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ボクシンググローブなにを選んだら良いか問題

こんにちは!

この記事は「これからボクシングやキックボクシングを習おうかな」と思っている方向けに書いております。
「ボクシンググローブ 初心者」のような方法で検索すると、様々な紹介サイトが表示されます。
ランキング形式で掲載しているサイトも多いようです。

しかし、実際にボクシングあるいはその他格闘技をやっていると「これは違うよな?」と思うこともしばしば。

例を上げればグラントというメーカーのグローブがありまして、これは新品で買おうとするとごく限られた方法でしか購入することができません。
中古フリマサイトでも売っていますが、精巧なコピー品も多く、初心者がほいほい手を出せるグローブではありません。

で、これを「おしゃれなので女性にぜひ!」ぐらいの感覚で紹介しているサイトもあるんですが「最低でも5万円ぐらいからのお値段」なので「おしゃれだから」という理由で買う人はほぼいないと思います。

こんな風に「ちょっとおかしいぞ」ということが多いグローブの紹介サイトがあるので、僕の独断と偏見ではありますが、本当に初心者におすすめしたいグローブをきちんと背景をつけて紹介させていただきます。
もしかしたらご指摘して頂ける点もあるかも知れませんが、どうぞおおらかな気持ちで読んでいただけると幸いです。

「背景なんて気にしないよ!どれを買えばいいかだけ教えてくれ!」という方は、後半の「具体的にどのグローブがおすすめか」から読んでいただければよろしいと思います。


さて「ボクシンググローブなにを選んだらいいか問題」です。
この問題を解決するために、先ずはボクシンググローブの大まかな種類についてお話しましょう。
一般的なイメージはプロボクサーが試合でつけているグローブでしょうが、実はその他にも種類があります。

1.パンチンググローブ

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画像参照URL→https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Fl-gran%2Fpgmittset%2F&psig=AOvVaw2erYbk7Okw94gWEpvhm5vs&ust=1643343700825000&source=images&cd=vfe&ved=0CA0Q3YkBahcKEwiws4e_itH1AhUAAAAAHQAAAAAQBA

パンチンググローブ、欧米ではバッグ・グローブ(もしくはヘヴィ・バッグ・グローブ)と呼びます。これはイメージとしては「めちゃくちゃ頑丈な手袋」ぐらいなもので、ごく簡易的な造りのグローブです。基本的に軽く作られており、拳を保護するパディング(いわゆる綿、アンコと呼ばれる部分)も薄いです。これはミットを使う練習やサンドバッグを叩く練習に用いられます。対人練習では一部の空手の流派でしか使われません。ボクシングではまず間違いなく使いません。

パンチンググローブはいまでは使う方が少なくなってきた印象ですが、一昔前まではこれが当たり前でした。
特に初心者には「パンチが拳のどのあたりに当たっているか」というのがよくわかるので、最初の練習にピッタリです。
しかし、造りが簡素なため、拳や手首を痛めやすいという欠点もあります。
だから使われにくくなったとか、安全を考慮して使わせないジムもあると言われております。

個人的にはぜひ初心者の内に使うべきグローブだと思います。
ケガをしやすいと言われますが、初心者の内にそんなビッグパンチを放てる人はほとんどいません。
後に記述するオンスグローブを最初から使うと、拳のどこで当てているのかよくわからなくなり、また、握りが甘くなってパワー・パフ・パンチャー(力は強いが当たりがパンチがフワッとする人)になりやすいです。

フィットネス目的なら特に問題はありませんが、それでも拳の当て方を最初に習得する方が後々にケガはしにくいです。
軽視されがちなグローブですが、ぜひ最初の内に購入すべき大切なグローブだと思います。


2.オンスグローブ(ボクシングスタイル)

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画像参照URL→https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fwww.ryujin.shop%2F%3Fpid%3D106069789&psig=AOvVaw3ToVrTjOerufCmnlcOuAWP&ust=1643343895890000&source=images&cd=vfe&ved=0CA0Q3YkBahcKEwjw4Jypi9H1AhUAAAAAHQAAAAAQAw

オンスグローブは一般的にイメージするボクシンググローブです。
いまはほとんどこれで練習することが多くなっています。

オンスグローブの「オンス」とは容量や重さを表す単位のことで、この場合は重さを指しています。1オンス=約28グラムです。公式試合は階級(体重)によって8オンスと10オンスを使い分けています。
子ども用や特別なグローブを除いて、一般的なグローブは8,10,12,14,16オンスに分かれています。

