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Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew

2021 Winter Selection(1月18日〜2月28日)

橋本徹(SUBURBIA)を始めとする
「usen for Cafe Apres-midi」の選曲家17人が
それぞれのセレクトした音楽への思いを綴る
「Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew」

詳しい放送内容はこちら
D-03 usen for Cafe Apres-midi
http://music.usen.com/channel/d03/



橋本徹(「usen for Cafe Apres-midi」プロデューサー) Toru Hashimoto

これまでに経験したことのない苦難・困難に見舞われた2020年が終わり、2021年が始まりました。「usen for Cafe Apres-midi」のファースト・セレクションは、そんな時代でも冬の街並みやそこに生きる人々の心象風景をハートウォームに彩ることができたら、という希いや思いをこめて、メロウ&グルーヴィーで心地よい楽曲を中心に、今回も計34時間分を選曲しています。
Twilight-timeの特集は月〜日を通して、2020年のベスト・トラック720曲(曲目リストはカフェ・アプレミディのホームページをご覧ください)をシャッフル・プレイ放送で。そのうちの大半は、Spotifyプレイリスト「2020 Best Tracks 720 selected by Toru Hashimoto (SUBURBIA)」でも聴くことができます。
昨年暮れから今年初めにかけてのニュー・アライヴァルも相変わらず大充実。とりわけ南の国は年末年始も関係ないのか、アフリカ〜ラテン・アメリカ勢が空前の大豊作です。そんな傾向も反映された、特に気に入った36作のジャケットを掲載しておきますので、その中身の素晴らしさにもぜひ触れていただけたら嬉しいです。新しい一年も、素敵な音楽との出会いをお届けしていきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします!

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James Blake『Covers』
Flanafi『Do You Have My Money?』
Madlib + Four Tet『Sound Ancestors』
Puma Blue『In Praise Of Shadows』
SPAZA『UPRIZE! (Original Motion Picture Soundtrack)』
V.A.『Indaba Is』
Flex Of He & I『Peace Is Of A Struggle』
John Roseboro『Homage』
Sun-El Musician『To The World & Beyond』
V.A.『Stand Up』
Tekno『Old Romance』
LA Timpa『Modern Antics In A Deserted Place』
Les Mamans Du Congo & Rrobin『Les Mamans Du Congo & Rrobin』
Gretchen Parlato『Flor』
Dezron Douglas & Brandee Younger『Force Majeure』
Jazmine Sullivan『Heaux Tales』
Fat Night『Live For Each Other』
Tomi Agape『Never Gunna Be The Same』
Salami Rose Joe Louis『Chapters Of Zdenka』
Nicholas Krgovich & Friends『Pasadena Afternoon』
Sun Kil Moon『Welcome To Sparks, Nevada』
Ben Harper『Winter Is For Lovers』
Jono McCleery『Here I Am And There You Are』
CARM『CARM』
GODTET『III』
Alejandro Franov『Baobabs』
Carlos Aguirre & Yotam Silberstein『En el jardín』
Nicolás Lapine『Lo Que Tenga Que Durar El Mundo』
Nicolás Carou『Antes, último』
Moons『Blood On Canvas』
Nair Mirabrat『Juntos Ahora』
Benjamim Taubkin & Rodrigo Bragança『Sobrevoo』
Silva『Cinco』
Celso Fonseca & Ronaldo Bastos『Mágica』
Antonino Restuccia『Otro Camino』
Lucas Delgado『La Punta De L'iceberg』

Dinner-time 土曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 日曜日0:00~10:00
Brunch-time 月曜日10:00~12:00
Brunch-time 火曜日10:00~12:00
Brunch-time 水曜日10:00~12:00
Brunch-time 木曜日10:00~12:00
特集 月曜日16:00~18:00
特集 火曜日16:00~18:00
特集 水曜日16:00~18:00
特集 木曜日16:00~18:00
特集 金曜日16:00~18:00
特集 土曜日16:00~18:00
特集 日曜日16:00~18:00



