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明日毎日マラソン

IAU100km世界選手権の日本代表に何度も選ばれて、オランダ、イタリア、カタール、スペイン、クロアチアと世界各国でご活躍。日本代表選手団のコーチを務めたこともあります。私と同い年の高田由基さん。

北海道、愛知県で小学校教諭を経て、2018年からは帝京科学大学で女子駅伝チーム監督として活躍されています。
そして私と同じで、コーヒーが大好き。

そんな高田由基さんと牛山純一が、走ることやコーヒーについていろんな話をしました。

「高田由基」×「牛山純一」

今回のテーマは、
「好きなコーヒー」
「才能」
「人との繋がり」
同年代の趣味ばかりの詰まった対談を、お届けします。

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高田 由基(たかだ・よしき)
1983年7月18日生まれ
東京都足立区在住北海道深川市出身
ウルトラマラソンランナー/帝京科学大学女子駅伝チーム監督
深川西高校(北海道)→東京学芸大学、東京学芸大学大学院→小学校教諭(北海道、愛知県)→帝京科学大学
専門は長距離種目
マラソン:2時間26分32秒
100km:6時間40分37秒
IAU世界選手権日本代表
選手 2007年、2008年、2011年、2014年、2015年、2016年
コーチ 2018年
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牛山:それでは、よろしくお願いします。

高田:どうも、よろしくお願いします。

牛山:高田さんとは、2017年のびわ湖毎日マラソンのときから、親しくなって連絡を取るようになりましたよね。

高田:そうでしたね。

牛山:前日の受付会場の琵琶湖ホテルで、声をかけてもらったのがきっかけだったかと思います。

高田:いつからか、オンラインでは繋がっていたんですけどね。お会いしたのは、そのときでしたね。

牛山:そして、私の中では、「明日毎日マラソン」というのが面白くて。

高田:そう、滋賀県は「毎年毎日マラソン」なんですよね。

牛山:そうそう、県道(湖岸道路)の電光掲示板がね。これ面白いなって思ったんですよ。

高田:ちゃんと当日は、「本日毎日マラソン」になっているんですよね。

牛山:それをちゃんと写真に撮ってSNSにあげてくれたので、見たときは同じことを考える人がいるんだと嬉しくなっちゃいましたよ。

高田:だって、「本日毎日マラソン」って、国語的に面白いなって。

牛山:そうそう、私もこの表現は面白いなって思いました。やっぱり国語の先生ともなると、目の付け所がイイですね。

高田:常に「言葉アンテナ」を張り巡らしてますからね。

牛山:あと、高田さんがウルトラマラソンを走っていることを知っていたので、本当に毎日マラソンやっているのかってことも考えましたね。

高田:毎日マラソンはできませんね、あと、ウルトラマラソンやってますけど、流石にウルトラマンにはなれません。

牛山:そうですよね。流石にね(笑)。

高田:毎日、マラソンを走っている人がいたら、それはそれでスゴイですけどね。

牛山:ランナーって変わった人が多いので、そういう人もいるかもしれませんよ。

高田:毎日、マラソンをやっている人がいたら、それはそれで変わった人ですよね。

牛山:昔、「ここが変だよ日本人」って番組がありましたよね。

高田:あったあった!(いたいたゾマホン!)

牛山:私は、見る度に、「あぁ、変で良かった日本人」って思ってました。私たちって、変だと思いませんか?

高田:どんなところが?

牛山:昔、「千と千尋の神隠し」って映画あったじゃないですか、見ましたか?

高田:だいぶ昔に見ましたけど、ストーリーはよく覚えていないですね。

牛山:私は何回も見たんですよ。それで終わった後に感動して涙が出てくるのですが、どういう話だったのかは、さっぱり分からないんです。

高田:えっ(笑)?

牛山:映画が始まると、いきなり両親が豚になるんですよ。

高田:そうそう、そんな感じでした。

牛山:しかも、特に説明があるわけでもないんですね。

高田:そう言えば・・・

牛山:あれ、外国人が見たら、何で豚になったんだろうって思いますよ。

高田:たしかに。

牛山:日本人はそんなことは考えずに、みんなで一気に乗り越えちゃうんですよ。そして、お風呂屋さんみたいなところに行って、クモのおじいさんみたいな人が出てきて、顔があるのか無いのか分からないようなものが暴れて回って、白い龍が空を飛んで、電車が海の中を走って、それで映画が終わって私たちは感動しているんですね。

高田:そうそう、そんなストーリーでした。

牛山:あの映画は、日本歴代興行収入第1位を記録して、それは現在も塗り替えられていないんです。日本でこれだけこの映画が流行ったということは、日本人は一律、変わっているということを証明していると思うんですよね。

高田:サントリーの缶コーヒー「ボスレインボーマウンテンブレンド」のCMに出てくる「宇宙人ジョーンズ」もそんなことを言っていましたね。

牛山:「この惑星の人間はどこか変わっている。ただ、この惑星の夜明けは美しい。」みたいな。

高田:そうそう、そんな感じ。

牛山:高田さん、コーヒー好きなんですよね。

高田:飲みますね、大好きですよ。

牛山:好きなコーヒーは?