オンスが大きくなるほど重いということは、それだけグローブの大きさも大きくなります(一部例外もあります)。
そのためオンスが大きくなるほど拳にかかる負担は少なくなります。反対に殴る感触やパンチのスピードは落ちます。
欧米ではケガを防ぐためにほとんどの人が16オンスのグローブを使って練習します。ケガをしにくいため大柄な人でも全力でパンチを打てますし、重いので筋力トレーニングにもなります。

反対に日本では8オンスか10オンスが主流です(対人練習は14オンスがほとんどです)。
これは試合での感覚を養うためと、軽いグローブを使う方が神経系のトレーニングになるためと言われているからです。日本人は軽・中量級の人がほとんどのため、小さなオンスを使ってもケガをしにくいと言われています。
しかしそれでも欧米のボクサーからすれば拳を痛める傾向にあるそうです。
日本でもジムによっては14オンス以上を推奨するところもあるので、徐々に変わってきているようです。


3.オンスグローブ(ムエタイスタイル)

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画像参照URL→https://www.google.com/url?sa=i&url=https%3A%2F%2Fitem.rakuten.co.jp%2Ftree7%2F10000866%2F&psig=AOvVaw2Lclkcbp0WqjyKe6f6Ohh6&ust=1643344080200000&source=images&cd=vfe&ved=0CA0Q3YkBahcKEwjQh9H_i9H1AhUAAAAAHQAAAAAQAw

同じオンスグローブでもボクシングスタイルとムエタイスタイルに分かれています。大まかに言えばどちらもボクシンググローブなのですが、厳密に「造り」を見てみると明らかに違います。

ムエタイスタイルは主に親指の位置、手のひら、手の甲、手首に違いがあります。ボクシングスタイルの親指は拳の横、素手で拳を握ったらちょうど握られるような感じです。
ムエタイスタイルの親指は拳の縦、拳を握ったら親指を立てて沿うような感じです。拳の握りで言えば明らかにボクシングスタイルの方が上です。

手のひら、手の甲にもパディング(上記参照)がたくさん入っているものが多いです。手首は(マジックテープ式のもの)丸く硬い形になっていて、ボクシングスタイルに比べると少し甘いです。

こう聞くと「ムエタイスタイルのグローブは劣っているのではないか」と思われるでしょうが、違います。
これは競技性の違いです。

ムエタイはパンチではなくキックが攻撃の主流で、得点もそちらの方に入ります。そのためグローブはキックに優先されて作られているのです。

親指が縦なのはキックがしやすいから、手のひら手の甲にパディングがあるのはキックやヒジを受けるため。手首は首相撲(クリンチ)からの膝蹴りがしやすいからです。

ムエタイにおいてボクシングスタイルのグローブを使う人もいますし、逆もいますし、どちらも愛用者がいます。
しかし、ムエタイはムエタイスタイル、ボクシングはボクシングスタイルのグローブを使う方が「適切」なのです。
どちらが良い悪いではなく、競技性と自分のスタイルに合ったグローブを選ぶべきです。
キックボクシングの場合はムエタイスタイルの方が適切だと思いますが、個人の好みかも知れません。


以上のようにボクシンググローブでも大まかにわけて3つあることがわかります。
それではこの中ではどれを選べばよいかという問題です。

ひとつは、ジムで禁止されない限りは最初はパンチンググローブを購入すべきです。
そしてオンスグローブを買うならジムで指定されない限り8,10,14オンスのうちどれかを選ぶべきです。

8オンスは体重の軽い男性や女性、10オンスはだいたい60㎏以上の男性が目安です。14オンスは日本では基本的に対人戦(スパーリング)に用いられるものですが、安全を考慮するとか、ダイエット目的だとか、そちらを優先するなら14オンスが良いと思います。

それでもジムによってはルールがあるので、先ずは行きたいジムに問い合わせてみることが大切です。よっぽど本格的なジムでプロ育成が目的でない限り「普段の練習で14オンスはダメです」とは言われないと思います。


では次にマジックテープ式なのか紐式(レースアップ)なのか考えてみましょう。


1.マジックテープ式


ネットで売られている安価なボクシンググローブや(試合用ではなく)練習用とされているグローブは、ほとんどが手首をマジックテープで固定するものです(MT式なんて言い方もあります)。
MT式はとにかく便利です。

