毒にならないものは薬にもならない。戦争ができない国は平和も守れない。

普通に考えたらわかりますよね。「もしも敵が攻めてきたらどうやって守るんだ」に対する解を、自称平和主義者たちは持っていません。

「戦争はできる。でも、こちらから戦争を仕掛けることは絶対にしない。」というのが、真の平和主義者ではないでしょうか。

「戦争できない」というのは、意志やイデオロギーではなく、単純に能力の問題です。

例えば、北朝鮮は、アメリカに対して戦争はできません。能力がないから。

こういうと、自称護憲派（＝本当は誤憲派）のみなさんは「いや、日本はすでに戦争をする能力は十分にある」と言うかもしれません。

そのとおり。日本はすでに十分な戦闘能力がある。だったらなおさら、「戦争できない国」なんて嘘をつくのやめましょう。日本は「戦争ができる国」だと、認めましょう。自衛隊は誰がどう考えても「陸海空軍その他の戦力」に該当します。

憲法9条が嘘であることは、世界の全ての国が知ってます。嘘つきは世界で最も信用されません。「9条を持つ日本は世界から尊敬されている」なんてデタラメです。実際は、日本は9条を持ちながら軍隊を持っている嘘つき国家だと蔑まれています。

憲法9条が軍拡の歯止めになっている、というのも嘘です。憲法9条の下で、吉田茂首相が憲法違反だと言っていた自衛隊が創設され、社会党が牛歩してまで反対したPKO派兵が解禁され、小泉首相の下で自衛隊が有志連合に参加し、民主党の菅首相はアフリカのジプチに自衛隊基地を作りました。野田首相はスーダンにも派兵し、武器輸出も解禁しました。御覧の通り、全然歯止めになってません。

もう、言葉遊びはやめるべきです。もう、嘘をつくこともやめるべきです。「普通の国になる」ということは、戦争をするということじゃないのです。

「普通の国になる」ということは、嘘をつかない、ってだけのことです。

全ての「普通の国」は、戦争しようと思えばできますよ。その意味では、「普通の国＝戦争のできる国」です。

ですが、全ての「普通の国」は、戦争しようなんて思ってません。

「普通の国」を軍国主義だと主張する人は、世界中すべての国に対して失礼です。

憲法9条を改正しろというのは、日本が平和主義国家で居続けるか軍国主義国家に戻るかの議論ではありません。

憲法9条を改正しろというのは、日本が嘘つき国家で居続けるか真の平和主義国家に生まれ変わるかの議論です。

自衛隊を軍隊ではないと言い張る理屈は、日支事変（日中戦争）を「あれは事変であって戦争ではない」と言い張るロジックと同じです。

日本という国はどうもこの手のロジックが好きなようで、パチンコはギャンブルではないとか、ソープランドは売春ではない、みたいな意味不明なロジックが罷り通ってますよね。ですが、パチンコやソープランドは国内の問題であって国際社会には関係ない話です。

閑話休題。もちろん、憲法9条を改正するだけで日本がすぐさま真の平和主義国家に生まれ変わると主張するつもりはありません。今は無理でも、いずれは米軍基地にも撤退してもらう必要もあるでしょう。憲法9条を改正してもまだまだ乗り越えなければならない課題は山積してます。

ですが、憲法9条の改正が、必要条件の1つであることは、もはや議論の余地はない、と私は思っています。それも、後回しにして良い課題ではなく、最初の一里塚です。

正義なき力は暴力、力なき正義は無力。

汝、平和を欲さば戦争に備えよ。