本多義明(「usen for Cafe Apres-midi」ディレクター) Yoshiaki Honda

ローファイ・ヒップホップを普段よく好んで聴いているわけではありませんが、このJoey Pecoraro(ジョーイ・ペコラロ)というアーティストの『Sea Monster』は好きで、2021年の冬のセレクションに何曲か選曲しました。早春や初夏にも良さそうですが、曲によってはけっこうサウンドが冬っぽくて、ほのかに暖かみもあり、エレクトロニカのような細かな音の粒が心地よかったので、冬の情景に合う一枚としてもおすすめです。

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Joey Pecoraro『Sea Monster』

Lunch-time~Tea-time 木曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 金曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 土曜日12:00~16:00
Lunch-time~Tea-time 日曜日12:00~16:00



中村智昭 Tomoaki Nakamura

かのライ・クーダーの息子、ホアキン・クーダーによる「Come Along Buddy」という楽曲が素晴らしすぎる。アメリカン・ルーツ・ミュージックの源流とも言われるアンクル・デイヴ・メイコンへの現代的オマージュであるアルバム『Over That Road I'm Bound』において、それはとりわけ優しい。またしても厳しい局面を迎えようとしている現コロナウイルス禍の2021年最初のセレクションは、2020年に聴いていた楽曲たちをもう一度あらためてテーブルに並べ、丁寧に振り返りながら選曲した。音楽と共にある貴方の暮らしが健やかで、穏やかなものでありますよう、心から祈りながら。

2021wtr_中村

Joachim Cooder『Over That Road I'm Bound』

Dinner-time 月曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 火曜日0:00~2:00



添田和幸 Kazuyuki Soeta

今年最初のウィンター・セレクション。個人的には厄年も抜け、気持ちを新たにグッド・ミュージックを紹介できればと思っています。リスナーの皆さん、2021年もよろしくお願いします。

2021_wtr_添田

Nicolas Michaux『Amour Colère』
Tom Sanders『Only Magic』
Flanafi『Do You Have My Money?』
青葉市子『アダンの風』
River Crombie『Reaching Out Again』
Jono McCleery『Here I Am And There You Are』
Rapt『None Of This Will Matter』
Scott Orr「Do You?」
Dekker『Slow Reveal: Chapter One』
Saint Saviour『Tomorrow Again』
Nacho Casado『Amor, Música & Lágrimas』
Bachar Mar-Khalifé『On / Off』
Jarrett Cherner & Sarah Elizabeth Charles『Tone』
Salami Rose Joe Louis『Chapters Of Zdenka』
Brigt『Tenderly』
R-kay『Ivory』
Johnny Martian「Elizabeth Knows」
Dezron Douglas & Brandee Younger『Force Majeure』
Carmody『My Jupiter』
World Standard『色彩音楽』
Spencer Zahn『Sunday Painter』
Mateo Kingman『Astro Reescrituras』
Ana Roxanne『Because Of A Flower』
Josiah Steinbrick『Liquid / Devotion & Tongue Street Blue』

Dinner-time 火曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 水曜日0:00~2:00



中上修作 Shusaku Nakagami

年があらたまりました。昨年からの災禍はひどくなるばかりで終息にはまだほど遠い印象ですが、こんな内向きな姿勢にならざるを得ないときこそ、好きな音楽でも聴きながら充電したいものです。

Akisaiを主宰する二人、鈴木要と中家紘一の眼にはこの災禍がどのように映っているのだろう。この、きわめて映像的な音楽は、「空間」という概念をつよく意識し制作されたとおもわれるが、空間を意識すればするほど壁や天井から音が漏れて拡がっていき、最後には空間自体が融けてなくなるようなような印象を受けるのは不可思議なことだ。

不可思議、という言葉はもともと数をしめす単位で、一、十、百、千、万という単位のほぼ最終系が「無量大数」。不可思議はそのつぎに高い値とされているが、きわめて永いゼロの羅列の先にはなにが存在するのだろう。数という概念は人類が生んだものだが、ときに地球に棲むわれわれを無力にする。しかし無力でさえも我々に与えられた「可能性」のひとつだ。Akisaiの音楽には、有のはるか先にある無力を先取りしたような、限りなく透明な世界が拡がっている。

