もう「女性の方です」で仕事相手を特定できる時代ではない
先日、オフィスで電話を繋いだとき、相手の方の話ぶりに違和感を感じた。
「あの、先ほど〇〇の件で電話受けてくれた、女性の方いますか」
「女性の担当が複数名いまして、名前はわかりますか」
「名前、なんだっけな。でも、女性の方ですよ女性」
「複数おりますので。どういった内容でした」
「○○の件で。女性なんですよ」
「女性が複数おりますので特定できません。名前はわからないですか」
「そうなの?たしか田中さんだったかな」
「わかりました。確認します」
もちろん、相手の人に悪気はなかったのかもしれない。でも「仕事はほとんど男性がしていて、女性はその端に少しだけ座っているもの」という固定観念が相手の人にはあるのだと思う。相手の人の職場が、そもそも男性だらけなのだろう。
でも、素晴らしいことに、ぼくの職場にはたくさんの女性が働いていて、まだまだ管理職ポストには少ないといった課題はあるものの「女性だから」と区別することは当然ない。与えられている責任も、給料も変わらない。
だから、電話を出たときも、ぼくの目の前にはたくさんの素敵な女性たちが、仕事をてきぱきとこなしていた。
そんな光景が目の前に広がっているのに、「仕事=男性」と決めつけたような言葉が耳にあてた受話器から聞こえてきて、少し混乱してしまった。本気で昭和50年代の世界から現代に時空を超えてかかってきた電話のようにすら思えた。
こういった間違った固定観念を持っている人たちが、「時代は変わった」ということを、気付いてくれたらいいなと思う。
実際、電話応対をしたとき、ぼくが何人かの「女性」に声をかければ、きっと相手を特定できたと思うけど、ぼくはあえてしなかった。
「もう『女性の方です』で仕事相手を特定できる時代ではない」ということを知らせたかったから。
そして、これでこの世界が少しでも良くなればいいなと思って。
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