謎のメモ「タモリ」の正体が分かった件
妻はいまだにいわゆるガラケーを使っている。メールを見るときはパカパカしているし、着信音はいわゆる少し古めかしい着メロが流れている。
今時、スマホを使っている人は、大体メモはリマインダーやメモ帳にしていると思うのだけど、ぼくの妻はそんな事情もあって、いまだに紙にメモをしている。
そして、翌日にしないといけないことは、付箋に書いて、キッチンに貼っておくことが多いのだが、先日そのメモに関して、不思議なことが起こった。ある朝、ぼくが起きてキッチンに行くと、そこに「タモリ」という付箋が貼られていたのである。
「タモリ」と言えば、笑っていいとも!でお馴染みのタモリさんの「タモリ」である。でも残念ながらぼくたちは業界人でも、一般人でもなくて、これまでタモリさんに会ったことのないし、タモリさんに会う予定もない。
気になったので、洗面所から戻ってきた奥さんに聞いても
「そうやねん、私も自分の字なんやけど、なんのことかわからへんねん」
と、まさかの本人も忘れている始末である。
とはいえ、ぼくと奥さんとタモさんの接点は、テレビで見るミュージックステーションくらいしかない。ちょうどその日は金曜日なので、何か注目しているアーティストでも出ているのかと調べてみたけど、それもなさそうである。
謎は深まるばかり。
結局モヤモヤしたまま仕事に出かけたものの、帰宅する頃には忘れ、いつも通り、晩御飯を食べ、新聞を読んでいた。
実はぼくがとっている京都新聞、最近面白い連載をしていて、毎日それをスマホで撮影、スキャンするようにしている。その日もスキャンを済ました時にあることを思い出して妻に尋ねた。
「そう言えば、一昨日の夕刊ってもらってきてくれた?」
一昨日の夕刊をスキャンする前に間違って捨ててしまったから、実家に行く際にもらってきてほしいと伝えていたのだ。
「あーごめん、忘れてたわ」
妻はそう言いながら、紙の付箋をとって、メモをして、キッチンに貼った。
「あーーーーー!わかったーーー!!」
突然妻が声を上げた。ぼくは全く意味がわからず呆然としていると、その付箋をぼくに見せてくる。当然そこには
「夕刊」
と書かれている。理解できずにいると再び妻が口を開いた
「わからへん?これ、タモリやで!」
なるほど。やっと理解できた。「夕刊」を幅広く描きすぎて
「夕干リ」=「タモリ」
にみえていたのだ。
ぼくも夕刊を頼んでいたもののそこまで強い思いがなく、しかもあまりにも現実の「夕刊」と「タモリ」の落差が大きすぎて全く気づかなかった。
かくして、謎のメモ「タモリ」正体が分かったのであった。
それにしても、自分が見るだけだとしても、メモは丁寧に書いた方がいいですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?