「メディアで働く女性ネットワーク」に対する抗議声明

不肖、私さとうゆーすけは、「メディアで働く女性ネットワーク」(以下、WiMN)に対して強く抗議をします。

WiMNは、先日の旭川医大に於ける女性記者の逮捕に対する抗議声明を発表されましたが、まず、誰に対する抗議であるかが不明確です。

WiMNは「当該の女性記者は、警察に対して記者であることと取材目的を明らかにしており、逃亡や身元不明の恐れがないのは明らか」と主張しておられますが、当該記者を逮捕したのは警察ではなく大学職員であり、WiMNの声明にもあるとおり、私人逮捕です。したがって、逮捕されて警察に引き渡されてから記者であることや取材目的であることを警察に対して説明したとしても、それは全て逮捕後の話であり、逮捕時に大学職員が当該記者を記者であるとか取材目的であることを認識することは不可能です。

このように、明らかに論理的に破綻した主張を、抗議声明などという、一方的かつ強圧的な形で行うべきではないと私は考えます。

また、同声明では「国立大学法人である旭川医大は国民の税金で維持されており、その庁舎は国民の財産です。研究・教育活動の妨害や器物損壊の恐れがあるといった特段の理由がないかぎり、国民に対して開かれた存在であり、取材記者の通行も当然認められるべきものです」などとも主張しておられますが、そもそも当該記者は記者であることや取材目的であることなどを職員に説明しておらず、職員から見れば単なる不審者にすぎません。同大学が税金で維持されているか私費で運営されているかは全くの論点逸らしであり、単に不審者が逮捕されて、結果的にその不審者が新聞記者だったという、ただそれだけの話です。これを不当逮捕だと言われてしまったら、大学は不審者に対して何ら防衛措置を取れなくなってしまいます。

さらに付け加えると、取材目的なら誰でも大学に立ち入って良い、という論理を振りかざすと、例えば迷惑系YouTuberなどにも立ち入りの口実を与えることにもなります。あるいは、大手新聞社の記者は優遇するべきだが、フリーランスの記者や、ネットメディアの記者、報道系YouTuberなどの立ち入りは認めなくて良い、と言うつもりなのでしょうか。まさかそのようなことはないと思いたいですが。

もう1つ、WiMNのような「女性」を前面に出した団体がこの問題に口出しすることへの違和感も拭いきれません。本件は、単に不審者が逮捕されただけの話であって、性別は関係ありません。仮に記者が男性であっても逮捕されたでしょう。性別が関係ない問題に対して性別を全面に出した団体が口を挟むと問題がややこしくなるのではないかと危惧します。

なお、報道各位におかれましては、報道の自由を守るためにも、記者の皆様には不審者と誤解されるような行動は厳に慎んでいただけるようお願い申し上げます。

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