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08 | 娘が作家になった日

本屋開店にあたって、店主となった兄を羨み、自分も何かで関わりたい!と大好きな絵&工作の力をいかして、せっせと”しおり”をつくっていた妹。
(当時の記事はこちら↓)

実際にブックマンションに行くと、「”しおり”かわいいですねー!」とか「1年生とは思えない!すばらしい!」とか、たくさんの嬉しい声をいただきました。
(ブックマンションのお客さんは、本当にみなさん優しい・・・)

開店当初は「1冊買ってくれたら、しおり1枚プレゼント」の設定だったのですが、好評につき「お好きなしおり、ひとり1枚どうぞ」方式に変更。

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ブックマンションに寄った際には「何枚もっていってくれたかなぁ〜!」とチェックに余念がありません。「あ!この柄が減ってるー!!」と人気柄を分析しようとでもしているかのようで・・・w

そんな娘に「こんな素敵な絵を描くなら、絵の本つくってみたらいいのに。」とお客さんからお言葉をいただき・・・スイッチ、オン!!

夏休みにつくったものを思い出して・・・

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大好きな”水彩絵の具”を取り出して、ぬったり、ぽんぽんしたり、たらしたり、と彼女が思いつく様々な方法で模様を描き・・・

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混ざる色が面白くて、色の組み合わせを記録!

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それを本の形にして生まれたのが「いろのじっけん」

「これを”まる:そ”にならべてー!」という娘の願いに、「しょうがいないなぁ。」としぶしぶ許す店主。(えらい、えらいぞ、兄!!)

ブックマンションは1冊売れるごとに100円をオーナーさんに支払う仕組み。価格設定は悩みに悩んだ結果、もし売れたら自分も100円ゲットできる200円の設定に。

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こうして、娘の本が堂々とお店に並ぶのでした。
(しぶしぶだったのに、”推し本”にしてあげちゃってるじゃん!!兄よ・・!涙)

嬉しそうに楽しそうに作った本ですから、家族にとってはとっても愛おしい1冊。

でも正直、この本を200円で買ってくれる人なんていないよなぁ、って。祖母や叔母も「私がこっそり買っておこうかな。」なんて思っていたわけです。

ところが!!

まさかの”売れました”連絡が!
しかも棚にいれてからほんの数日で!!!

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「えーーーー!!」

家族も、そして即連絡した祖母も叔母もびっくり仰天!!!

さらにTwitterではこんなツイート&コメントもいただきました。

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購入いただいた花本さん、書店界では有名な方だそうで、そんな方に”凄い本”と称されたことが、もう我が家のとびきり重大な仰天ニュースとなったわけです。
(うれしい。うれしすぎます。)

かくして娘は7歳にして、”作家”となりました。

「よ!作家さん!」と、はやし立てると

「作家じゃない。わたしは、洋服のデザイナーになるの。」

と、”作家”という響きにはてんで関心のなかった娘ですが、本当にすごい有り難い経験をさせてもらっているなぁと。

自分がつくったものが、お店に並び、それに価値をつけて、評価をしてくれる。

”すごいね!”とか”きれいだね!”とか、言葉にして価値は伝えることはできても、親は(ましてや学校でも)その価値を金額にして伝えることなんてできません。
それどころか、そんな価値はないとさえ思ってしまう。

ところが違うんですね。
そこに価値をつけてくれる人がいる。見てくださる人がいる。

僕ら親にとって、本当に学び多き、「まる:そ」の取り組みです。

さて、晴れて”作家”となった娘は、実は2作目に取り掛かっております。また1点ものになりそうですが、店頭に並ぶ時にはTwitterにてお知らせします。

これからも”作家”妹と、”店主”兄の「こども本屋”まる:そ”」の応援をどうぞよろしくお願いします!

(店主父)