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Akisai『re:consideration』

Dinner-time 水曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 木曜日0:00~2:00



髙木慶太 Keita Takagi

平均気温がマイナス5℃を記録する冬のシカゴ。寒さに慣れたはずの彼の地出身のハウス・レジェンド、リル・ルイスにとっても、成功の証であったはずのニューヨークでの冬はおそらく孤独と背中合わせのものだったのだろう。そうでなければこんな名盤は生まれない。

2021_wtr_高木

Lil' Louis & The World『Journey With The Lonely』

Dinner-time 木曜日18:00~24:00
Cafe Apres-minuit 金曜日0:00~2:00



FAT MASA

南アフリカ出身、13歳のマルチ・プレイヤーJustin Lee Schultzのデビュー・アルバムに収録された、スティーヴィー・ワンダーのカヴァー「Do I Do」が秀逸。
Dirty Loopsを思わせるようなテクニカルな演奏とヴォーカル・パートをヴォコーダーで見事にこなし、途中「Isn't She Lovely」をはさむところまで素晴らしい。
クインシー・ジョーンズお墨付きなのも納得してしまう。他の楽曲も、ボブ・ジェイムスが参加していたり、フォー・プレイのようないわゆるスムース・ジャズ的なアプローチ中心もあって、13歳とは思えないパフォーマンスの連続に驚かされてしまいます。
僕が13歳のときは、ドラム・セットを叩くことも叶わず、ひたすら読み古した週刊漫画誌にスティック打ち込む日々でした(笑)。
こちらもアナログ盤リリースを切に願う一枚です。

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Justin Lee Schultz『Gruv Kid』

Brunch-time 金曜日10:00~12:00



三谷昌平 Shohei Mitani

あけましておめでとうございます。
年はあらたまりましたが、未だに新型コロナウイルス感染症の拡大が収まらず、一刻も早い終息を願うばかりです。
さて2021年最初の本セレクションからは、ローファイなサウンドが魅力の2作品をピックアップしてご紹介させていただきます。
まずはLAのキーボード奏者で、自身のビッグ・バンドでも活動するジェイコブ・マンの『106』です。ジャケットにもなっているローランドのアナログ・シンセ名機、JUNO-106のみで作られたオリジナリティーに溢れた作品となっています。本セレクションではアルバムの冒頭を飾る「Pier Walk」をセレクトさせていただきました。アナログ・シンセの暖かいサウンドで奏でられる美しいメロディーが印象的な曲です。
もう1枚はオランダのマルチ奏者、Eelco Topperのソロ・プロジェクト、Felbmのセカンド・アルバム『Tape 3』です。アンビエント、ボサノヴァ、ジャズ、イージー・リスニング等からインスピレイションを受けたノスタルジックなサウンドが魅力の作品です。本セレクションでは「Filatelie」をセレクトさせていただきました。軽やかなタッチのピアノと抑制の効いたビートが心地よい曲です。興味のある方はぜひアルバムも聴いてみてください。
おかげさまで「usen for Cafe Apres-midi」も20周年を迎えます。引き続き皆さまの生活の一助になるような選曲を心掛けてまいりますので、ご愛顧賜りますようお願い申し上げます。

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Jacob Mann『106』
Felbm『Tape 3』

Dinner-time 金曜日18:00~22:00



渡辺裕介 Yusuke Watanabe

新たな年のスタート。いろいろな状況のなか年を越えてきました。
今年も過去にない状況のなか過ごしていく。
そんなときでもいつも隣に、耳の中、脳内、空間すべてに音楽が溢れております。
まだまだ音楽は深く、とてもじゃないですが、「音楽聴かなくなったわ」っていう寂しい会話にはならないですね。
大好きな1950年代から2000年までの50年でも、まだまだ知らない音楽は世界中に埋もれております。
ので、今年もあらゆる国の音楽の旅へ。
とその前に、デビューから心を奪われ続けているハンナ・レイドの力強くも女性らしく心地よい歌声にミニマルなビートと心地よいエレクトリック・ギター。ロンドン・グラマーのアルバム・リリースで2021年スロウ・スタート。
雪どけの頃にはヨーロッパを縦断している頃です。
Eishan Ensembleのようなペルシャン・ジャズにどっぷり浸かりたいです。
今年も素晴らしい音楽に出逢えますように。

