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【牛島薫子のそんな資格とってドーするの④「簿記」】

【牛島薫子のそんな資格とってドーするの④「簿記」】

 現代ではどこの職場でもパソコンを使っているので、最低限のIT知識がなくてはなりません。IT知識を証明する資格としては「ITパスポート」や「基本情報技術者」などがあります。しかしIT企業やSEなどに就職するなら別として、事務系の会社員の実際はExcelやPowerPointや、せいぜいWordを扱えればよく、IT知識と言うよりoffice系ソフトのスキルが求められます。office系の技術を証明する資格として「MOS検定」(Microsoft office specialist)があって、パソコンスクールなどはこれを取得するように多く勧誘しています。
 それでは「MOS検定」を取得することは就職に有利になるかと言うと、全くそんなことはないんだぜ、というのが企業で採用担当をしている友人から聞いた話です。MOS検定を持っていたからと言って「すごいスキルがあるのね!」とはならなく「へー」くらいにしか思わないそうです。
 なぜなら企業側にとってそれは「当たり前レベル」だから、そして職場には職場の運用があるので「基本的なことができても結局は会社のやり方でやることになる」ため、邪魔とは言いませんが取得するまでもないとは思われています。
 またこれは令和コソコソ噂話なのですが「MOS持ってるやつ実際の職場で使えない説」が企業ではあるらしく、MOS持っている未経験者取るなら持っていない経験者取るよね、となるそうです。
 なお、保身ですが、僕はMOS検定はダメだとは一言も言っていません。あくまで聞いた話ですよ、というのだけは伝えておきます。

 それでは事務系で持っていて喜ばれる資格とはなにか。
「簿記」です。
「えっ、この時代に簿記!?」と思われるかも知れませんが、この時代だから簿記です。
 一部で「商業高校の生徒が取るような程度の低い資格」と思っている方もいらっしゃって、なぜか下に見られがちなのですが、簿記は高度な数学体系のひとつです。舐めてかかったらアカンぜよ。

 と言うことで、今日は「簿記」について、知っている人にも知らない人にも、まとめてご紹介させていただきます。

「簿記」は経営活動を記録・計算・整理して、経営成績と財政状態を明らかにする技能です。
 日商簿記の公式サイトでは―
「簿記を理解することによって、企業の経理事務に必要な会計知識だけではなく、財務諸表を読む力、基礎的な経営管理や分析力が身につきます。また、ビジネスの基本であるコスト感覚も身につきますので、コストを意識した仕事ができるとともに、取引先の経営状況を把握できるために、経理担当者だけではなく、全ての社会人に役立ちます
 と記されている通りに、ただ「財務管理が上手になったよ~」というだけではなく「数字(データ)で状態を把握できる」ようになるので、経験や勘という不確かなものに縛られず思考を進められるいうことです。
 そのため「平社員だから必要なくね?」と思ったり「経営とは関係ない部署にいるから必要ないよ~」と思わず、自ら分析できる力を持っていれば色々なことに気づけるのです。

「簿記」は高卒の制服組がなんか経理課でやってる仕事、と思っているクソダボダメ会社員もいますが、その高卒の制服組はあなたより高度な「分析力」を有しています。

 また先ほども言いましたが「簿記」は高度な数学体系のひとつであり、簡単な部分などひとつもないほど洗練された仕事であり、ミスも許されない超高度な作業です。「簿記」を甘く見ている社会人は後々、絶対に泣きを見ます。あなたが大学生なら今のうちに、社会人なら今すぐ、「簿記」の勉強を始めるべきです。

 それでは「簿記」の資格は何かというと、法律で定まった資格はありません。と言うのも「簿記」は国家資格ではなく「公的資格」だからです。
 国家資格は法律で定められた資格を指しますが、公的資格は大臣や官庁が認めた実際には民間団体や法人が運営する資格を指します。公的資格は国家資格には確かに見劣りしますが、信頼度では国家資格に準ずるところがあるので心配する必要はありません。
 たぶん「簿記」が国家資格になったらメチャクチャ難しくなると思うの……。