高田:キリンのファイアワンデイブラックですね。他には、ワンダの極ブラックも飲みますね。

牛山:ほー。

高田:他には、スタバではこれが好きですね。

牛山:パイクプレイスロースト、スタバのコーヒー豆の中でも、割とオーソドックスなコーヒー豆ですね。

高田:苦みやコクのあるコーヒーが好きなんです。

牛山:そうすると、ブラック派ですか?

高田:甘いのも大好きです。こんなのも。

牛山:私も、甘いのは大好きですね。

高田:これ、コーヒーじゃないですけどね(笑)。

牛山:たしかに(笑)。

高田:あとは、野辺山でウルトラマラソンを走った後の諏訪湖サービスエリアで飲んだ「ダークモカチップフラペチーノ」のVenti(一番大きいサイズ)です。これはカロリーの塊でしたね。

牛山:なるほど、こうやって効率良くカロリーを摂取しているわけですね。

高田:そして、知る人ぞ知る缶コーヒー、アロマエクスプレスカフェブラック。

牛山:これは、どこに売っているのでしょうか?

高田:これは、東海道新幹線のホームに設置されている自動販売機でしか売っていないという特殊なコーヒーです。

牛山:新幹線でしか飲めないわけですね。

高田:しかも、今日ちょうど新幹線に乗る用事があったのですが・・・

牛山:はい。

高田:なんとパッケージがリニューアルされてました。

牛山:おお、デザインが新しくなってますね。

高田:しかも、今日はスタバと二刀流ですね。

牛山:ブラック×ブラックですね。

高田:そして、スタバは紙ストローです。

牛山:スタバの紙のストローをこうやって見るのは、実は初めてですね。使ってみた感じはどうですか?

高田:マスク付けてたら、飲めないことが発覚しました。

牛山:いやいや、ストロー関係ないですからね。

高田:そろそろ、新幹線に乗り込みます。

牛山:新幹線に乗るときって、何かいいですよね。楽しみというか。

高田:そうですね。新幹線に乗っている時間って結構好きなんですよ。

牛山:どんなところがですか?

高田:人間って、どんなことをするにしても能動的に動いていると思うのですが、新幹線に乗って移動しているときは、どことなく受動的というか、移動するという目的を遂行しながらも、何もしなくてもいいというか、そういう時間じゃないですか。

牛山:なるほど。急いでいるけど暇な時間みたいな。

高田:そうそう、そういう感じ。

牛山:私は、新幹線でトンネル入ったときの音が結構好きですね。

高田:どんな音ですか?

牛山:例えるなら、風の谷のナウシカで、物語の終盤にミトが操縦する風の谷のガンシップの全速力みたいな音ですね。

高田:「姫様、無茶だ!エンジンが爆発しちまう!!」ってシーンですね。

牛山:そうそう、結構印象に残っているセリフですね。あと、ナウシカのセリフで「ミト、シリウスに向かって飛べ」っていう端的で分かりやすい指示も結構好きだったりします。

高田:マニアック過ぎて分からないです。

牛山:そんな新幹線に乗って、私はセブンコーヒーを飲むのが好きです。

高田:出た、セブンコーヒー(笑)。

牛山:さて、そろそろ陸上の話に移りましょうか。

高田:そうですね。コーヒーの話だけで、居酒屋2軒くらい行けそうですからね。

牛山:私の中では、100kmって果てしない距離なんですけど、どうしたら100kmも走れるんですか?

