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「複業時代をどう生きるか?」COMEMO Night Vol.2開催レポート

11月9日にCOMEMOのリアルイベント第2弾「COMEMO Business Night Out 働き方の未来Vol.2」を開催しました。今回は「複業時代をどう生きるか?」というテーマで、約80名の参加者とともに議論しました。遅くなりましたが、イベントの模様をお伝えします。

登壇者紹介

右から、堀口ミイナさん(タレント、元三菱商事)と、西村創一朗さん(複業研究家)。モデレーターの稲着達也さん(アソビシステム株式会社エグゼクティブ・プロデューサー)。

イベントの様子をグラフィックレコーディングで記録してくれたのが、前回に続いてタムラカイさんと小針美紀さん。(こちらは小針さん↓)

なぜ今「働き方」なのか?

・会社が個人を守ってくれた時代が終わった(西村さん)
・海外でも企業が従業員の年金負担に耐え切れず破綻する時代。会社に依存する働き方から、自立した働き方にシフトを。(堀口さん)
・「働き方改革」で長時間労働が是正さると、働き手の可処分時間は増える。時間の使い道としての「副業」解禁はセットで議論が進んでいる。(西村さん)

「副業」と「複業」、どう違う?

「西村さん、複業研究家って肩書きですけど、どういうことでしょう??」という稲着さんの問いかけに、西村さんが以下のスライドを使って説明。

© HARES Inc.

・「副業」は副収入を得るのが目的。
・「複業」では、収入を得ることは結果であり、目的ではない。他者への貢献が目的。だから、NPO活動や子育て、PTA活動だって「複業」に入る。

とはいえ、大企業に所属しながら副業(複業)するには、まだまだハードルが高い様子・・・。

・三菱商事時代、本の著者としてテレビ番組出演やコラムを執筆しても、ほぼノーギャラ状態でした。(堀口さん)
・大企業では、昭和に生まれた就業規則のテンプレをもとに、いまだに「副業禁止」と書かれている場合が多い。(西村さん)
・外部のメディア活動を認めてもらうのに、判子を7つくらいもらったり、1ヶ月前に申請したりと、かなりやりにくかった。(堀口さん)

ソフトバンクなど就業規則で副業を認める企業も出ているなか、どんなスタンスで複業にのぞめばいいのでしょうか? 西村さんのアドバイスは・・・。

https://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=11&ba=1&ng=DGXLRSP459959_R11C17A0000000&scode=9984

・副業を解禁した企業の事例を見ていると、必ずファーストペンギンとなった社員がいる。たいていの場合、本業をしっかりこなしながら、プライベートの時間で複業活動をして、その活動を本業にも還元している。
・これから複業をする人も、いかに本業に還元できるか、という視点は大事。
・自分も複業の第一歩は「日刊 創一朗」という社内メルマガがきっかけ。入社1年目の通勤時間に、担当していたインターネット業界のニュース記事を100~200本読んで、その中から重要だと思う記事5~10本をピックアップしてコメントをつけて部内にシェアしていた。それがある日、ブログにしたら面白いと先輩から言われて、誰でも見れるようにブログとして公開したところ、大きな話題に。ネット業界のキーパーソンにインタビューできるようになったり、本業にも還元できた。
・複業は「自分のやりたいこと」「得意なこと」という価値観をベースにできる。そこで生まれる「つながり」とか「仲間」は、会社の外でも通用する。

会社にいながらできること、から始めればいい。

・やりたいことが社外にあるなら、まずは週に1,2時間とか出来る範囲で始めるといい。このレベルなら、いちいち会社に申告する必要はないハズ。(西村さん)
・自分も、月に300円、数千円、数万円・・・と徐々に複業を積み重ねて、結果的に起業した。まずは、小さく始めてみるといい。(西村さん)
・音楽の趣味が高じて、雑誌にディスクレビューを寄稿して、数千円もらったことがある。これも立派な複業。(稲着さん)
・趣味も自分の中で消化して満足するものと、外に開放・発信して、どんどん輪が広がっていくものがある。面白いと言ってくれる人が現れるレベルになると、他者に貢献できる複業につながっていく。(西村さん)
・自分も含めて、大企業に入る人間は多少は安定を求める気持ちがあると思う。まずは、社内の別のポストを探したり、転職するにも徹底したリサーチは大切。自分もワインが好きだからという理由で、一度ワイン業界をリサーチしたことがあったけれど、冷静に考えて踏みとどまった。(堀口さん)
・複業は現実を見るツールにもなる。憧れをもっていたけれど、実際に片足突っ込んでみると、こんなものか、と。(稲着さん)

