だから、書きたいんだった。
自分がどれだけのことを日々忘れながら生きているのかを思い知る。
とっくのとうに忘れていた思い出たちが、日記をめくった瞬間に、あの日のあの時の温度のまま蘇ってくる感覚。
言葉を、感情を、記憶を、文字と一緒に、紙にしまっておいて、ふとした時に引っ張り出せば、そこには嬉しいも楽しいも悲しいも切ないも懐かしいも苦しいも愛しいも虚しいも、全部ある。
あの日、確かに感じた感情も、
ずっと覚えておきたいと思っていた記憶も、
あんなに笑ったおかしな話も、
絶対忘れたくないと思っていたあの人の言葉も、
全部は覚えておけなくて。
私が忘れてしまったら、すべて無かったことになってしまうんじゃないかって、悲しくて。
せっかく生き抜いた時間を
ぜんぶぜんぶ忘れたくない。
あの時間が、感情が、涙が、笑いが、絶望が、記憶が、事実があったから、今の自分は出来ているってこと。そのどれもを忘れたく無いから、
思い出すきっかけを
常に側に置いておきたいから、
だから私は日記を書くのが好きだったんだ。
って、
日記を読んでいて、また思い出した。
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