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London Grammar『Californian Soil』
CATT『Why, Why』
Prep『Prep』
Eishan Ensemble feat. Hamed Sadeghi『Afternoon Tea At Six』

Dinner-time 金曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 土曜日0:00~2:00



富永珠梨 Juri Tominaga

2021 Winter Selection ベストワンには、Adrianne Lenker『Songs』をセレクトしました。この作品は、彼女がフロント・ウーマンをつとめるバンド、ビッグ・シーフのワールド・ツアーがコロナの影響で中止になったのを機に制作されたアルバムです。マサチューセッツの山小屋で、友人のエンジニアと二人、アコースティック・ギターと歌、そしてハーフ・インチのテープレコーダーや8トラなど、アナログ機材を使用し3週間かけてレコーディングされました。雨や風の音、ギシギシと軋むデッキチェアの音、虫の羽音など山小屋周辺の環境音がそのまま収録されているので、なんだか聴いているこちらも、彼らと一緒に山小屋暮らしを楽しんでいるような気分に浸れます。彼女の美しくもナイーヴな歌声を、やさしく包み込むまろやかに響く牧歌的なギターと、思わず口ずさみたくなる、古い民謡のような親しみやすいメロディー。気を張らずにゆったりと耳を預けられる心和むアルバムです。冬のステイホーム・ミュージックにぜひ。

2021年も「usen for Cafe Apres-midi」を聴いてくださる皆さまの、日常に寄り添えるような、心晴れやかになれる音楽を、ひとつひとつ丁寧に紡いでゆけたらと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

2021_wtr_珠梨

Adrianne Lenker『Songs』

Brunch-time 土曜日10:00~12:00



小林恭 Takashi Kobayashi

昨年はライヴに行く機会も少なく家にいる時間も多かったと思いますが、自宅で「usen for Cafe Apres-midi」を愛聴してくださっている方から、ありがたみを感じるなど暖かいお言葉をいただけてモティヴェイションが上がりました。
今年も心に響く素晴らしい曲を届けていきたいと思いますので、「usen for Cafe Apres-midi」をどうぞご贔屓ください。

今回、選曲したBen Wendelの「Less」を聴くと、静寂な雪景色が浮かんできます。
冬になるとたまらなく聴きたくなるソウルフルなオートチューンの多重録音アカペラ、Bon Iverの「Woods」も同じような光景が浮かんできます。
そんな僕の中で真冬を象徴するような曲の間に、ソフトでメロウな部屋の温度を優しく温めてくれる素晴らしい楽曲を並べてみました。
もう少し部屋にいる時間が長くなりそうな、そんな暮らしのおともになれれば嬉しいです。

2021_wtr_小林

Ben Wendel『High Heart』
Alecia Renece「Sing (La La La)」
Stav Goldberg『Songs』
Gaidaa『Overture』
Flanafi『Do You Have My Money?』
Simmy『Tugela Fairy (Made Of Stars)』
Jarrod Lawson『Be The Change』
Junior Taurus『Back To Love』
Bon Iver『Blood Bank』
Rosie Frater-Taylor「Better Days」
Jono McCleery『Here I Am And There You Are』