イベントも終盤となり、Q&Aタイムに。

Q 堀口さんはどうして独立に踏み切ったのか?

・「伝える仕事」をやりたくて、あるタイミングで今所属している事務所との縁が生まれた。オリンピックもあるので、語学力をいかして思い切りチャレンジしたい。
・実は、三菱商事に入社する際には、最低でも10年は勤めるつもりでいた。しっかりビジネスの経験を積もうと考えていたけれど、自分でも想定していなかった縁が生まれた。
・それに、会社員の経験はこれから先の人生の中でまたチャレンジできること。三菱商事にいると、一度転職して「やっぱり商事がいい」と戻ってくる人がいっぱいいる。
・商社の中でも、小売業界相手の仕事はダイナミックでやりがいもあった。でも、会社の中にいては、やりたい事が思うようにできなかった。会社を辞めたことに後悔はないけど、未練はある。

Q 西村さんは経産省の働き方の研究会にも出席しているということだけど、政府や国の認識と現実にギャップはある?

(西村さん出席の経産省の研究会はこちら)

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/jinzairyoku/001_haifu.html

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sansei/jinzairyoku/jinzaizou_wg/002_haifu.html

・ズレというよりも「LIFEシフト」や「働き方シフト」を実現するために、どこから手を付けたらいいのか、議論を始めたところ。
・ただ、中間管理職の役割は大きいと感じている。これまでは、上が決めたことを部下に伝えて、管理することが仕事だった。これからは、いかにメンバーのモチベーションを引き出してパフォーマンスを上げるのか、メンターとしての役割に変わってきている。でも、今の中間管理職は自分たちがそういう指導を受けていないので、なかなかできない・・・。

Q 長時間労働を是正する「働き方改革」で、"もっと働きたい人"はどうすればいい?

・長時間労働を是正して、まずは受身で働いている人を守ることは大切。
・「時間を取り戻す」次のフェーズとして、「時間をどう投資するか」考えていけばいい。
・MBAや資格を取得するようにインプットに使うのか、複業のようにアウトプットに使うのか、それとも両方やるのか。
・"もっと働きたい人"も、会社で時間を過ごすことだけが仕事じゃなくなる。時間の使い方が上手じゃないと、むしろ出世もできなくなるかもしれない。

グラフィックレコーディングで振り返り

グラフィックレコーディングを担当した小針さんによる振り返りを、こちらにアップしています。

https://youtu.be/oZxjISLdF_g

https://youtu.be/oZxjISLdF_g

(今回も素晴らしいグラフィック&まとめ、ありがとうございます!!)

イベント後半、交流会も盛況でした!

おかげさまで、第2回のイベントも無事に終えることが出来ました。来場者の皆様、登壇者の堀口さん、西村さん、稲着さん、会場のBOOK LAB TOKYOさん、ありがとうございました!!

最後に、次回のお知らせです。

次回の第3弾では、「これからの働き方とリーダーシップ」をテーマに開催します。

COMEMOでシリコンバレー事情やイノベーションについて発信している西城洋志さん(Yamaha Motor Ventures & Laboratory Silicon Valley CEO)と、元グーグルで人材育成やリーダーシップ開発に取り組んできたピョートル・フェリクス・グジバチさん(プロノイアグループ/モティファイ株式会社 代表取締役)をお招きします。

イベント詳細・申し込みはこちらから。お待ちしています!

http://eventregist.com/e/comemo1205

http://eventregist.com/e/comemo1205

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