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滋賀東部での土地探し

住宅を設計の際、施主と一緒に土地を探すこともある。
現在、滋賀東部で土地探しをしていると、車での通勤が多いため、駅からの距離はあまり気にせずに住宅地の開発が進んでいる。ただほとんどの場所がハザードマップ上では浸水想定地域となっている。もとは田んぼや湖だったエリアで、地盤としても不安が残る。

参考:滋賀県防災マップ
https://shiga-bousai.jp/dmap/top/index

地元の同じ年位の人に話を聞くと、生まれてから水害に会った経験がないらしく、あまり気にしていないらしい。若い人は同じ世代の人たちが入居し、購入金額も税金も安いので、郊外の土地を好む傾向が見られる。開発業者は安く広い土地を購入し、一括開発が出来るため、利益を上げやすいなどのメリットもある。行政としてはハザード地域だったり、インフラの維持という点では負担が大きい。

駅から近いエリアは、古いエリアであったりするため、近所のしきたりがあったり、さびれてて若い人が少なかったり、何よりも地価が不相応に高かったりするので、あまり好まれなかったりする。本当は、若い人と古い人が混合している中心地の方が賑わいや人の循環が生まれやすく、インフラも維持しやすいので、都市計画の教科書としては、こちらが推奨される。

古地図を見て、昔から人が住んでいるエリアは災害が少ないと言われている。しかし、戦後、植林によって、スギが増えたによる地盤の劣化や開発による土砂災害など、確実に安全であるということは難しくなっている。

むしろ滋賀東部では元は琵琶湖の一部だったり、琵琶湖の氾濫の際にはほとんどのエリアでは1m以上の浸水となるので、逆に安全な土地を探す方が難しくなっている。避難場所ですら、浸水想定地域だったりもする。山側の方はほとんど土地も出てこないし、土砂災害地域が多い。

逆に浸水があることを受け入れて、設計を考えていく方が良さそうだ。
基礎を高床にしたり、一階の部分は浸水しても大丈夫な部屋を配置したり、1階の電気設備をを床から1m以上で行うなど、建築の設計でも解決出来ることは大いにある。

それでも駄目になるときが来るかもしれないので、日ごろから避難経路の想定や準備などの備えが大切になるだろう。

日本全国、地震や水害などの自然災害からは逃れられない。結局はその土地が好きかどうかで決めるのが一番良いと考えている。

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