わんちゃん用スマートトラッカー|便利な機能と選び方を徹底解説!
◎愛玩動物飼養管理士の資格保有者執筆◎
近年、愛犬家の中で注目されているスマートトラッカーと呼ばれるアイテムをご存知でしょうか?「聞いたことはある」「難しそうで迷っている」という飼い主様もいるかもしれませんね。
今回の記事では、スマートトラッカーについて詳しく解説します!メリットや選び方も併せてご紹介しますので、ぜひスマートトラッカー選びの参考にしてくださいね!
スマートトラッカーはどんなアイテム?
スマートトラッカーは、スマートタグや忘れ物防止タグとも呼ばれているアイテムです。忘れ物防止タグと聞くと、どのようなアイテムか想像できるかと思いますが、その名の通り、紛失しやすいものに装着しておくことで、スマートフォンで位置が把握できるようになるアイテムです。
さまざまなものをネットワークでつなぐ「loTデバイス」に含まれるスマートトラッカーですが、見守りカメラや無人レジなどと同じ仲間です。今後もさまざまな場所でloTデバイスは使用されていくと考えられ、ペット業界での普及も期待されています。
●スマートトラッカーの仕組み
スマートトラッカーはBluetoothやGPS機能を利用することで位置情報を把握し、探したいものを見つけられます。中には、一定距離離れると「忘れていませんか?」とスマートフォンに表示したり、ブザーを鳴らして教えてくれたりと、紛失事態を防ぐスマートトラッカーもあります。
スマートトラッカー自体から音を鳴らすこともできるため、家の中や近くに落としているだけであれば、音を頼りに捜索ができるかもしれません。
プレートタイプやキーホルダータイプ、シールタイプなどの形状があり、紛失を防ぎたいものに応じて選択できます。
●スマートトラッカーの使用方法
スマートトラッカーは、無くしやすいカギや財布などに装着することで紛失を防ぐものですが、使用方法はそれだけではありません。
徘徊してしまう高齢者や、子ども・ペットに持たせる方法としても使用されており、近年ではペット用のスマートトラッカーも販売されています。首輪と一体型になっている商品も販売されており、「脱走・迷子の際に役立ちそう」とわんちゃんと暮らす飼い主様から注目されています。
捜索だけじゃない!スマートトラッカーの便利機能4つ
わんちゃんの脱走・迷子時にも使用できるスマートトラッカーですが、捜索時に役立つ機能や、わんちゃんの行動・運動量を表示するスマートトラッカーも販売されています。
飼い主様の利用意図に応じて最適なスマートトラッカーを選びましょう。
【便利機能①】わんちゃんをみんなで探せる
スマートトラッカーの捜索範囲はBluetoothの場合、限りがあります。わんちゃんが脱走・迷子になってから時間が経つほど、Bluetoothの範囲から外れてしまうため、捜索は困難になるでしょう。
しかし、スマートトラッカーの中には、同じスマートトラッカーを持つ人物が、わんちゃんの近くを通ることで、飼い主様に位置情報が送られるシステムを持つものもあります。
脱走や迷子だけでなく、わんちゃんが誘拐されるケースも考えられます。車で遠くに連れて行かれてしまうとBluetoothタイプのスマートトラッカーでは捜索できません。一方で、利用者の多いスマートトラッカーであれば、飼い主様から離れてしまっても多くの利用者が情報を提供してくれます。世界中で使用されているスマートトラッカーであれば捜索範囲は世界に及ぶため、わんちゃんの捜索に大いに役立つでしょう。
【便利機能②】声をかけて安心させられる
スマートトラッカーの中には事前に声を録音しておき、お留守中や迷子になってしまった際に流せるものもあります。
帰巣本能があることで知られているわんちゃんですが、すべてのわんちゃんに帰巣本能があるとは言えません。帰巣本能の強さは、犬種や性格によって異なります。万が一に備えて、日頃から「ハウス」の声でクレートに入るようなトレーニングをしておけば、脱走・迷子時にも「家に帰らなきゃ!」とわんちゃん自らが自宅に帰ろうと思ってくれるかもしれません。
また、普段のお留守番の際にも、飼い主様の声が聞こえることで安心できるわんちゃんもいるでしょう。
【便利機能③】夜道を照らしてくれる