Dinner-time 土曜日18:00~22:00



ヒロチカーノ hirochikano

2021年新春第一弾となる今シーズンの選曲開始にあたり、改めて“現在進行形の街音”というテーマを念頭に、文脈や知識にとらわれずに、今年も“音”を聴いて自分の心に素直に響いた楽曲をお届けしたいと思います。そんな新年最初に紹介するのは、フリー・ソウルやカフェ・アプレミディのファンならそのイントロのコーラスに誰もが一度は心を奪われたアレサ・フランクリンの名曲クラシック「Day Dreaming」のエッセンスを見事に現代進行形のサウンドとして昇華させてくれたミラクルなトラックを。今の世界をとりまくこの状況とシンクロして、脱力感の中でループし続ける「Daydreaming I'm thinking of you」の歌詞が心に刺さります。

2021_wtr_野村

Easy Life「Daydreams」

Brunch-time 日曜日10:00~12:00



吉本宏 Hiroshi Yoshimoto

アコースティック・ギターに導かれる柔らかな歌は、やがて小さな希望を見つけて光が射す方向にゆっくりと歩みを始めるように穏やかに響き始める。ニューヨークのシンガー・ソングライターJason PerrilloのプロジェクトAZWEL。その切なさを秘めた歌心が乾いた胸の奥に染み入る。もうじきリリースされる、シングル曲「The Seven Day Drought」を収めたアルバムが、その切なさの理由を明らかにしてくれるだろうか。

2021_wtr_吉本

AZWEL『XV』

Dinner-time 日曜日18:00~22:00



高橋孝治 Koji Takahashi

世界中がコロナ・ショックに見舞われた2020年が終わり、新たな年が始まりました。先月には、欧米でワクチンの接種が始まり、まずは医療従事者や高齢者が接種を受けはじめたとのことで、真っ暗闇だった世界に一筋の光明が射し込みました。ある医療関係者の話で「新型コロナウイルスのパンデミックが始まった当初、1年以内にワクチン接種が始まるとは想像もしなかった。中間報告とはいえ、これだけ有効なワクチンの接種が1年以内に始まったのは、これまでのワクチン開発の常識で考えると奇跡に近い」という発言が紹介されていましたが、この奇跡によって2021年が多くの人にとって、明るい良い年になることを祈るばかりです。

2021年の幕開けはSONOやHelios名義でもリリースするキース・ケニフによるピアノ・プロジェクト、Goldmundの新作『The Time It Takes』よりセレクトした「For A Time」をイントロに、カリフォルニア州オークランドを拠点に活動し、Toro y Moiや、Poolside、U.S. Girlsなどのバンドにパーカッショニストとして参加していたBrijean Murphyによるプロジェクト、Brijeanの2月にリリース予定のデビュー・フル・アルバム『Feelings』より先行シングルとしてリリースされた「Day Dreaming」をピックアップしてスタート。続いてニューヨーク出身のアーティスト、ハリソン・リプトンがそのニューヨークへの想いを綴ったラヴレターと表現した「Happiness!?」、ナッシュヴィル出身のロック・デュオ、Kiosの最新作「Felt Like Heaven」、フランスはレンヌ出身のインディー・ポップ・バンド Born Idiotの昨年11月にリリースしたアルバム『Full Time Bored』収録のタイトル・ソング、カナダ出身の女性シンガー・ソングライター、アリシア・クララの2月にリリース予定のEP『Outsider/Unusual』より先行シングルとして公開された「Five」などをセレクト。ディナータイム後半は9月にアルバム『Galore』をリリースすると、フィジカル・フォーマットのレコードとカセットが即完売してしまったフランスのエレクトロニック・ポップ・アーティスト Oklouの「Another Night」からスタートし、ロンドン出身の3人組、ナイト・テープスの新作EP『Download Spirit』収録の「Fever Dream Kids」、カナダの人気インディー・ポップ・バンド Men I Trustが約1年ぶりにリリースしたニュー・シングル「Lucky Sue」、カリフォルニア州サンフランシスコを拠点に活動するインディー・ポップ・バンド、フレンチ・カセットが12月にリリースしたニュー・アルバム『Rolodex』収録の「Santa Cruz Tomorrow」などをピックアップ。そしてこのセレクションでは今や常連となったカナダはオンタリオ州出身のアーティスト、Jaguar Sunによるバッファロー・スプリングフィールドの名曲カヴァー「For What It's Worth」は、今回のセレクションの中でも特にお気に入りのナンバーです。

