臼井 隆志|Art Educator

「ケアと触発の場づくり」をするファシリテーター 経営コンサルファーム MIMIGUR…

臼井 隆志|Art Educator

「ケアと触発の場づくり」をするファシリテーター 経営コンサルファーム MIMIGURIコンサル事業部+組織開発室 (アートNPO法人経営、赤ちゃんと親の教育事業開発を経て現職) 📕著書:『意外と知らない赤ちゃんのきもち(スマート新書) 💚好きなもの:映画、短歌、格闘技

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    このマガジンでは「モノの見方が異なる人と、同じモノを同じ見方で見ることは可能か?」を探究する。例えば親と子、顧客と作り手、上司と部下が、同じものを同じ見方で見ることは可能なのか。 ワークショップや組織づくりのファシリテーションを18年実践している筆者が、ファシリテーションの基本となる「同じものの見方の分かち合い」について思想と技法を探究する。

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    臼井隆志のコラムをまとめています。アート、ワークショップ、ファシリテーションについて書いています。

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    意外と知らない 赤ちゃんのきもち (スマート新書)

    臼井隆志,ながしまひろみ
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同じものを見るとは何か? ー子育て、アート教育から組織づくりまで

この素朴な問いに、いつもぼくの探索は帰結する。 ぼくはいまファシリテーター/アートエデュケーターとして活動している。株式会社MIMIGURIで組織づくりのコンサルティングを主要な仕事としながら、個人では美術館や福祉施設でのアート教育事業の開発支援をしている。 アート教育事業をはじめたキャリアの最初期である2000年代後半から、組織づくりのコンサルティングをするようになるまで、15年以上にわたって考え続けてきたことが、シンプルにこの問いに還元できることに気がついたのはつい最

    • 組織における笑いの研究レビュー(嘘)

      (このテキストは全部嘘です) こんにちは。臼井隆志です。組織論において組織の笑いの重要性を描いた先行研究を今日は紹介します。 笠村(1984)では、職場における「揶揄(からか)い」には2種類あるとしています。 ひとつは、職場の笑いは上司が部下を揶揄うような人に優劣をつけるような笑い。もうひとつは、職場独自に使われる用語や状況を挙げて揶揄う笑いです。 前者を「いじりのからかい」、後者を「文化のからかい」とし、前者の笑いには抑圧があり、後者の笑いには癒しがあるとしています

      • 探究・機会・目標・リソース ーピア・マネジメントの4つの指標

        私は、「マネージャー1人じゃもう無理」という現状に対して、マネジメントにおけるケア役割をみんなで分業する「ピア・マネジメント」を提案しています。 今月の日経新聞「私見卓見」に「マネジメントは全員でやろう」と題した記事を寄稿しています。 ピア・マネジメントが必要な背景をさぐるこのピア・マネジメントが必要だと感じている背景には3つの観点があります。 ひとつは、目標達成とリソースの観点です。メンバーの半期の目標に対してその達成を支援しながら、リソースを超過せずかつ余らせず健全

        • 「マネージャー」という「演劇」 ー私でありながら私ではない人物を演じる

          私でありながら、私ではない人物を演じる。それこそがよいパフォーマンスであり、人間の発達である。 組織で働くとき、新しい役割期待を請け負うことがあります。たとえば、小さなチームのマネージャーになるときなどです。マネージャーという役割と、私という個人の経歴や思いとのズレのなかで多くのマネージャーが葛藤しています。ぼくもその1人でした。 こうしたズレはどのように起こるのか。そしてどのように捉えることができるのか。そのヒントを、演劇論と心理学から考えてみたいと思います。 「マネ

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          マネジメントをみんなでやるとはどういうことか? ー「垂直」と「水平」の分業

          マネージャーがメンバーの不満を聞いてあげる。喜ばれなくても、成長の機会づくりと支援をしてあげる。エスカレーションされた顧客からのクレームにも、経営から求められる目標達成に対する説明にも、矢面に立つ。みんなに木偶の坊と呼ばれ、褒められもせず、自分の傷つきを誰にも気にされない……そういうものに、誰もなりたくない。 というのが世の「マネージャー」に対する認識であるようです。 私自身も、経営コンサルファームMIMIGURIで10人のチームのマネージャーを担っています。自分の所属組