高田:人には、いろんな才能があると思うのですが、よく言われるのは「飽きない才能」があるんじゃないかって。

牛山:飽きない才能ですか。

高田:そう、ずっと走っていても飽きないのも、チカラの1つなんじゃないかって。

牛山:うーん、そうだとすれば、私はその才能は無いですね。だって、走っていても15kmくらいで飽きちゃいますから。

高田:人それぞれの才能がありますからね。みんな違ってみんないい。

牛山:これは、サロマンブルーの足形ですね。

高田:そうです。サロマ湖100kmウルトラマラソンの100kmの部を10回以上完走したランナーの特権ですね。

牛山:「地道は近道」、素晴らしい言葉ですよね。ランナーって嫌になるくらい「才能」という言葉と向き合うと思うんですが、この言葉を聞いたら、才能というものの多様性を感じます。

高田:それでも、「才能」という言葉には、常に付き纏われてますね。

牛山:でも、「才能」の正体も実はよく分かっていないわけです。

高田:いろんな「才能」がありますよね。身体能力的なものから、続ける才能とか、努力する才能とか。

牛山:そうですね。だから、上達が早い人のことだけを「才能がある」って言うのはちょっと違うかなって思うんです。

高田:そうですね。

牛山:中学のときに強かった選手が、高校に行ったら全然伸びなくて、そのままやめてしまうこともあれば、中学、高校でそれほど目立たなかった選手が、大学に行ってから力を伸ばして活躍することもありますよね。

高田:よくある話ですよね。

牛山:結局、後になって過去を振り返ったときに、どう解釈するかだと思うんです。

高田:そう、過去に対しての解釈ですよね。

牛山:だから、「才能」ってあんまり意味をなさないんじゃないかって。

高田:私の同僚で、中学で教員をやっていた人が、転職をして、今大学の教員として仕事をしていますが、その人もどちらが良かったのかが分かるのは、死ぬときかもしれないって言っていましたね。

牛山:私の中で、もし「才能」というものがあるとしたら、致命的なケガをしないことだと思うんですよね。

高田:ん?もう少し詳しく聞かせてください。

牛山:私たちの身体は消耗品だと思います。だから、自分の身体を壊さない能力って一番大事だと思うのです。

高田:それは確かに言えてます。成長するには、「一定の負荷」や「多少の無理」が必要です。しかし、それが「過負荷」や「無理し過ぎ」になってはいけません。

牛山:そうですね。

高田:そうなると待っているのは「成長」ではなく「破綻」です。心と体の声に耳を傾けて、地道に積み重ねていくことこそが体を壊さずに成長していく近道だと思います。

牛山:そうですね。とても重要なことですよね。では、次に陸上をやっていて良かったことについて聞いていいですか?

高田:やはり、いろんな人と出会えたり、繋がれたりしたことは大きいですね。

牛山:人との繋がりは大きいですね。

高田:牛山さんと、こうやって話しているのも走ってきた結果ですし。

牛山:たしかに。

高田:ご縁って大事ですよね

牛山:お金よりもご縁ですよね。

高田:5円も大事ですけどね(笑)。

牛山:うまいこと言いますね。

高田:こないだ、高校生を相手に講演をする機会がありまして、そのときに彼らに言ったことが、「出会い」と「感謝の気持ち」が大事ってことだったんですよ。

牛山:なるほど

高田:その時だけと思った出会いが、長いお付き合いになることや、数年後に再会することもありますね。それから「感謝の気持ち」とはよく言うんですが、その気持ちを持つだけでなく言葉にして伝えることが大切ですね。

牛山:私は、マラソンを走る上で走ることはもちろん楽しみなのですが、それと同じくらい、ランナー同士で話したり、ご飯を食べたり、お酒を飲んだりするのが好きですね。

高田:たしかに、そのために走っているという側面はありますね。

牛山:走った後に飲むビールが美味しいんですよ。

高田:牛山さんは、どのビールが好きなんですか?

牛山:最近は、スーパードライ一択ですね。

高田:ほー。

牛山:昔は、カッコつけて、プレミアムモルツが好きとか言っていたんですけどね。香りがいいとか言って。でも、走った後に飲んで美味しいのは、やっぱり辛口みたいな。

高田:分かりますね。

牛山:高田さんは何が好きなんですか?

高田:同じくスーパードライですね。炭酸が好きなんですよね。刺激が欲しいというか。

牛山:あー、分かる。その刺激。

高田:あと、スーパードライは福山雅治がCMしていますからね。

牛山:実に面白い!

高田:やっぱりカッコイイですからね。

牛山:自分の人生が映画化されるとしたら、自分の役をどの俳優さんに演じてもらいたいですか?

高田:そりゃ、福山雅治ですね。

牛山:じゃあ、ヒロインは誰に?

高田:そりゃ吹※&∂♯、ん?自分とはかけ離れていますね。う~ん・・・

牛山:では、この話の続きはどこかのマラソンの後にでもしましょうか?

高田:いいですね。世界の山ちゃんの手羽先でも食べながら。

牛山:いいですね、楽しみにしてます。

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2人の対談(1回目)は、これで終わりです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2020年7月18日 オンラインにて
東京都足立区 ⇔ 長野県茅野市

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