ミッドナイト・スペシャルは今年も引き続きディナータイム同様、コロナが落ち着くまでの決めごととした新譜中心のセレクションをお贈りするつもりですが、まずはシアトルを拠点に活動するインディー・ポップ・デュオ、ビーチ・ヴァケイションの「Break The Ice」を皮切りに、ノルウェイ王国の首都にして最大の都市であるオスロ出身で、現在はリヴァプールを拠点に活動するエレクトロニック・ポップ・アーティストのSKIAが昨年の11月にリリースした新曲 「Feeling Fine」や、ペンシルヴェニア州ピッツバーグ出身のWwomanと名乗る男性アーティストのメロウでスウィートなナンバー「I Want You Back」、ユタ州はプロボ出身の女性シンガー・ソングライター、 Goldmythの新曲「Isn't It Easy」、カナダのシンガー・ソングライター、ダニエラ・アンドラーデが昨年9月にリリースした新作EP『Nothing Much Much Has Changed, I Don’t Feel The Same』の収録曲「Alone」を前半にセレクト。ミッドナイト・スペシャル後半はユタ州で活動するford.と名乗るアーティストが、ブルックリンの男女5人組ドリームポップ・バンドBarrieとタッグを組んでリリースした「4​:​38am」や、ロンドンのドリーム・ポップ・デュオStill Cornersの1月にリリースされたばかりのニュー・アルバム『The Last Exit』収録の「Crying」、ロンドンの女性シンガー・ソングライター、ビーバドゥービーのデビュー・アルバム『Fake It Flowers』収録曲「Further Away」、ジャパニーズ・ブレックファストのMichelle Zaunerとクライングのライアン・ギャロウェイが、ロックダウン中にリモートでタッグを組み、昨年9月にリリースしたEP『Pop Songs 2020』のオープニング・ナンバー「You Can Get It」、テネシー州ナッシュヴィル出身のインディー・ロック・デュオ、キープスのニュー・アルバム『Affectianado』収録曲「New Day」、ニューヨークで活動する男女デュオ、ウィドウスピークのミスティック・フォークな「Jeannie」などをセレクト。今回のセレクションも良質な作品が満載なので、その中にもし気になる作品がありましたら、ぜひそのアーティストをチェックして、その他の作品にも触れてほしいと思います。

