小説 宇宙人のアンケート

 宇宙人に誘拐されてしまった。

「わたしたちは地球について調べています、アンケートにお答えいただけると助かります」

 とタコみたいな姿の宇宙人が言う。

「いいぜ。なんでも答えてやるよ。でもロハで答えさせようってんじゃないだろうな?」

「アンケートですので、金品をお渡しすることはできないのですが、参加賞的なものを最後にお渡しすることは出来ます」と宇宙人。

「いいね。気に入ったよ。参加賞っていい言葉だよな。きっと高いものじゃないだろうなというのがわかるし、雀の涙みたいなもんだろうというのはわかるのだけれども、でもそれを目当てにがんばるやつだっているんだから捨てたもんじゃないよな。そういう気持ちになれるからな。あんた、名前はなんてんだい?」

「人間の発音に近い言葉にしますとポニャッコと言います」

「ポニャッコさんか。いい名前だな。ポン菓子とこんにゃくを混ぜたような名前だ」

 宇宙人は頭を掻いた。照れてるのかもしれない。照れるときは宇宙人も頭を掻くのだ。

「ではご質問です。地球人はどうしてまだ寿命を克服していないのでしょうか?」

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