「アベノミクス」は朝日新聞が考えた?

(多事奏論)禁断のアベノミクス 負の遺産残した「雨乞い」 原真人
2020年9月16日 5時00分

 安倍晋三総裁ひきいる自民党が3年ぶりの政権返り咲きを決めた2012年12月の総選挙の直後、私は本紙朝刊1面で「アベノミクス 高成長の幻を追うな」(東京本社版)と題した論考を書いて批判した。
 安倍総裁は総選挙に向けた全国遊説で、とんでもない構想を説いて回っていた。

 「輪転機をぐるぐる回して日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」

 「建設国債を大量に発行し、日銀に全部買ってもらう」

 政権発足後にほぼ言葉どおりのことを実行したが、首相自身がこれほど正直に政策の本質を明かしたことは、その後ない。

なんだろう、この人は選挙公約なんて守らなくて良いと思っているのだろうか。そういえばかつて民主党は「霞が関に埋蔵金は無限にある」みたいなこと言ってたけど、原真人さんは、そういう嘘をついて政権を取ったら選挙前の発言を忘れる政権のほうが良いとでも思っているのだろうか。

 この記事で「アベノミクス」と呼んだのは日銀に国債を買い支えさせる財政ファイナンスや、大量のお金を世にばらまくヘリコプターマネー政策のいかがわしさを表現したかったからだ。1980年代、米大統領のちぐはぐな経済政策を、皮肉をこめてレーガノミクスと呼んだように。

 だから、まさか首相がその後、みずから好んで「アベノミクス」を使うようになるとは予想もしていなかった。2013年9月の訪米では講演で「Buy my Abenomics(アベノミクスは買い)」と宣伝文句にまでしてしまっている。

えっアベノミクスって朝日新聞が言い出したの?初耳ですね。

私が調べた限り、最も古い出典はこれ。

2012年11月19日付けの記事である。

日経の記事を読んでも、特に「皮肉を込めて」いるようには思えなかった。

webに残ってないだけで実は朝日新聞のほうが先に使ってた可能性もあるし、そうでなかったとしても、誰でも思いつく程度の造語なので、原真人さんが日経のこの記事を知らずに自分で考えた可能性は否定しない。

でも、出典を明示しないで「ワシが考えた」を後出しで言うのはダサいよね。

 そこには因果関係についての思い込みや誤解がある。たしかに1ドル=80円台の円高水準は、日銀が超緩和に乗り出した13年以降、一時120円を超えるまで円安が進んだ。とはいえ、実はその原動力は危機から立ち直ったばかりの米欧経済の好調さだった。円安は、ドル高とユーロ高が急速に進んだ結果の裏返しにすぎなかったのだ。

いやいやいや、これこそ思い込みだろう。円を刷れば円安になる。当たり前の話ではないか。

 雇用の改善はどうか。こちらは人口の構造変化が大きな要因だ。ここ10年で生産年齢人口は640万人減った。どんな政権のもとでも労働力不足は起きていただろう。

これもすでに論破され尽くされているが、そもそも総雇用人口が増えているのだから、生産年齢人口の減少だけを理由にするのは愚かだ。

 唯一、アベノミクス効果と認められるのは株高である。日銀のマイナス金利政策と上場投資信託の巨額買い入れで株式投資はがぜん有利になり、相場は支えられた。問題はそれが正しいやり方かということだ。

「問題はそれが正しいやり方かということだ」で終わるなよ。間違ってるなら何がどう間違ってるか説明しろよ。

 結局、アベノミクスとは雨乞いのようなものではなかったか。首相はアベノミクスというおまじないで「雨よ降れ」と天に向かって祈り続けた。幸い雨は降った。みな驚いて「効果があった」と喜んでいるが、そこに論理的な根拠はない。

朝日新聞のほうこそ論理的根拠のないことばかり言ってるではないか。

 問題は、この禁断の政策が残した負の遺産である。政府の借金はもはや一朝一夕には解消できないほど膨らみあがっている。その半分近くは、日銀が輪転機をぐるぐる回してお札を刷ってしのいでいる。

そもそも「政府の借金」が解消するというのはどういう状況のことを言うのだろうか?政府債務がゼロになるという意味?だとしたら、そんな国は世界中どこにもない。そして、どこの国も国債が満期になれば償還しながら、同じ年に償還した以上の国債を発行している。だから、普通は政府債務は減ることはないのだ。

もちろん、債務があまりに膨れ上がりすぎるのはよくないというのはわかる。だが、どれくらいだったら良いのか。そんなに現在の財政状況が悪いなら、「有事の円買い」が起こるほど円が信用されていることの説明がつかないではないか。

 アベノミクスがもたらしたのは規律なき財政と金融政策、それに機能不全の市場メカニズムだ。政治家や官僚、経営者、投資家、多くの国民もそこで維持されているぬるま湯状態に甘えている。問題先送りが永遠に続けられると思いこもうとしている。

機能不全を起こしているのは朝日新聞の自浄能力のほうではないのか。権力の監視を謳いながら、財務省のポチ化して、財務省の主張をそのまま書いているじゃないか。

1億2500万人の国民をどこに連れていこうというのだろうか。

おまえが言うな。

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