さて、通常の生活なら多くの人が年末年始にいろいろと楽しい予定を立てて忙しい日々を送っていたのでしょうが、2020年から2021年にかけては「不要不急の外出自粛」が呼びかけられ、静かに家で過ごしていたという方がほとんどではなかったでしょうか? かくいう自分もどこにも出かけることなく自宅でおとなしくしていたのですが、相変わらず好きな映画を細かく検証するなど、根暗全開な引きこもり生活を送っておりました。ちょっと前のセレクター・コメントでも世界に多くのファンを持つジョージ・A. ロメロ監督の傑作映画『ゾンビ』の数あるヴァージョン違いの中から、1980年10月16日に『木曜洋画劇場』で放送された通称『サスペリア版』と呼ばれる日本語吹き替え放送を徹底的に検証しましたが、このヴァージョンには多くのファンがいるので、ネットの中にも同じことをしている人がいるんですね。しかし正月休み中に徹底検証した別の映画に関しては、こちらも世界中に多くのファンが存在するにもかかわらず、今回自分が発見した驚くべき事実に言及したものを見つけることはできませんでした。もしかしたら一番乗りでこの事実に気づいたのではないかと思い、発見時には少々興奮しておりました(笑)。
その映画は何かといいますと、1980年に制作されたスタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』です。この映画は3つのヴァージョンが存在するというのはファンの中では有名な話で、まず第1のヴァージョンとして挙げられるのは、プレミア・ショウで上映された146分の「オリジナル・ヴァージョン」です。次に北米での一般公開に際し、シーンが少しカットされた143分ヴァージョンが作られ、最後に日本を含む外国向けに、さらに多くのシーンをカットした119分のコンチネンタル・ヴァージョンが作られました。キューブリックという人物が映画に対する強いこだわりを持った完璧主義者だということは今更説明することではありませんが、編集にはキューブリックの繊細なこだわりが施され、北米公開版とコンチネンタル・ヴァージョンにはそれぞれの良さがあり、どちらのヴァージョンもファンから愛されている作品となっています。そしてキューブリックが英語圏以外で公開されるときの字幕に対しても細かいチェックを入れることは有名な話ですが、もちろん日本語の吹き替え放送にもキューブリックからの細かい要望があり、放送がお蔵入りになってしまった『フルメタル・ジャケット』の日本語吹き替え制作時の逸話はファンには語り草となっています。近年になってようやくその『フルメタル・ジャケット』と『2001年宇宙の旅』のブルーレイに日本語吹き替えが収録されましたが、これは映画ファンの間でかなり話題になりましたね。
そしてこの『シャイニング』なのですが、この映画にも日本語吹き替えは存在します。それは1996年11月14日にテレビ東京系の『木曜洋画劇場』で放送するために制作されたものですが、残念ながらこれはいまだにソフト化はされていません。一昨年に長らく廃盤状態だった北米公開版(今回の時間表記は144分)が、4K ULTRA HDという新しい仕様でブルーレイ化されファンには嬉しいリリースとなりましたが、残念ながらこの商品にも吹き替え音声は収録されませんでした。
さて、ここからが本題です。コロナ禍以降、日本語吹き替え放送に興味を持ち、前述した『ゾンビ』をはじめ、いろいろな映画のTV放送ヴァージョンを検証してきたのですが、正月休みにこの『シャイニング』の『木曜洋画劇場』版を手に入れたのでさっそく検証をしてみました。当時の放送はノーカット特別放送だったということと、ノーカットとうたいながら映画開始早々35秒くらいのシーンがカットされていることをこの映画のファンの方がネットにアップしていたので、それをチェックするくらいの軽い気持ちで検証を始めました。しかし検証を進めていくと驚くべき事実が判明したのです。映画の鑑賞を始めると、やはりファンの方の指摘通り、開始3分すぎの面接のシーンにちょっとしたカットが施されていました。そして思っていた通り、そこからは日本での劇場公開版と同じ展開になっていたので、コンチネンタル・ヴァージョンに日本語吹き替えを載せたものが『木曜洋画劇場』版だろうと鑑賞を続けました。しかししばらくすると異変に気がつきました。“1ヵ月後”というテロップが流れた後の展開が、シーンカットを施していない北米公開ヴァージョンの展開になっていたのです。その後も数か所同じような場面があり(ジャックが無線機を破壊してから、ハロランがホテルに向かうまでの展開など)この『木曜洋画劇場』版は北米公開ヴァージョンとコンチネンタル・ヴァージョンの中間のような編集になっていることに気がついたのです。どのような経緯でこのような形になったのかは不思議ですが、これは完璧主義者のキューブリック作品においてかなりレアなケースではないでしょうか。あくまでも推測ですが、このヴァージョンはコンチネンタル・ヴァージョンの制作途中の映像のような気がします。そしてこの『木曜洋画劇場』版『シャイニング』は、もしかしたら日本だけに存在するマニアにとってはとても貴重なお宝映像かもしれません……。

2021_wtr_高橋

Goldmund『The Time It Takes』
Brijean「Day Dreaming」
Harrison Lipton「Happiness!?」
Kios「Felt Like Heaven」
Oklou「Another Night」
Night Tapes『Download Spirit』
Men I Trust「Lucky Sue」
Jaguar Sun「For What It's Worth」
Beach Vacation「Break The Ice」
SKIA「Feeling Fine」
Wwoman「I Want You Back」
Goldmyth「Isn't It Easy」
ford. 『The Color Of Nothing』
Still Corners『The Last Exit』
Beabadoobee『Fake It Flowers』
Keeps『Affectianado』

