右翼をこじらせると現実が見えなくなるらしい。

いまこそ〝草莽崛起〟のとき、アメリカかぶれで中国に媚びへつらう自公政権を倒し、「誰も置いてきぼりにせ」ず、近隣相和し平和を構築する八紘一宇、万邦無比のわが「国体」(旧字では「國體」で、国民体育大会のことではない)を内外に顕かにし、もって父祖の高恩に報ゆるときである。

「正義なき力は暴力、力なき正義は無力」というが、これを読んで、もしかしたら力なき正義も暴力なんじゃないかって気がしてきた。

アメリカと中国を同時に敵に回すとか正気の沙汰とは思えない。その失敗は80年前に経験済みのはずなのに。

だいたい、自公政権を倒すのは良いとして、倒した後どうすんだよ。共産党に政権取らせるのかよ。

もしも、大和魂という言葉が指すものが、インパール作戦や神風特攻隊のような、後先考えず無謀な戦いを挑む精神のことを言うなら、そんなものは積極的に忘れるべきだ。

日本人に必要なのは、臥薪嘗胆の精神と、合理的な戦略性だ。

例えば、日本からすべての米軍基地を追い出したい、と考えているのであれば、米国に叛意を疑われないようにしなければならないし、ただ単に米軍を追い出して中国軍に攻め込まれてしまったフィリピンのようになってもいけない。

まず憲法9条を改正し、今ある米軍基地を、1つずつ自衛隊基地に、長い時間をかけて少しずつ置き換えていき、最終的には米国と同盟関係を維持したまま米軍基地だけがなくなることが望ましい。

あるいは、日米同盟を拡張する形で、インド太平洋版NATOみたいな新しい軍事同盟を樹立するのも良いだろう。

いずれにしろ、日本が真に自立した国になるためには、日本の国益だけを考えていてはダメなのであって、他国の国益も考えて、国際社会を俯瞰した視点を持たなければならない。


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