          マネジメントをみんなでやるとはどういうことか? ー「垂直」と「水平」の分業

          自分の「良さ」を意識し続けるのは、なぜ難しいのか

          「良さや強みを見つけて、伸ばしていこう」という言葉はそこらじゅうで反響しています。キャリア開発においては古くから「良さ」「強み」を重視した考え方が根付いています。 転職支援サイト「Wantedly」では独自開発した性格診断機能を追加したと発表されています。転職活動のなかで自身のスキルや性格を分析する手段として活用されることを想定しているそうです。これも「良さ」や「強み」に焦点化する考え方の現れだと言えます。 しかし、自分自身の立脚点になっているはずの「良さ」に目を向け続け

          自分の「良さ」を意識し続けるのは、なぜ難しいのか

          「ケアする職場」は可能か? ーひとりひとりが問題解決の主体になる「ピア・マネジメント」の提案

          「1人のマネージャーが、複数のメンバーをケアする」という構造はもう限界だと感じています。 私は、経営コンサルファームMIMIGURIに所属し、10人のチームのマネージャーを担っています。MIMIGURIは、「軍事的世界」から「冒険的世界」のパラダイムシフトをとらえ、一人ひとりが「探究テーマ」に基づくキャリア形成をしながら、対話と共創による組織・事業づくりを提案しています。 日々、マネージャーとして仕事をするなかで、「マネジメントはマネージャー1人がやるものという前提ではも

          「ケアする職場」は可能か? ーひとりひとりが問題解決の主体になる「ピア・マネジメント」の提案

          「他者の知」に乗る経験学習とは

          企業では新卒採用において、「学生時代に力を入れたこと」すなわち「ガクチカ」を問うようになっています。それは「経験学習をする力」を見ているからだと言われています。 就活、ガクチカで大切なのは 動機や得た学びを明確に:日本経済新聞 不確実で変化の大きな社会のなかで、特定の技術や職能に依拠しすぎることなく、経験から教訓を導き出し、変化・適応しながら発達することが期待されているのでしょう。 経験学習とは何かではその「経験学習」とはなんなのでしょうか。最も有名な図は、哲学者のジョ

          「他者の知」に乗る経験学習とは

          「ケア」と「触発」は同時に起こる ー創造性研究と保育理論を紐解きながら

          「触発」と「ケア」はほぼ同時に起こる。 というと、「どういうこと?」と言われることがあります。ぼくは直感的に、ケアには触発が不可欠だし、触発にはケアが不可欠だと考えています。 前半では、この「触発」と「ケア」のつながりを、触発理論と保育理論の2つをもとに繋いでみたいと思います。 後半では、そこに「探究」という概念を紐付け、それぞれにテーマをもって探究する他者・コミュニティの存在が、ケアと触発を媒介することを書いていきたいと思います。 触発はどのようにして生まれるのか?

          「ケア」と「触発」は同時に起こる ー創造性研究と保育理論を紐解きながら

          探究する職場から「社会の資産」をつくる ー教育事業開発と人材育成の経験から

          ぼくは今、「創造性の土壌を耕す」をパーパスに掲げる経営コンサルファーム、株式会社MIMIGURIで働いています。 今日は「それまで教育事業づくりをしていた自分が、なぜMIMIGURIに入ったか?」について、書いてみたいと思います。今同じように教育事業に携わっていたり、あるいはなんらかのサービス開発と人材育成を兼任していたりする方に、読んでもらえたら嬉しいです。 これまでは、「どうしてMIMIGURIに入ったんですか?」と聞かれた時、「子どものワークショップをやってきました