 ではどこが主催している「簿記」の資格を取ればいいかと言うと、多くの人は「日商簿記」を取得しているようです。これは日本商工会議所が主催している「簿記」の資格です。(他に全国経理教育協会が主催している「全経簿記」がありますが、簿記といえば日商簿記とイメージする人も多いようです)。どこ主催の「簿記」が良いとか悪いとかはあまり聞いたことはないのですが、テキストなども充実していますし「日商簿記」が受けやすいのではないかと思います。
「日商簿記」は1~3級、そして簿記初級・原価計算初級という資格に分かれています。基本的に社会人または就活する大学生はどこまで取ったらいいのかと言うと、一概に言えませんが、2級を目標にすると良いと思います。

 3級は商業簿記のみ扱いますが、2級からは工業簿記も試験範囲に含まれるのでどちらも応用できるのが良いでしょう。特に工業簿記は原価計算を含むため、製造業や起業家にはもしかしたら必須の勉強かも知れません。なお1級は合格すると「税理士」の受験資格が得られます。「税理士」は士業の中では受験資格が必要で、大学でも専門分野が関係したりしますが、簿記1級なら無条件で受験できます。簿記1級は「相当に難しい」のですが、文系・理系問わず合格している人がいるので努力次第で取得できる資格です。

 試験は1級以外はCBT方式があります。
 CBT方式とは会場にあるパソコンに解答を入力する方式の試験です。他の資格でもCBT方式を採用している試験もありますが、個人的にはペーパーよりなんだか緊張します。と言うか、結局は自分で計算や思考する時は紙でやって、解答の入力がキーボードやマウスって言うのがなんかめんどくさく感じるんですよ。ただCBT方式にも良い所があって、紙の試験とは違って試験問題の配送とかがないため、試験を多く開催できるんですね。
 そのため「日商簿記」の試験は開催期間が短く、地域によっては毎週・毎月やっているので「忙しくて試験が受けられな~い」ということがないんです。仕事で言い訳できないってところが素晴らしいですね。
 ペーパー試験は年に3回しかないため、2級までならCBT方式で受験しちゃった方が得だと思います。

 また「簿記」はその知名度と人気の高さから「テレビゲーム」や「ボードゲーム」にもなっています。これは各自で調べていただきたいのですが、過去にはDSソフトになっていたり、RPG風のアプリにもなっていました。いきなり数字と付き合うのは難しい!と思う方は、先ずはアプリから入門してみるのはどうでしょうか?

 散々語ってきた「簿記」ですが、僕は持っていません。
 母が1級を持っており、かつ、商業高校出身なので、過去に教えてもらったことがあったのですが「何を言っているのかわからなかった」のです。まず「勘定科目と貸方科目ってなんだよ」から始まって、実際に生活(家計)するなら単式簿記でいいじゃんと思ってしまい、ずーっと簿記に苦手意識を持っていました。
 それもそのはず。簿記3級は日本における3級の資格の中で最も難しいと言われている資格です。(誰が言っているかは知りませんが)。
 しかし、偉そうに語っておきながら資格を持っていないというのもカッコ悪いし、なにより「苦手分野があるのがたまらなく苦痛」なので、将来的に確実に取得しようと思っています。
 2級は……。いや、3級かな……。いや、初級かな……。
 1級はちょっと難易度が高いな、と思うのですよ、はい。
 そう考えると母スゲーなー、と思います。

まとめ!

「簿記」は公的資格!
数字で分析力が身に付くスキルでもあるよ!
もしかしたら社会人必須の資格かもね!
簿記は高度な数学体系。舐めたらアカンぜよ。
社会人や大学生は2級を目標にがんばろー!
CBT方式で好きな日に受けられるよ!
1級取ったら税理士も受けられるよ!

おわり

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