もう聞き飽きた「安倍が国民を分断」論。具体性もなく証拠もない主張ばかりしてるから左翼は負け続ける。

アエラドット×室井佑月。もうこの時点でお察し。

「安倍首相は在任中、常に国民を『敵』と『味方』に分けてきた。議論したり説明を尽くしたりするよりも、自分の味方を集めて政権基盤を固め、異なる意見は排除する。(中略)17年7月の東京都議選、秋葉原駅前での街頭演説での発言。安倍首相は政権批判の声を上げる聴衆を指さして『こんな人たちに負けるわけにはいかない』と声を張り上げた。一国の首相が国民をはっきりと『分断』してみせたのだ」

本当にもうこの手の「安倍が国民を敵と味方に分けた」論はうんざり。この手の主張は、具体的なことは何も言っておらず終始フワフワとしたイメージだけの抽象論を語っていれば良いのでエビデンスを求められることもない。左翼がこんな陳腐な主張しかできなくなったこと自体が左翼の劣化の証拠だと思うが、左翼が唯一、エビデンスとして挙げている2017年の「こんな人たち」発言だが、これは、安倍政権を批判する人全員に向けたものではなく、あのとき安倍氏の目の前にいた、選挙妨害をする反民主主義勢力に向けて言った言葉にすぎない。しかも、こともあろうことに、マスコミがこの発言を叩き、選挙妨害を「ただのヤジ」などと正当化するような主張をしたため、私は怒り心頭に発し、3か月後の総選挙では滅多に行かない選挙演説に駆け付け、左翼の選挙妨害を実力で阻止してきた(暴力は一切振るってません、念のため)。あの時、安倍応援団が物凄く多かったのは、もちろん自民党の動員もあったとは思うが、選挙妨害やそれを擁護するマスコミ報道に怒った人が多かったからだと思う。あの選挙妨害を見て「民主主義の危機だ」と思わない人はちょっとどうかしていると思う。左翼の中では安倍が民主主義を殺したことになっているらしいが、民主主義を殺そうとしたのは間違いなく2017年7月、10月、そして昨年4月の「こんな人たち」のほうだった。

思い出すだけでも胸糞悪いので怒りに任せて大きく脱線してしまったが、このように「国民を分断」してきたのは、安倍政権ではなく左翼のほうだ。それは、先月の白井聡講師の「ユーミン早く死ね」発言からも明らかだろう。

だいたい、「安倍が国民を分断した」などと言っているのは、ほぼ全員が左派側の連中である。「野党あるいは左派マスコミが国民を分断した」と、わざわざ主張する人はいない。言ったとしてもそれは「安倍が国民を分断した」に対する反論として言う程度である。

それに、そもそもを言うなら、「国民の分断」は今に始まったことではない。

日本の政治は、長年、日本共産党を排除してきた。

1955年体制下では「共産党を除く野党は」というのがニュース番組でのお決まりのフレーズだった。野党協議の輪の中にすら共産党は入れてもらえなかったのだ。

細川政権のことを「非自民非共産連立政権」とも言うが、なぜわざわざ「非共産」をそこに付け加える必要があるのかをごまかしてはいけない。

この枠組みは、少なくとも2012年までは間違いなく生きていた。

都合の悪いことはすぐに忘れてしまう病気ではない人なら、きっとみんな覚えているはずだし、覚えてなくてもすぐに思い出せるはずだ。

しかし2012年末に民主党が野党に転落してから、民主党が露骨に共産党にすり寄りはじめ、この枠組みは崩れた。

今では、共産党とは協力できないと言って民主党を出て行った人たちのことを裏切り者扱いする立憲民主党支持者が大勢いるが、こういう歴史をちゃんと知っていれば、むしろ立憲民主党が共産党に取り込まれてしまった、と見るのが正しい。

今でも立憲民主党や国民民主党を中心に「政権交代可能な二大政党」を標榜する政治家が少なくないが、はっきり言ってそんなものは絶対に不可能。なぜなら、国政選挙で投じられる票のうちだいたい2割くらいは共産党か公明党の得票だ。この状況で二大政党を目指せば、公明党か共産党にキャスティングボートを握られてしまうことは火を見るよりも明らかだ。

実際、細川政権のときは中選挙区制でも政権交代は実現した。あのとき、選挙制度をそのままにしておけば、やがて自民党は複数に分裂して、仏独のような多党連立政権型の民主主義に移行していたと思う。なのに、強引に小選挙区制に舵を切ったために、自民党が息を吹き返したのだ。

そして民主党がフワフワとした中身のないイメージだけの支持で政権を取ってしまい、現実に対応できずに国民の信を失ってしまったことが、自民1強を作ったのだ。

共産党はいま、支持者の高齢化でヤバイことになっているらしいが、たとえ共産党が消滅したとしても、現在の白井聡氏や室井佑月氏のような人たちを見ていると、立憲民主党がネオ共産党化するだけで、たぶん日本の政治は今後も何も変わらんだろうなあー、と悲観的にならざるを得ない。

それから、室井氏が批判している「日本から出ていけ」という誹謗中傷を言う人は、残念ながら、確かにいる。そういうことを言う人は一部だけだと擁護するつもりもない。しかし、安倍政権を批判する人たち全員がそう言われているわけでもない。安倍政権を批判する人たち全員が「反日」と言われているわけでもない。そういうことを言われる人の特徴は、中国や韓国に過度におもねり、日本の戦争責任を必要以上に追及し、防衛予算の拡大や日米安保の強化、憲法9条の改正などに反対する人たちだと相場が決まっている。で、そういう人たちがいくらモリカケサクラとか言ったところで、本当に批判したいのはそこじゃないってのが見え透いているわけ。郷原信郎弁護士とか見てれば分かるでしょ。小沢一郎の時は検察の暴走だ国策捜査だって言ってたのに安倍政権になったら正反対のことを言う。民主党政権の時は政治主導だ脱官僚だって言ってたくせに安倍政権になったら正反対のことを言う。要するにご都合主義なのであって、要は安倍を引きずりおろすための口実になれば理由なんか何でもいいってのが見え透いているから反日だの日本から出ていけだの言われるわけです。

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