          探究する職場から「社会の資産」をつくる ー教育事業開発と人材育成の経験から

          子どもと共に公共施設をつくる

          以前から関わりのあったある自治体の「子ども図書館」のプラン提案をつくることになったので、5歳と3歳の子どもを連れて、地元の子ども図書館に行ってみました。 そこでは、絵本が並び、読み聞かせのイベントが休日に開催されています。よくある子ども図書館と同様ですが、子どもたちはそれなりに楽しんでいました。あらためて、読むという行為は、想像力を触発されるものです。頭の中にイメージや物語が浮かび、新たなイメージを触発する。図書館とは、そのような触発の場なのだと感じました。 日経新聞の記

          子どもと共に公共施設をつくる

          ナレッジマネジメントにおける「分解」の可能性

          ナレッジマネジメントにおいて、「分解」が重要なのではないか?という仮説があります。筆者は、人と組織の経営コンサルファームMIMIGURIで、ナレッジマネジメントに関わっています。その傍ら、ふと興味を持って手に取った『分解の哲学 腐敗と発酵をめぐる思考』を読みながら、この仮説が浮かび上がってきました。 ナレッジマネジメントとは?「ナレッジマネジメント」とは、組織の価値創造を目的に、組織や個々人が持っている知識を「資産」とみなして、活用することを試みるものであるとされています。

          ナレッジマネジメントにおける「分解」の可能性

          「自分のことが話せない」という難問

          「そうか、おれは自分のことが話が話せなくなっているんだ」 とふと気づいたのは昨日の朝の話で、仕事で泊まったゲストハウスで、ドイツやアメリカから来た人たちとビールを飲みながら拙い英語で話をしたら、自分のことをぽつぽつと話していることに新鮮な気持ちが芽生えた。 彼らは日本語も少し話す。しかし、日本語だと窮屈な気持ちになり、自分の悩みや気持ちをオープンな気分で話せなくなるという。「日本語で自分の悩みとか弱いところとか、話すの難しくない?」と言われて、そうなのかもしれないと思った

          「自分のことが話せない」という難問

          「デザインの態度を学ぶ」とはどういうことか ー仲間になり、悩みに触れ、語ること

          最近、仕事でご縁をいただいて「デザイン教育」に関連するリサーチをしている。 「どうすればデザインを教えることができるのか」「子どもや若者、社会人がデザインを学ぶために最適な教材は何か」といった問いをめぐってあれこれ調べながらも、そこには「デザインとは何か」という沼のような問いがある。 今日は、デザインの重要な要素として語られる「デザイン態度」を軸に、『コ・デザイン』『わざ言語』という2冊の本を参照しながら、「物事に対する心的態度を学ぶ場のあり方」を考えてみたい。 デザイ

          「デザインの態度を学ぶ」とはどういうことか ー仲間になり、悩みに触れ、語ること

          回復の場所としての「職場」 ー映画『夜明けのすべて』

          ベルリン映画祭にも参加した映画『夜明けのすべて』、試写を見た友人に勧められて公開2日後にTOHOシネマズ日比谷で、パートナーと観賞しました。 自分自身を重ねて見る映画ぼく自身の話になってしまいますが、昨年から心の調子を崩し、疲れ具合によって、育児に対して強烈にイライラしてしまうようになりました。イライラしそうになったら自室に篭り、気持ちを落ち着けてまたリビングに戻る。時々メンタルクリニックに通って医師の方に相談し、漢方薬を処方してもらいながらイライラと向き合う日々です。

          回復の場所としての「職場」 ー映画『夜明けのすべて』

          別の場所の、同じ記憶から ー井戸川射子『この世の喜びよ』

          大学時代から映画や小説を勧め合う友人がいる。その友人とは頻繁に会うわけではないが、LINEで「あれ見た?衝撃だったよ」と伝え合う。最近ではぼくは『夜明けのすべて』を勧めて、友人からは『哀れなるものたち』を勧められている。昔からそういえば、友人は狂気と優しさが同居したエマ・ストーンが好きだった。 その友人に勧められて、井戸川射子さんの小説『この世の喜びよ』を読んだ。 この小説は、あらゆる「場所」を作る人に読んでほしい小説だ。とりわけ、ショッピングモールやフードコートの開発・

          別の場所の、同じ記憶から ー井戸川射子『この世の喜びよ』