自分ひとりでグローブを付け替えできますし、固定する手間がほとんどありません。普段の練習ならば、よほどのこだわりがない限り「絶対にMT式の方が便利で楽」です。
また、安価な製品が多いです。ネットなら3000円ぐらいで「マトモな」グローブを買える事もできちゃいます。

欠点としてはMTが経年劣化によってヘタると固定しにくくなること。
特に本革のグローブなら、グローブはまだまだ使えるのにMTがヘタって買い換えなきゃならないなんてこともあります。
海外製品のMTは弱いことが多く、誤って他の生地(フェルトなど)につけてしまうとそれだけでダメになることもあります。
それでも便利で楽であることに変わりはないので、優先的にMT式を選ぶべきだと思います。


2.紐式(レースアップ)


紐式。英語だとレースアップなどと呼ばれたりもします。
これはひとりだと付け替えができなく、必ず誰かに紐を結んでもらわなくてはなりません。
ジムで練習したら誰かしらいるので結んでくれますが、毎回頼むのも気が引けます。また、ほどくのもひとりでできないので、練習中に水を飲みたい時は基本的に飲めません。

それでも紐式に魅力があるのは「高い手首の固定性能」です。
ムエタイスタイルは手首が甘いと先述しましたが紐式のムエタイスタイルグローブは違います。ほとんどボクシングスタイルと変わらないどころか、モノによっては明らかに出来がよろしいです。
手首を紐でギュッとしばったときのあの固定感はとても安心できます。

紐をゴム紐に変えるとひとりでも着脱することができるようになります。

ボクシンググローブ専門のYouTubeチャンネルである「平和拳闘」さんの考案した方法は特によいです。

ゴム紐ももちろん劣化しますが、取り換えればよいだけなのでグローブ本体が悪くなるまでずっと使えます。
しかしそれでもMT式の方が便利なので、こだわりがない限りは最初はMT式の方が便利です。

欠点らしい欠点として、基本的に紐式のグローブは「高価なことが多い」です。グローブにも「練習用」と「試合用」があるのですが、紐式はだいたい「試合用」です。
各会社の最高の技術を以て作られるグローブがほとんどなので、だいたい高いです。「練習用」のグローブを紐式で作っている所はそもそも老舗だったりちゃんとしたメーカーなので、やっぱり高いです。
最初から競技を長く続けて手間を惜しまない、という気持ちがあるのでしたら紐式は良い選択かも知れません。

それでは「高価なグローブ」と「安価なグローブ」はどちらを選べばよいでしょう。初心者の内から2万円もするボクシンググローブを買うことは気が引けます。
もちろん値段も高いですし「初心者なのに高価なグローブは不釣り合いかな……」なんて心情にもなります。

そんなことはありません。
値段も含めて「高価なグローブ」と「安価なグローブ」にはどちらもメリットとデメリットがあります。
詳しくみて行きましょう。


1.高価なグローブ


高価とは一体どれくらいを指すか迷いましたが、ここでは1万円以上するグローブを高価だと定義します。
先に言っておきますが、高価なグローブにも粗悪品はあります。
逆に安価なグローブでも値段以上にパフォーマンスを発揮するものもあります。それは後に解説する「どのメーカーのグローブを買えば良いか」で紹介しますが、この章では値段相応の良いグローブだと思ってください。

高価なグローブを買うメリットはもちろん性能が良いことです。
付け心地、殴り心地、手首の保護、拳の保護、重さのバランス、生地の材質、有名メーカー製の安心感。
どれをとっても安価なグローブに勝ります。

デメリットは高いことです。逆に言えば値段の問題さえクリアできれば高価なグローブを選ぶべきです。
「途中で挫折するかも知れないのに最初から高価なグローブは買えないよ、トホホ……」と初心者の内は思うかも知れません。
しかし、それはそれでよいのです。

たとえば日本で一番品質が良く高価なグローブの代表として「Winning(ウイニング)」というメーカーのグローブがあります。
一番安いプロ試合用8オンス(紐式)でも税込み定価で買えば新品で24200円です。
「ゲェー!高い!」と思うかもしれません。せっかくこれを買ったのに1か月で挫折して使わなくなったらもったいないですよね。
はい。

