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AIで実現するメタ視点 〜本が出ます

AI時代の職業作家スタイル 逆張りのサバイバル術

本がでます。
AIに対して反AIを旗印にネガティブトレンドが蔓延っているなか、諸問題の解決は当然必須としながら、ツールとしてはポジティブに捉え使いこなそう、きちんとした知見を共有しよう、という趣旨の本です。
ちょうどこの数日で脱稿しPDF形式の本を読んでいるのですが、我ながら面白いし、次の創作意欲を刺激してくれるものになったと自負してます。

木材と本と学者

そもそもなぜ僕がAI、こと音楽制作でのAI利用に対して積極的かというと、このムーブメントでメタ的な視野が得られるのではないか、と思っているから。

今回本を出版するにあたり、僕は木の伐採の仕方、木材から紙の精製法、製本の技術を知らなくてもすみます。学者が本を執筆するとき、その学者は紙を作るのに適した木材の種類や、本の構造を知っている必要がなく、「どういう内容にすれば良いか」だけに集中することができます。

前段階では必要であった知識や技術が折りたたまれ抽象化されアクセスできるようになり、一段上のレイヤーに集中することができるようになる。
これがメタ的な視野を手に入れることです。

僕はギターを弾きますが、ギターの作り方は知りません。
シンセサイザーを演奏しますが、電気工学の知識はゼロです。
コンピュータを使って作曲しますが、コンピュータの動作原理は知りません。
でも知らなくても作業ができ、どんな曲を作るかに集中できます。
その曲をAIが提案してくるようになったとき、どんな視野が得られるのか?
その時のクリエイティヴとは何か?
そこに興味があります。

OpenAI、Soraがもたらしたもの

OpenAIの動画生成AI Soraが発表されたタイミングで、作家が作った動画が投稿されました。その中で「Air Head」という作品があります。

英語でAir Headとは頭の中がAir(空気=空っぽ)で少しボケている人のイメージがあります。実際ビデオの中ではサボテンの針を恐れていたり、風に頭が飛ばされたり少し頭の悪そうなイメージで描かれています。しかしビデオの後半部分で自分の頭を紐で繋いで飛ばすことで、上空からの景色が見れたり普通の人では見ることができない景色が見れるというメリットを語ります。

この一見普通の人より劣っているように見えても、実は人と違う視野を持っていることを、空(から)でありながら浮かぶことができる風船に例えAir Headとするアイデアはクリエイター=人間の発想です。

クリエイティブであることの意味

それまでこの「Air Head」のようなアイデアが浮かんでも、撮影技術や機材、編集テクニック、そして予算がなければ実際の作品にすることはできませんでした。これがSoraによって可能になった。
木から紙を作る方法や、製本の仕方を知らなくても、本を作ることができる様になったわけです。
大事なのは何をどう伝えるかになったわけです。
言い換えると、より純度の高い本質にアプローチできるようなった。

これがAIでの一段上のレイヤーに上がったクリエイティブ=メタ認知で、それが音楽で起きたときのパラダイムシフトが楽しみで仕方ありません。

出版記念イベントをやります

出版記念イベントとして第一弾トークイベントをやります。本に書ききれなかったこと、書けなかったこと色々しゃべりたいと思います。
また皆様からのご意見もいただきたいのでぜひご参加を!

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