迷子になったわんちゃんが、暗くなっても見つからなかった場合、車道に飛び出し交通事故に遭うリスクが高まります。
そのような場合に役立つのは、LED搭載のスマートトラッカーです。光を発するため、運転中の人や通行人に気づいてもらえやすく、暗くなっても飼い主様が探しやすくなります。迷子時だけでなく、夜間のお散歩時にも役立つでしょう。
【便利機能④】わんちゃんの行動が把握できる
「マイクロチップがあるから大丈夫」「脱走対策は万全にできている」という飼い主様には、わんちゃんの健康管理に特化した「スマートヘルストラッカー」がオススメです。
飼い主様の中にはスマートウォッチを利用して、日々の身体の状態を確認しているという人も多いでしょう。スマートトラッカーの仲間であるスマートヘルストラッカーは、スマートウォッチのように、わんちゃんの睡眠時間や消費カロリー、運動量を確認できます。
わんちゃんの犬種や体重などを入力すれば、1日に必要な運動量を算出してくれる機能を持つものもあります。算出された運動量を基に散歩時間の見直しや、消費カロリーを確認した上でお散歩コースを変更しても良いでしょう。
日中お留守番をしているわんちゃんがどの程度動いているのかも、スマートヘルストラッカーがあれば確認できるため「いつもは活発に動いているのに、今日はあまり動いていない…」といった異常にも気付きやすくなるでしょう。早期にわんちゃんの異変に気が付ければ、病状が悪化する前に動物病院を受診できます。持病のあるわんちゃんやシニアのわんちゃんに利用しても役立ちそうですね!
スマートトラッカーを選ぶ際の6つのポイント
さまざまな機能が搭載されているスマートトラッカーですが、購入時は以下の点を確認の上、検討するようにしましょう。
【ポイント①】ペット専用のものか
紛失防止用のスマートトラッカーをわんちゃんの首輪につけても問題はありませんが、わんちゃん用で販売されているスマートトラッカーが、重さや機能面が充実しています。
「場所が分かれば良い」という場合は、居場所が分かるシンプルなものでも十分に使えます。どのような機能を求めるかで検討しましょう。
【ポイント②】重すぎないものを選ぶ
小型のわんちゃんにとって、重たすぎるスマートトラッカーは首に大きな負担がかかります。ペット用で販売されているものであれば「超小型犬用」「大型犬用」のように大きさごとにサイズ設定がされているため、愛犬のサイズに合わせて選択できます。
ペット用のものを使用しない場合は、重たすぎないか、わんちゃんが嫌がっていないかを確認してくださいね。
【ポイント③】有効範囲を確認する
スマートトラッカーはBluetoothやGPSを利用して居場所を確認します。Bluetoothの場合は自宅の中や近隣までが限界です。範囲に縛られず、広範囲の捜索を検討するのであればGPSタイプを選択しましょう。
ただし、GPSトラッカーにも欠点はあり、建物の中やトンネル内はGPSが届きにくくなります。価格や捜索範囲を比べながら、どちらのタイプにするか検討しましょう。
【ポイント④】稼働時間や電池・充電タイプで選ぶ
スマートトラッカーは、電池タイプと充電タイプがあります。電池タイプのものは、電池を入れ替えれば繰り返し使えるタイプと、電池が切れても交換不可で買い替えなければならないタイプの2種類があります。電池が切れる度に都度買い替える方が良いのか、同じものを長く使い続けたいのかで値段も変わってくるため、本体価格だけでなく、どの程度使用できるのかも把握しておきましょう。
充電タイプは、充電すれば何度も使用できますが、充電を繰り返すことでバッテリーが消費され、長時間の稼働が難しくなってきます。
飼い主様がスマートトラッカーの管理を担うことになるため、どの程度の頻度で充電や電池交換が必要なのか、メリットとデメリットを比較しながら飼い主様の使いやすさで検討しましょう。
【ポイント⑤】スマホ対応で選ぶ
スマートトラッカーは、スマートフォンとつないで使用することが一般的です。スマートフォンの月額通信費や、スマートトラッカーによっては、アプリの月額使用料金が発生するものもあります。
スマートトラッカーによっては「android」「ios」のように、使用できるスマートフォンのOSが限定されていることもあります。手持ちのスマートフォンとスマートトラッカーが対応しているかどうかも確認しておき、Bluetoothを利用するのであればスマートフォンにBluetoothが搭載されているかも確認してくださいね。
