「悩むことを肯定」してくれるドラマ「イチケイのカラス」
普通、「悩む」ことは良くないことである。
「そんなに悩まなくていいよ」
「悩み過ぎやって」
というのはよく聞くフレーズである。
でも、ぼく自信は、ついつい悩んでしまうタイプで、仕事について金曜日に悩み出したら、土日も気になってしまう時もあるくらいだ。
そして、そんな自分が好きになれない。
それを吹き飛ばしてくれるのが、ドラマ「イチケイのカラス」だ。
主人公の「みちお」は「裁判官」なので、被告人に「判決」を下さないといけない。有罪、無罪の判断はもちろんのこと、懲役何年とするかでその人の人生は大きく変わることになる。
普通の裁判官は「これまでの判例」、「公判で示された証拠」をもとにできるだけ早く裁判を進めようとする。でもみちおは違う。
各案件ごとに、よくわからないことは調べ尽くす。
そして「悩んで悩んで」何が正しいのか悩み尽くして判決を下すのだ。
みちお自身も決して楽しんでいるわけではない。
みちおにとっても「悩む」ことは「苦しいこと」なのである。
それでも、裁判官が事実を追求し、その事実をもとに、被告人や被害者のことを必死に考えて「悩んで悩んで」判断する。時にそれが、全ての人を幸せにする結果にならないことがあるとしても「悩み判断する」ことこそが「正しいこと」であることをこのドラマは教えてくれるのだ。
天才的な思考で物事を前に進めたり、悩みが減っていくドラマは多いけど「悩んで悩んで」生きていくことを肯定するドラマって、これまであまり見たことがない気がする。
小さなこともついつい気になって、悩んでしまう癖があるぼくは、これまで「悩まない方法」ばかり考えていたけど「悩むことは正しい」というこのドラマのメッセージに、もやもやとした気持ちが吹っ飛んだ気がした。
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