「中古フリマサイトで売ってください」

すぐに挫折したらグローブの程度は良いはずです。程度が良ければ20000円以上でも売れる場合があります。
実質、24200円の世界的に見ても高級なボクシンググローブを4200円で一か月新品レンタルできたということです。
そう思えば「実はそんなに高くないんじゃないか?」と思わせてくれます。

高価なグローブはみんな1円でも安く欲しがっています。毎日フリマサイトを見て回るボクサーもいるとかいないとか。
みんなウィンウィンなんですよ。
値段設定さえ間違えなければ商品によっては確実に売れるので、初期費用さえあれば高価なグローブは「むしろ得」です。

2.安価なグローブ


安価なグローブは値段が安いということもありますが、それ以上に「こういうのでいいんだよ、こういうので」という安心感があります。
心理的な安心感があるというのは買い物では非常に重要なことです。

しかし高価なグローブと安価なグローブには決定的な差があります。
それは握りの良し悪しだったり、パンチの感触だったり、拳の保護などだけではありません。
「使っている素材」です。

安価なもののほとんどは合成皮革です。だいたいはPU(ポリウレタン)製です。中にはマイクロファイバーレザーという新素材を使っているものもありますが、話がややこしくなるので置いときます。

後に本革と合成皮革についてのお話もしますが、先ずはPU製についてお話します。
PUは汎用性に富み、安価で、非常にすばらしい素材なのですが、欠点もあります。それは加水分解による経年劣化が激しいという点です。

難しい話なのでめちゃくちゃ簡単に書くと、本革を使用している高価なグローブに比べて秒で劣化します。
しかも使用せず保管しているだけでも劣化していきます。
週に2回の練習で1年間やったら、もうボロボロで買い換えなきゃならないのではないでしょうか。

たとえばそれが8000円のグローブだったら、3年で3回買い換えたら24000円です。
高価な本革製のボクシンググローブが買えてしまいます(本革製はよっぽど乱暴な使い方をしなければ5年くらい持つ)。
そうなると「最終的にどっちが高いのか?」というお話になってしまい、なんとも言えなくなるのです。

もちろんメリットはあります。
PU製は本革製に比べて柔らかく伸縮性に富みます。
本革製だと拳に慣らす期間というものがありますが、PU製だと最初から握りがよく使いやすい場合が多いです。
特に握力に自信のない方はPU製を選ぶとよいかもしれません。

また、悪いことばかり書きましたが合成皮革グローブは年々質が向上しており、耐久性が高いものもあります。
そうなるともちろん他の製品に比べて割高なんですがね。


高価なグローブ、安価なグローブ問題。あなたはどちらを取りますか?
ここで出て来た「本革製」と「PU製」にも言及しておきます。


1.本革製


本革製のグローブはだいたいは牛の革を使っています(一部、ヤギ革など使われてもいます)。
デメリットを先に言っておくと、高いことです。
しかし高いと言っても5000円代から本革製グローブを出しているメーカーもあるので、一概に高価だとは言い切れません。

革にもグレードがあるらしく、家具や鞄に使うような革を使用しているグローブもあり、一方でやっすい革を使っているものもあります。
ボクシンググローブを革製品として見た場合、前者の方に価値があるのでしょうが、スポーツ用品として見た場合は変わりません。
ぶっちゃけ高級なカーフスキンを使うグローブもやっすい革を使うグローブも使用感にほとんど差はありません。

最初は硬いので馴染むまで時間がかかるというのもデメリットですね。
しかし大切なのは「丈夫か、それ以外か」です。
本革製のグローブの最大のメリットは「丈夫であること」です。

天然の革は繊維が複雑に折り重なっている多重構造なので、ちょっとやそっとの衝撃では絶対に裂けません。
そして経年劣化が少ないです。20年前のグローブでも保存状態が良ければ現役バリバリで使えます。

僕はCASANOVAというメキシコ製のグローブを練習で使っていますが、これは20年以上前のものです。
何十年前のものを使うというのは珍しいことですが、それだけ丈夫だというお話です。

またこれは直接関係ない話ですが、いま本革製で限定品のグローブを買っておいて、20年後に販売すればプレミア価格がつくかもしれません。
それだけ本革製グローブが「信頼されている」という証でもあります。


