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フィラエのイシス神殿
かつて 「ナイルの真珠」と言われていたフィラエ島。1902年にアスワン・ダムが完成すると、フィラエ島にあったイシス神殿は 一年の大半が水に沈む状態に。そして、1960年から始まったアスワン・ハイダムの建設で完全に水没の危機に。
浸水期間が長く、イシス神殿は石そのものが脆くなっていました。しかし アブ・シンベル神殿の移築成功の経験を生かし、1972年から約2年半で、45000以上のブロックに解体された建造物は、地勢の似ていた近くのアギルキア島(現フィラエ島)に移築。ナイル川で見事に再生しました。
紀元前3~4世紀に建てられたイシス神殿は、古代エジプトの神オシリスの 妻であり妹であった女神イシスに捧げられた神殿。オシリスは弟に殺され、刻まれた身体をエジプト中にばら蒔かれてしまいます。イシスはそれを探して縫い合わせ、包帯で巻いて冥界の神として復活させます。これはミイラのルーツとなる神話で、イシスはエジプトの人たちに深く信仰された女神です。
塔門や神殿のあらゆる場所にある 生き生きした神たちのレリーフがすばらしい。
神殿最深部にある至聖所
フィラエ島は、ローマ五賢帝であったアウグストゥス、トラヤヌス、ハドリアヌスたちが建てた建築物もあります。
トラヤヌス帝が建てたキオスク
アブ・シンベル神殿同様、水没の危機から蘇ったフィラエのイシス神殿は、1979年 ヌピアの遺跡群として 世界遺産に登録されました。
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