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ひいらぎ しろ
2023年10月20日 09:35
入梅晴さんは見ていてなかなか面白い。 彼女の生態はこれまでよく分からなかったけれど、最近分かった事をまとめて表すと「変」だ。普段は無口で、素っ気なくて、本当にただのロボットにしか見えないが、ここ最近私たちの努力により彼女の謎は解明されつつある。 最初に雨衣がふざけて行った任務、それは単純明快、尾行であった。バレない様コソコソと尾いていくと彼女はトイレへ入って行き、静かに誰かと通話している
2023年10月14日 22:18
これはごくごく普通の、よくある話である。 ただ我々学生にとってはとても興奮することだ。 それは、校舎に犬が迷い込むという偶然的イベントである。 これは毎年あるわけでは無い。もしかすると、学生の間に出くわさない人もいるかも知れない。それくらいレアなことだと私は考えている。 そう思えば、今こうして突如校舎に現れてくれた犬を見れた我々はラッキーだ。「巡ちゃん見て!運動場に犬が居るよ!」
2023年9月27日 12:37
「グゴォーーーー……」 一つだけ言っておく、図書室は眠る場所ではない。 しかし私の真横では正しく今大いびきをかいている怪獣がいる。 その爆睡する怪獣を起こそうか迷い、少し考える。周りには迷惑そうにする生徒の視線。 こんなに見られてしまっては起こす他あるまい。「雨衣、起きて。……起きてってば。」 肩を叩き声を掛けるが、なかなか起きないので今度は目一杯激しく揺すってみた。「グゥ
2023年9月24日 22:39
……なんてこった、私の傘がない。 確かに朝持ってきた。そしてこの傘立てに立て掛けておいた。けれども無い。「くー、やられちまったかぁー!」 水無月雨衣、十四歳、下駄箱にて絶望。 今日は午前は快晴、午後から雨の予報だった。それは当たり、なんなら大粒の雨が降り注いでいた。いわゆる土砂降りである。 この中を傘なしで帰れって?そんな話があってたまるかってんでぃ。こちとら律儀にビニール傘を持
2023年9月8日 11:39
私はズルをした。 「ズルをした」といっても、大袈裟なものでは無いし、誰でもするような些細なことだ。例えば、道に落ちていた小銭で駄菓子を買ってしまうとか。そういう感覚のもの。 誰にも責められはしないけれど、なんだか心の中がモヤついて仕方ないというか、神様はそれを見ていていつか誰かに怒られるような気がする、というか。「……それで、何をしたんだい?」 誰も居なくなった教室で質問