2.PU製


先ほど触れたように加水分解による経年劣化が顕著です。
つまり要約すると「秒でボロボロになる」ということです。
秒、と言っても本当に秒ではありませんが、本革製に比べれば著しいです。

拳部分が本革で、手の内側がPU製というハイブリットなグローブもあるのですが、聞いたところ、差が出るようです。
拳部分はまったく何も問題ないのに、手の内側がボロボロでどうしようもないということです。
それだけ経年劣化による損傷が激しいのです。

ただ、先ほども例に挙げましたが、柔らかいので本当の初心者がはじめて使うグローブとして否定はしません。
また合成皮革の種類によっては本革よりも「耐久性があるとされている」ものもあるので一概には言えません。
しかし総合して、長い目で見て、最終的に結論を出すならば、本革の選択をおすすめします。


ここまでの話をまとめてみたいと思います。
1.パンチンググローブはぜひ購入して使って欲しい。
2.オンスグローブを買うなら入会したいジムと相談するべき。
3.オンスグローブにはボクシングスタイル・ムエタイスタイルがある。
4.余裕があるなら高価なグローブの方が後々「得」。
5.マジックテープ式のグローブが圧倒的に便利。
6.できれば本革製品のグローブを購入した方が良い。

以上です。

さらにこれに付け加えてお話するなら……。

7.日本のショッピングサイトで容易に購入できる。
を追加しておきます。

これらのことを総合して「具体的にどのグローブを買えばよいのか」をおすすめします。


「具体的にどのグローブがおすすめか」

1.パンチンググローブ


パンチンググローブのおすすめは2つあります。

No.1「タイサマイ パンチンググローブ 本革

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タイサマイはあまり聞き馴染みのない会社ですが、タイにあるムエタイ製品を製造するメーカーです。
老舗ですし、丁寧な仕事をすることでも有名です。
このパンチンググローブはボクシングよりも空手の世界で広く浸透しています。

空手の一部流派ではこのグローブをつけて練習、試合をするところがあります。僕は元々空手屋で、さらに言うとその流派に属していました。そのためこのグローブを使って練習していました。

空手屋時代からいまに至るまで10年ぐらいこのパンチンググローブを使い続けてきましたが「まだ現役」です。
パディングはもちろん少しヘタってきましたが、まだまだ使える範疇。
ものすごく「耐久年数が高い」グローブです。めちゃくちゃ頑丈です。

パッと見、他のパンチンググローブよりお高めに見えますが「元は十分に取れます」。また、パディングが一般的なものより薄めに作られているので「パンチの感触がわかりやすい」です。

最初から柔らかめなので付けた瞬間から手に馴染む感覚がします。
全く目立たないし使っている人も少ないんですが、確実に良いパンチンググローブです。

難点と言えばしっかりした本革製品なので他より少し高めであること。
そして中古で売ろうとしても(あまり有名じゃないので)適正価格では売れないことです。
使い続ける分にはこれ以上ないってくらい最高なパンチンググローブだと思います。


No.2「ウイニング パンチンググローブ スタンダードタイプ

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ウイニングはボクシングを知らない人でも聞いたことがあるメーカーかも知れません。
日本の試合ではプロアマ含めてほとんどウイニングのオンスグローブが使われています。ほとんどのボクシングジムでウイニングが使われており、ウイニング以外使わないというプロ選手もいます。

ただし、高価です。
世界的に見ても高価な部類のグローブとされ、海外では日本のボクシンググローブ=ウイニングです。しかし値段に見合うどころかそれ以上の品質は保証されます。あのパッキャオやメイウェザーjrも練習で使っています。

それではパンチンググローブはどうかと言うと、やはりウイニングの品質は高いです。
しかし「合成皮革」の製品です。あれだけ本革が良いと言っていたのになぜこれを勧めるのかと言うと、それは合成皮革の中でも「ソフリナ」と呼ばれる特殊な素材で縫製されているため、一般的なものより段違いで耐久性が高いからです。
さすがに本革に比べたらわかりませんが、一般的な合成皮革グローブを使用するより年単位で耐久性があります。

そしてウイニングの特徴である「握りが良い」ところにこのグローブの良さがあります。
他にも高価で質の良いパンチンググローブとされている商品もありますが、その中には握る際に指先が詰まって上手く握れないものもあります。
使用し続けると革が慣れてきて適切に握れるようになるのですが、最初から握りが良い方がいいに決まっています。
ウイニングのパンチンググローブは握りが良いです。初心者でもすぐ拳を作ることができます。
難点と言えば1万円を超える値段でしょうか。オンスグローブが買えてしまいます。

