河野太郎「女系天皇容認」で議論再燃。側室は必要か?

安倍総理の残り任期が約1年と迫り、また最近では健康不安説も相まって、俄かに次期首相候補として名前が急浮上した河野氏が、自身のYouTube番組で女系天皇を容認するような発言をしたことが物議を醸している。

結論から言うと、私は気にする必要はないと思う。もし仮に次期総理が河野氏になって、なおかつ例えば3期9年の長期政権となっても、その間に皇室制度改革案がまとまるとは思わないからだ。

現状の国民世論は、約7割程度が女系天皇を容認している。しかし一方で約6割程度が「女系天皇」と「女性天皇」の違いを理解しておらず、要するに皇室問題への関心が高いとは言えない状況だ。

一方で、女系天皇に反対する勢力は、非常に強硬であり、言葉は悪いがノイジーマイノリティと化している。

要するに、選挙の票にはつながらないが、反対者から物凄く攻撃を受ける。

したがって、政治家がこの問題に手を付けるメリットは薄い。

それに、皇室の問題は総理大臣が勝手に手を付けることができるものではない。

当然、皇族の意向も重要になってくる。

結局、結論が出ないまま、延々と結論が先延ばしになるだけである。

そして、その間に悠仁親王が結婚して男子をもうけられれば、議論そのものがなくなるだろう。

かつて、小泉内閣で女系天皇を容認する方向で議論が進んでいたが、その間に紀子妃殿下が悠仁親王をご出産されて、そこで議論が止まったことがあった。次もきっと多分そうなる。

側室は必要か?

とはいえ、若い後継者が悠仁親王ひとりでは心もとない、という主張はわからないでもない。一部には、側室制度を復活させろという過激(?)な意見もある。

結論から言うと、私は「側室は必要ない」と考えている。

明治天皇は正室、側室合わせて全部で15人の子女をもうけたが、そのうち成人したのは僅か5人、うち男子は大正天皇1人だけだった。

明治天皇の父、孝明天皇は6人の子女をもうけたが、明治天皇以外の5人は全て早逝した。

孝明天皇の父、仁孝天皇は15人の子をもうけたが、そのうち12人が3歳までに亡くなった。生き延びることができた男子は孝明天皇1人だけだった。

びっくりするくらい死にまくってる。昔はそのくらい乳幼児の死亡率が高かった。だから側室が無ければ皇位継承なんて到底無理だった。

当時はまだ旧宮家も存在してたので、天皇直系の男系が絶えても、そこで皇統断絶という心配はなかったが、それでも直系に限ってみればギリギリのギリで皇統を継承してきたことになる。

しかし大正天皇は側室をもたないまま4人の男子をもうけ、昭和天皇は2男5女をもうけた。早逝された皇子女は昭和天皇の皇女1人だけ。要するに医療の発展により、早逝される子女がほとんどいなくなったのだ。

だとすれば、将来悠仁親王の妃になられる方に頑張っていただいて、4~5人くらい産んでいただけば、数の上では側室があった時代と比べてもそん色はないことになる。

そして、それでも男子が生まれなかった場合、最終手段がある。凍結精子だ。おそらく、現在の皇室でも、万一の皇統断絶に備えて精子の凍結保存はきっとやってるはずである。もしかしたら、悠仁親王自体が、凍結保存された精子から生まれた皇子だという可能性も、絶対にないとは言い切れない。

要するに、悠仁親王が40~50歳くらいになるまでは、まだまだ皇統を紡ぐ手段などいくらでもあるということだ。だから、女系容認か、男系死守か、慌てて結論を出す必要はない。

とはいえ、悠仁親王本人の身に万一のことがあった場合、いくら凍結精子を保存してあったとしても、親王の不幸の後に生まれた子供を皇統を紡ぐ者として認めるのは国民感情的にしっくりこない可能性がある。なので、例えば愛子内親王に女性宮家を新設していただき、そこに旧皇族から婿養子を迎え入れる、というような措置は、あくまで本人同士の合意の上というのは大前提だが、あっても良いのかもしれない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?