◆会報誌・広報誌・社内報における取材時の注意点
こんにちは。
東京文京区護国寺の広報をデザインする会社、株式会社ユー・エス・エスです。
会報誌や広報誌・社内報などの制作において、取材を行うことは多いと思います。当社でもお客様のご依頼で取材を行うことが多いですが、取材は取材される方の許諾を得ることから始まり、多くの労力を必要とします。担当者の方々も多くの苦労をされているのではないでしょうか。
そこで今回は、取材の負担を軽減し、効果的な取材を行うためのコツをまとめました。
取材の実際の流れ
取材活動は計画的な準備と柔軟な対応が求められます。取材の計画段階から実施、そして記事の執筆までの一連の流れを把握することで、スムーズな取材活動が可能となります。
取材の計画:
取材の目的を明確にする
取材対象者の選定
取材の日程調整
必要な質問リストの作成
取材対象者への事前連絡
取材の実施:
取材当日の確認
記事の執筆:
取材内容の整理
記事の構成作成
取材対象者への内容確認
記事の最終チェック
取材前の準備
取材前には、しっかりとした事前準備が必要です。取材の目的や目標を明確にし、必要な機材や資料を準備します。また、取材対象者に対しても、取材の趣旨や進行方法を事前に伝えておくことで、当日の取材がスムーズに進みます。
■複数の人に声をかけておく
多様な視点を確保するためには、複数の人に声をかけることが重要です。例えば、イベントの取材をする場合、主催者だけでなく、参加者やボランティア、関連する専門家など、様々な立場の人に声をかけることで、多面的な記事が書けます。さらに、取材相手が急にキャンセルした場合にも、他のインタビュー候補者がいれば安心です。記者会見などで主要なスピーカーが急に来られなくなった場合にも、他の関係者に話を聞くことで取材が滞りなく進むでしょう。
■質問内容を伝えておく
取材相手が事前に質問内容を知っていると、より具体的で充実した回答が得られる可能性が高まります。「イベントの目的」「参加者の反応」「今後の計画」といった具体的な質問内容を事前に伝えることで、相手は詳細な情報を準備でき、取材時間の効率化も図れます。取材相手が予め準備をしていると、インタビューの時間を有効に使え、無駄な時間を省くことができます。
■リサーチを徹底する
取材対象について十分にリサーチを行い、基本的な情報を把握しておくことは重要です。例えば、取材対象の企業について調べる際、最新のニュースや公式ウェブサイト、SNSをチェックしておくと、相手が話しやすいトピックや問題点を理解しやすくなります。また、相手のプロファイルを理解することも大切です。インタビュー対象者が過去にどんな発言をしているか、どんなプロジェクトに関わっているかなどを事前に調べておくことで、取材中に的確な質問を投げかけることができます。
■取材環境の整備
取材を行う際の環境も大切です。静かな場所で取材を行うことは、相手が集中して話すことができるため、より質の高い情報が得られます。さらに、取材場所の事前確認を行い、必要な設備が整っているか確認することも重要です。これにより、取材中のトラブルを避け、スムーズに取材を進めることができます。
取材時のコミュニケーション
取材時には、良好なコミュニケーションを保つことが重要です。相手の話をしっかりと聞く姿勢や適切なフィードバックを行うことで、取材対象者との信頼関係を築くことができます。また、取材中に発生する予期せぬ出来事にも柔軟に対応することが求められます。
■相手の立場を理解する
取材対象者の立場や背景を理解し、共感を示すことで、よりオープンなコミュニケーションが可能になります。取材対象者の経験や業界に関する知識を事前に学ぶことで、関連性のある質問ができ、対話を深めることができます。
■積極的な聴き方を実践する
取材対象者が話している間は、積極的に聴くことを心がけます。これには、頷きや短い言葉での反応、質問の繰り返しや要約などが含まれます。これにより、取材対象者は自分が理解されていると感じ、より多くの情報を共有することが促されます。
■フレキシブルな対応
取材中には柔軟な姿勢を持つことが大切です。例えば、相手が予定していた質問に答え終わった後に新しい話題を提供してきた場合、予め用意していた質問に固執せず、その話題を深掘りすることで、思いがけない重要な情報が得られることがあります。また、「それは具体的にどのように影響しましたか?」や「具体的な例を教えていただけますか?」といったフォローアップの質問で、さらに深い情報を引き出すことができます。
■記録の徹底
取材内容を正確に記録するために、録音機器を使用することをお勧めします。例えば、スマートフォンやデジタルボイスレコーダーを使って録音すれば、取材後に内容を確認しやすくすることができます。ただし、相手の了承を得ることを忘れずに。また、録音と併せて、重要なキーワードや感想、観察したことをメモすることで、記事を書く際の参考資料として役立ちます。
取材後のフォローアップ
取材が終わった後には、取材内容の確認や追加質問の対応が必要です。取材した内容を元に記事を執筆する際、取材対象者に確認を依頼し、正確な情報を提供することが大切です。また、取材後の感謝の意を伝えることで、次回の取材もスムーズに進むでしょう。
■取材後のフィードバックと文字校正の徹底
取材後にまとめた記事を取材相手に送付し、確認と校正をお願いすることで、事実関係の正確さを保証し、誤解を避けることができます。
さらに、文字校正を徹底することも重要です。内容の誤りや文法のミスを防ぐため、複数回の校正を行い、第三者のチェックも受けることで、より完成度の高い記事を作成できます。
■信頼関係の構築
取材相手に対して礼儀正しく接し、取材に対する感謝の気持ちを伝えることが信頼関係の構築に繋がります。取材後には必ず感謝のメールや手紙を送ることで、良好な関係を維持でき、次回の取材依頼にも繋がる可能性があります。
■オフレコの取り扱いに注意
また、相手のプライバシーを尊重し、許可なく個人的な情報を公開しないように注意しましょう。取材時に「ここだけの話」として聞いた内容は、相手の許可がない限り記事に含めないことが大切です。
取材の実際の事例
例えば、ある企業の新入社員研修会の取材を行う際の具体的な流れを紹介します。
取材の意図を設定する:
取材の目的をはっきりと定めます。関係者とのコンタクト確立:
研修会の主催者や参加者に事前に連絡を取り、インタビューの許可を確保します。質問リストの準備:
事前に用意した質問リストをもとに、取材の計画を立てます。取材実施:
インタビューを質問リストに沿って進行します。
録音機器を使用して、会話の正確な記録を残します。
観察の記録:
会場の雰囲気や参加者の反応をメモし、後で記事執筆の参考にします。
これらのポイントを押さえることで、より効果的な取材を行うことができます。しっかりとした準備と柔軟な対応で、質の高い情報収集を目指しましょう。
おまけ
これまで、事前の説明なしに当日取材を申し込み、なんとか取材をさせていただいた経験もあります。写真を撮らせてもらうことも多いですが、その際、特に女性の場合、美容室に行っていないから嫌、お化粧をしていないからダメ、今日の服装では写真は断りたいなどと言われることがあります。当日取材では、特に女性が多く集まる場では、その点への配慮が必要だと思います。
ご紹介した取材のコツを活用し、情報収集の質を高めることで、広報活動の成果を最大限に引き出しましょう。
取材は単なる情報収集ではなく、取材相手との信頼関係を築く重要なプロセスでもあります。丁寧な準備と配慮を持って取材に臨むことで、より豊かな情報と深い理解を得ることができるでしょう。