なお、パディングを1cm厚くし、マジックテープ式にしたデラックスタイプもあります。どちらも良いと思いますが、スタンダードタイプの方がパディングが薄いので拳の感覚は養えます。
ゴムバンド式の方が着脱のめんどうがない、というのもあります。

また、ウイニングは受注生産限定品で本革のパンチンググローブも販売していたことがあります。これはパディングが極薄く「ほぼ手袋じゃないか」と思われるぐらいで、僕も所有していますが、これはこれで良い物です。
現在では中古フリマサイトぐらいしか入手方法がありませんが、出品自体が稀です。もし見かけたらラッキーなので購入を考えても良いと思います。


2.オンスグローブ


オンスグローブのおすすめは5つあります。

Np.1「ウイニング ボクシンググローブ プロフェッショナルタイプ マジックテープ式

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パンチンググローブでも紹介したウイニングのオンスグローブです。
マジックテープ式のものは他にもありますが、プロフェッショナルタイプをおすすめします。
だいたいウイニングの魅力は先ほどお話した通りです。
「握りが良い」これにつきます。
オンスグローブに限って言えば「手首が自然な角度になる」というのもありますね。

「耐久性が高い」ことも挙げられます。
他の本革製グローブと比べても段違いで耐久性が高いです。
プロや毎日練習する方は別として、大切に手入れすれば5年は現役で使えるでしょう。

また、多くのボクシングジムでレンタルグローブとして採用されていますし、対人練習(スパーリング)でも使います。
普段からウイニングのグローブに慣れておくとギャップが少なくて良いかも知れません。

ジムによってはウイニングのグローブを割引して販売してくれるところもあります。オーダーカラーやネーム刺繍にも対応していて、自分好みのボクシンググローブを受注生産してくれるところも魅力的です。

欠点として高価であることは前提ですが、納期の長さもあります。
全て職人の手作りであること、全世界で多く注文されていることで、注文してから何か月か待つことがあります。
オーダーによっては年単位で待つこともあると聞いたことがあるので、なかなかたいへんです。すぐに手に入れたいなら在庫があるショッピングサイトを探して購入するべきです。その場合、好みのカラーなどは手に入らないこともあるので妥協してください。

中古フリマサイトでの購入は手放しにはおすすめしません。
ウイニングは精巧なコピー製品が出回っているので、なかなか判別がつきにくいです。
判別方法としてグローブのタグ(型番やロゴが入っている)を見せてもらうのもひとつです。「タグは切って捨てた」とか「タグはついていなかった」という商品は購入しない方が賢明です。
納期を待てるなら新品で買うことが最良の方法だと思います。

No.2「ウィンディ BGL 試合用グローブ(ひも式)

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ウィンディはタイのムエタイ製品メーカーです。
そのためこのグローブもムエタイスタイルになります。
マジックテープ式もおすすめですが、ひも式はさらにおすすめです。

先述の通り、ひも式のものは高価な傾向にありますが、こちらは1万円未満で購入できます。それで本革製なので超破格です。グローブ自体も「完成されている」と思わされます。
ウィンディはデザインや機能などに目新しさがありません。実直な老舗です。裁縫が本当に丁寧で頑丈なところに「粋」を感じます。
グローブに華はありませんが「機能美」は追求されており、手首のくびれた縫製などは「美しい」と思ってしまいます(ウイニングも近い感覚)。

紐式はボクシング寄りですが、マジックテープ式のものは典型的なムエタイスタイルです。マジックテープ式のものを使うならボクシングではなくキックボクシングかムエタイに使用した方が適していると思います。
ただ、ウィンディに限って言えばムエタイスタイルでもボクシングでの違和感は少ない方です。
紐式とマジックテープ式は別物と考える方が良いでしょう(他のグローブにも言えますが)。

欠点らしい欠点がない優等生グローブですが、デザインが少々男臭いです。
デザインで選ぶのをやめると言うならそれはそれで良いと思います。
デザインも機能の内ですからね。

