小説 神様がやってきて

 神様がやってきて、

「きみの人生はひどいもんだったから、もうちょっとましにしてあげるよ」と言って、わたしにいい靴を買ってくれた。

「ありがとうございます」

「お礼を言われるほどのことじゃないさ」

 神様は帰った。わたしはその靴を履いてしばらく歩いたのだけれども、サイズが合っていなかったのか、指に豆ができてしまった。

 仕方がないので靴は捨ててしまった。サイズの合わない靴を持っていても仕方がなかった。

ここから先は

806字

ペンギンプラン

¥100 / 月
初月無料
このメンバーシップの詳細