭や展覧会)も教育事業(幼児教室や教材開発)も、サービスの質は組織文化が担保していることに気づきました。そのことから、自分自身も豊かな組織文化の中で仕事をしたいと思うと同時に、様々な企業の組織文化を豊かにすることに貢献したいと思うようになりました。

そうした思いの中で出会ったのがミミクリデザインでした。

ミミクリのコーポレートメッセージは「創造性の土壌を耕す」です。この「耕す」という動詞の向かう対象は、企業だけでなく、もちろん自社も、個人も、社会全体も含むと解釈できます。

アートが触発するものとは?

ぼくは、人類にとっての創造性の土壌を耕すものの一つはアートであると思っています。アートは人々の解釈と創造の力を触発するからです。

アートは「受肉化した意味」(アーサー・ダントー)であり、作品に触れるぼくたちの解釈/創造の力を駆動させます。観客の解釈によって意味が開かれ、作品が他のクリエイターを触発することで創造性を社会の中に連鎖させていると言えます。

ただそのためには、作品を深く見る/読む技術を知り、磨くことが必要です。アートに触発されるにも技術が必要であり、それは学ぶことで身につけることができます。

個人、組織、社会の創造性の土壌を耕しうるアートなのに、ぼくたちがアートに触発される技術をまだ知らないとしたら、そんなにもったいないことがあろうか。

ミミクリアート部で考えていること

こうした背景から、いくつかの問いが立ち上がっていきます。

①どうすればぼくたちはアートに触発される身体を手に入れることができるのか。
②アートでなければ起こらない触発とは何か。
③そのような触発と学習を、ワークショップショップはどう支援できるのか。
④その触発と学習によって、組織や商品やサービスはどう豊かなものになり得るのか。
⑤ビジネスがアートの恩恵を受けるならば、ビジネスの知恵はアートを支える組織を救いうるか?

こんな感じです。

これらの問いを日常的に探究するために、社内にアート部を立ち上げ、美術館にいって対話型鑑賞の実践をしたり、slackで論文や展示情報を共有したりしています。

画像1

これらの研究活動をふまえ、直近では「バイアスの発見と対話」をテーマに対話型鑑賞とリフレクションを実践予定です。

このアート部で研究されている内容も、そのうちオープンにしたいと目論んでいるので、ぜひツイッターなどでウォッチしてくださいね!

代表のnoteはこちら

アーサー・ダントー『アートとは何か? 芸術の存在論と目的論』

対話型鑑賞についてはこちら

ミミクリアート部活動の様子(アート部のコアメンバー猫田耳子さんのツイート)

様々な視点から研究と実践を往復するミミクリのディレクターも募集中!


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートは、赤ちゃんの発達や子育てについてのリサーチのための費用に使わせていただきます。