<以下、超個人的偏見偏屈愚痴>

よくウィンディと比較されるのが兄弟会社でもあるツインズです。
世界的にもツインズのグローブの方が有名ですし売れています。

正直「個人的には」なぜツインズが売れているか「理解できません」。
愛用者の方には申し訳ないのですが、ツインズの良さが全く分かりません。

硬い革質で手に馴染むのに時間がかかるし、パディングがフワッフワでパンチを打つ心地もよくわかりません。指先が短いので握り込むのにかなり握力が必要ですし、上手に拳を作れません。

逆にそれはムエタイには適していて、ムエタイやキックボクシングで人気でよく使用されるのは理解できます。僕もキックをやっていた時に使っていた時期があります。
しかし、ボクシングで使用するメリットが見当たりません。
それでもボクシングジムでツインズを使用する方をよく見かけるので「なぜなんだー!」と思います。

僕の通うジムでも特に女性会員さんがツインズのマジックテープ式のものを使っているのを見かけます。ジムではウイニングを割引して販売しておりますが、なぜかツインズ。うん、まぁそれでもツインズの方が安いんだけど。
だけど同価格帯でもっと良いグローブはたくさんあるんだよ……という気持ちになります。

しかしツインズは「デザインの多様さ」は群を抜いております。
バツグンにカッコイイものから超絶キュートなものまで幅広いです。
あと全体的に丸い形状をしているので「かわいい」グローブではあります。
名前や価格だけで選ぶのは避けた方が良いと思いますが、デザインが気にいったならそれでよし!

ただ紐式のツインズだけは別格で良い物です。
タイ製のグローブは他のメーカーも本当に紐式の完成度が高いです。

とにかく、ツインズを買うならウィンディの方がよろしいかと思います。
ツインズの方が耐久性が高いとは聞いたことがありますが、聞いた話なので真偽はわかりません。
実直に確実に機能を追求するという方はウィンディを選んでください。


No.3「ワールドチャンプ タイガー 本革ボクシンググローブ (最高品質!)

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格闘技用品を作っているワールドチャンプのグローブです。
(最高品質!)までが商品名とされているので原文のまま紹介しています。

国内メーカーでもあまり目立たない会社なのですが、実は名グローブを多数輩出しております。その中でも一番を上げるなら間違いなくこのグローブです。価格が税込み7500円という超破格な本革製ボクシンググローブです。
もうね、おかしい。値段がおかしい。

と言う訳で「安いだけで品質は良くないんじゃな~い?」と思いまして購入しました。
10オンスの赤を購入しましたが、はっきり言います。
下手な1万円以上のグローブを買うならこっちの方が性能的にも値段的にも優れています。
正直、握り心地や打った感触など高級ボクシンググローブと比べてほぼそん色ありません。
「ウイニングは高いからこっち買うわ~」という人、ぜんぜん「アリ」だと思います。

欠点と言えば少し単調なデザインと、マイルドな打感です。
パディングが厚め&柔らかいので、拳に感じる打撃感は柔らかく感じます。
もちろんそれが良い!という方もいらっしゃるでしょうから、欠点は長所にもなります。

ワールドチャンプのグローブは他にも本革で5000円代のものがあります。
全体的に品質が高いメーカーなので、予算と相談したらそちらでもよいでしょう。


No.4「EVERLAST Powerlock スパーリング&トレーニング・ボクシンググローブ(本革製)

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エバーラストはボクシンググローブの中でも老舗中の老舗です。
世界チャンピオンを決める大会で見ない日はないくらい世界的に有名なボクシングメーカーです。
その中でもこの「パワーロック」はプロ選手の採用率が高く、練習にもよく使われています。
有名な選手で言えば村田諒太選手がこのグローブの愛用者です。

「パワーロック」の特徴はなんと言っても「握り心地」です。
もうね、他のグローブの比じゃないくらい「ギュ~~~~~~!」っと握り込めます。グローブ全体の構造もよくて、手にピタッ!と吸いつくような心地でとにかく気持ちいいです。

ただ、注意して頂きたいのはこれは「スパーリング&トレーニング用」だということです。そして「欧米のグローブ」だということです。
つまり、冒頭でお話したように、このグローブは「12オンス以上」しかありません。

8オンス、10オンスを使用したいのであれば「ファイトグローブ(試合用)」を買う必要があります。

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ファイトグローブは本物の試合に出るためのグローブですので、紐式です。
そして試合での使い切りも想定しているので、比較的に耐久力が低いです。

