【提言】本気で景気を回復させるための経済対策

ウクライナ戦争に端を発した世界的な物価上昇、各種社会保険料の負担など、最近の日本では生活が苦しいという声があちこちから聞こえてくる。
国民の生活を少しでも楽にするため、そして景気を回復させるため、岸田首相は所得税の減税を検討しているようだ。

だが、はっきり言うが、こんなことで日本の景気は良くなどならない。
そもそも、バブル崩壊に始まる「失われた30年」などと言う言葉の通り、阪神大震災、米同時多発テロ、リーマンショック、東日本大震災、コロナ禍、ウクライナ戦争など、国内外の天災・戦災によって日本の景気は低空飛行を続けてきた。
こんな状態が何十年も続く中、ちょっとばかり減税をしたところで、みんな将来への不安から貯金するだけである。それは、コロナ禍のときの定額給付金10万円が景気回復にほとんど役立たなかったことを見れば明白である。

景気とは、文字通り「気分」「雰囲気」である。日本国民が「景気がいい」「将来は安泰だ」と思えばみんな気前よく金を使うようになり、その結果本当に景気が良くなる。逆にそう思わなければ、金を使わず貯金して本当に景気が悪くなる。
そして、長引く不況、少子高齢化による将来不安、そんな状況で「景気がいい」と考える日本国民は少ないだろう。それでは減税や定額給付金など焼け石に水である。
ではどうすれば本当に景気が回復するのだろうか?

その方法とは、減税でも定額給付金でもいい。とにかく国民の手元に入る金が増えるような政策を実施して、「1年後にGDPが3%以上成長していたら、この政策を来年以降も続けます。成長率がそれに達しなければ来年以降はやめます」と発表することだ。

国民の立場になれば、減税や給付金は1年限りではなく、来年も再来年もずっと続けて欲しいと思うのが当然である。それなら、手元に入った金を貯金するより、GDPを成長させるため、景気を良くするために使おうと思うはずである。
見方を変えれば、GDPが成長しなければ、その政策には景気を回復させる効果がなかったということなので、そんな政策はむしろ廃止すべきである。

ちなみにこの論理は、少子化対策の政策を立案するときにも当てはまる。「こういう少子化対策をしますが、出生率が1.5以上にならなければ廃止します」と発表して、実際に出生率が上がれば狙い通りだし、上がらなければ無意味な政策なのだから廃止すればいいのである。

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