酔ってる雑記1

 子どもが指数関数的(この言葉を思い出すためだけにGoogle開いた自分が嫌い)にポケモン知識をつけている。我が家にはDSすら無いのに、ポケモン図鑑の文字情報だけを頼りに吸収しているのだ。リアルでも頭でっかちなドットちゃんの出来上がりである(あの子は女の子の模様。ながら見では見落とす重要案件)。
 しかしまあ私をふくめ、現代子育て世代で未体験者ほぼ皆無のポケモン、子どもが本を読んでるだけでも色々口出ししたくなる!「私はこのポケモンを使った」「あのポケモンには困らされた」、そんなのがついつい口から出そうになって控えるように少しは考えるのに、子どもはお構い無しにアニメやらテレビ番組やら、次のステップに踏み出してしまう。そうすると、こっちの扉も開くんだよ〜〜!!やめてくれ〜〜!!レッドが!!グリーンが!!ブルーが!!イエローが!!メイちゃんが!!リーリエが!!呼んでくるんだ〜〜!!
おそらく私と同世代にしか伝わらないが、あの頃ポケモンのアニメや漫画を読んで、見果てぬ世界を想像して武者震いのような、ある種の興奮を覚えた人は少なくないと思う。私はポケモンが《本気で》世界にいてほしいと思った。そういう世界線に行って、死にものぐるいで生きたかった。それほど憧れた世界だった。冒険したかった。いやパートナーと冒険したかった。

 もうあの頃は帰ってこない。訃報を見るたびに「次は自分かも」と思う日々。親の最期とか遺産とか少しずつ考えてしまっている日々。それなのにポケモンはサトシもピカチュウも、今の物語の主人公たちも「冒険しようぜ!!」と背中を叩いてくる。
 止めてくれ、止めないでくれ。大人にならなくちゃいけないのに、10歳の無鉄砲な馬鹿者になりたいんだ。ポケモン、どこまで私を狂わせるんだ…?

 そんなわけで、独身既婚離婚問わず、ポケモンに気をつけろ。思った以上に心を抉ってくるぞ。

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