それでもいい!という人はぜひぜひ!ファイトグローブの方を購入してみてください!これもこれですばらしい!グローブでして、もうね、着け心地が天国ですから!
高いですが、ほんの若干少し、ウイニングよりお安いです。
ジムでウイニング被りをしたくない方にもおすすめできます。
性能自体も負けませんから。

注意していただきたいのは、本革製と合皮製があることです。
合皮製のものはAmazonでも1万円前後で購入できます。
素材が違うだけでなく生産国も違います(本革製はインド。合皮製は中国)。外側が似ているだけでほとんど別物のグローブなので、気を付けてください。

しかしマジで本革製と合皮製は見分けがつきにくい!
そんな時は親指を見てみましょう。
親指にエバーラスト社のロゴである「E」マークが「ついている方が合皮製」です。

特に中古フリマサイトでは注意すべきです。
「本革製!エバーラスト!」と商品を銘打っているのに、普通にロゴがついているものがあります。
それで合皮製のものを本革製と同じぐらいの値段で売っています。
「これは本革製で間違いないですよね?」とコメントするとだいたい無言で削除されます。
黙って近づかない方がいいです。

欠点はウイニングに次ぐくらいお高めな値段設定。
あとは8,10オンスで練習したかったら試合用を選ぶ他ない、というところでしょうか。
まぁ、14オンスで練習したらええがな。とは思いますけどね。


No.5「ZTTY ボクシンググローブ

(詳細画像は上記Amazonのリンク先から飛んで確認してください)

Amazonで爆売れ!ZTTYのボクシンググローブです。
ZTTYは中国のメーカーで略称です。
正式な名前はZHENGTUで「ゼンツー」と発音できます。
その特徴はとにかく「ザ・中華」です。

「安い!」←わかる
「素材が安いから安い!」←わかる
「大量生産してるから安い!」←わかる
「デザインはパ〇リ!」←なるほどザ・中華

という感じです。
ヴェナム(ヴェヌム)という有名なメーカーがあるんですが、このグローブの丸パ〇リデザインです。
「激しく強いオマージュ」と言い換えるとよろしいかと思います。

しかし税込み2999円!
広告も怪しい日本語でまさにザ・中華という感じです。
そんなグローブで大丈夫か?

「大丈夫だ、問題ない」
の一言に尽きます。
結論を言えば悪いグローブではなく、むしろ「この値段でこの性能は異常なくらいすごい」です。

素材はPU。安いです。
しかし構造的にしっかりしたグローブで、縫製もがっちりしています。
パディングも悪くなく、打ち心地も良好です。

「ここがスゴい!」というポイントを上げるのは難しいのですが「ここが悪い!」という所もありません。
強いて言えばPUでできているくらいのもので、しかし値段が値段だけに文句はありません。
「とにかくなんでもいいからグローブを手に入れたいんだ!」という方には打ってつけです。

値段の安さも魅力ですが、Amazonで安心安全簡単に手に入るところも良いです。ちなみにこれ以下の値段のグローブもたくさんあります。
その中には悪くないグローブもあるんですが、値段に比べてこちらが「良い出来」なのでこちらがおすすめです。

まだサービスを続けているかわかりませんが、ZTTYのグローブを買うとバンテージが無料でついてきます。
バンテージは安いものだと500円くらいで買えますが、それなりのものは確実に1000円から2000円くらいします。
そう考えるとめちゃくちゃ破格だと思いませんか?

良い商品を作る会社なので「激しく強いオマージュ」をやめてオリジナルデザインを確立した方が、売れると思うなぁ。

以上が「具体的におすすめなグローブ」でした。


他にも具体的におすすめなグローブはたくさんありますが、日本では容易に買えないものが多く、リストには入れておりません。

本革がいい、マジックテープ式がいい、などたくさん要件はありますけれど、まずは「買えなくちゃ意味がない」ですからね。

大都市に住んでいる方は「ISAMI」という格闘技専門ショップを訪れても良いでしょう。日本は全国見渡しても「実際にグローブを試着して買える店」が極端に少ないです。大部分の方はネットで恐る恐る買う訳ですから、そのアドバンテージはとても良い。

ここで上げているグローブでなくとも、結局は自分の手に合ったグローブが一番です。

ご指摘こもごもあると思いますが、まずはこのようになりました。
あなたの一番のグローブと巡り会えるようにお祈りしております。

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