【ポイント⑥】防水機能がついているものを選ぶ
わんちゃんの場合、水を飲んだりお散歩中に雨に濡れたりと、水に濡れることが想定されます。特にキーホルダータイプのように、首輪からぶら下がるような形でのスマートトラッカーは、水を飲む際に濡れてしまう可能性が高いでしょう。
わんちゃんが使用する前提であれば、濡れる・水没することは覚悟しておかなければなりません。ペット用のスマートトラッカーは防水機能がついているものが多いですが、防水機能搭載であれば多少濡れてしまっても問題はないでしょう。値段が高くなるとしても、防水機能がついているものがオススメです。
スマートトラッカー以外の便利アイテム
スマートトラッカーは、脱走・迷子時に役立つアイテムですが、他にも捜索に役立つアイテムはあるのでしょうか。「スマートトラッカーよりも簡単なものが良い」「わんちゃんに使用するのは抵抗がある」という人は、以下のアイテムを活用してみましょう。
【アイテム①】迷子札
わんちゃんの身分を証明するものとして、首輪に迷子札をつけているわんちゃんもいるでしょう。普段室内で暮らしているわんちゃんであっても、目を離している隙に家から飛び出してしまったり、災害時に離れ離れになってしまったりということは十分考えられます。
災害時は、わんちゃんが保護されても飼い主様を見つけられないということも多く、迷子札を装着しているわんちゃんの方が家族と再会できる可能性が高まります。東日本大震災の際には、迷子札や鑑札が確認できたペットは100%飼い主様の元に戻れたという統計もあり、わんちゃんと飼い主様をつなぐ重要な役目を担ってくれるでしょう。
迷子札は、首輪に直接名前や電話番号が刻印されたものや、既に装着している首輪に後付けできるペンダントタイプのものなど、さまざまなものが販売されています。
「個人情報が丸見えなのは、怖い」という人は、QRコードを読み込むことでわんちゃんの情報が読み取れる電子迷子札もあります。わんちゃんの情報としてワクチン接種歴を保存できるものもあるため、ドッグランやドッグカフェでの接種証明書提示時にも役立ちますよ!
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【アイテム②】マイクロチップ
令和4年6月より、マイクロチップの装着が義務化されました。既に家族として迎えられているわんちゃんは努力義務であるため、装着するか否かは飼い主様の判断です。
迷子札やスマートトラッカーは、便利な反面、外れて落ちてしまう可能性が考えられます。マイクロチップであれば身体に埋め込むため、外れてしまうことは考えづらく、迷子になって保護されたとしても、マイクロチップの情報を読み込むことで飼い主様の元へ帰ってくる確率が高くなります。
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最後に:スマートトラッカーとGPSロガーの違い
スマートトラッカーに似ているものとして、GPSロガーと呼ばれるものがあります。GPSロガーは位置情報を記録するアイテムで、リアルタイムで場所を把握することはできません。パソコンと接続しなければ記録は閲覧できないため、脱走や迷子時のアイテムとしては不向きです。
スマートトラッカーと混同しやすいため、違いを理解し、誤って購入しないように注意しましょう。
スマートトラッカーは、わんちゃんが脱走してしまった際に役立つアイテムです。常に屋内にいるわんちゃんであれば必要のないアイテムのように思いますが、予期せぬアクシデントや災害時など、万が一に備えてわんちゃんへの装着を検討しても良いのではないでしょうか?
スマートトラッカー以外にもマイクロチップや迷子札を装着しておくことで、わんちゃんが戻ってきてくれる可能性は高くなります。大好きな愛犬と離れ離れになってしまわないよう、今からできる対策を検討してくださいね!
●ライター:バーニー
愛玩動物飼養管理士の資格を保有
●編集:うしすけチーム
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