Dinner-time 日曜日22:00~24:00
Cafe Apres-minuit 月曜日0:00~2:00



山本勇樹 Yuuki Yamamoto

本年もどうぞよろしくお願いいたします。新しい年を迎え、今年もどんな音楽に出会えるのかなと、わくわくする気持ちでいっぱいです。今年も引き続き、新型コロナウイルスの影響で大変な毎日になりそうですが、少しでも、皆さんが生活の中で、優しい光と爽やかな風を感じられるような、選曲ができればと思います。さて、新年一発目はそんな気持ちを込めて、冬の寒さを和らげてくれるような、ハートウォーミングな楽曲を選んでみました。ランチタイムからティータイムにぴったりの、心が弾むような軽やかな女性ジャズ・ヴォーカルやブラジリアン・ジャズ、夕暮れ前にゆったり聴きたいメロウなシンガー・ソングライターなど、冬の柔らかい陽射しをイメージしています。その中でもイチオシなのが、アトランタ生まれ、福岡在住のシンガー・ソングライター、アレックス・スティーヴンスによる「Jammin’ Low」です。待ち遠しい春を感じさせる、ポジティヴでグルーヴ感溢れるフォーキーな一曲です。

2021_wtr_山本

Alex Stevens『IMARI』

Lunch-time~Tea-time 月曜日12:00~16:00



武田誠 Makoto Takeda

冷たく澄んだ冬空と静かな街並みの風景を想い選曲するWinter Selection、今回はミニマルなアンサンブルが冬の息づかいのように心落ちつかせる、Fabiano do NascimentoのTiny Desk At Homeヴァージョン「Nanã」を冒頭に置き、楽曲を構成してみました。
2021年、また新たに生みだされる音楽との出会いを楽しみにしながらも、このおさまりきらないコロナ禍という中で表現されるもの(それと過去の作品との新たな出会いも含め)がどんなかたちで自分に響いてくるのか、そしてそれによって自分がどう変わっていくのか、そんなことを頭のメンテナンスとして時間をかけてゆっくりと考えながら、誰かのテキストではなく自分の言葉としてアウトプットしていけたらいいですね、はい。

2021_wtr_武田

Fabiano do Nascimento feat. Pablo Calogero & Tiki Pasillas『Partido Alto』
The Staves『Good Woman』
Freak Slug『Videos』
Somni『Beats Vol.1』
Midnight Sister『Painting The Roses』
Angelo Wolf『ERA』
Fabricio Robles『Puentes』
Nicholas Krgovich & Friends『Pasadena Afternoon』

Lunch-time~Tea-time 火曜日12:00~16:00



waltzanova

あけましておめでとうございます。2021年が始まりましたね。昨年はコロナ禍で本当に大変な年でした。このコメントを書いている時点では特に東京を中心に感染が急拡大しているのですが、今年は少しでも状況が良くなるよう、心から祈っています。

さて、ベスト・セレクションを経ての2021 Winter Selectionは、この季節に似合うハートウォームでメロウなジャジー・ソウルだったり、逆に冬の散歩道のようなフォークやジャズだったり、充実した作品が多かった昨年の名曲だったりを並べて構成してみました。

そんな中での今回のソング・オブ・ザ・セレクションは、NYジャズの歌姫グレッチェン・パーラト久しぶりの新曲「Wonderful」です。新年を祝うかのような、あるいは一足早く春の訪れを告げるかのような曲で、近く発売される新作アルバム『Flor』にも本当に期待が高まります。昨年のブラジリアン・ミュージックのベスト・アルバムの呼び声も高いマルコス・ルファートへと繋げられたのも良かったです。
一方、アルバム・オブ・ザ・セレクションは伝説のファンク・バンド、スレイヴのヴォーカリストだったスティーヴ・アーリントンの『Down To The Lowest Terms: The Soul Sessions』です。昨年のサンダーキャット会心の一曲「Black Qualls」にも、スティーヴ・レイシー、チャイルディッシュ・ガンビーノらとともに参加していましたね。ソウル~ファンクのトラディションを汲んだ“濃い”仕上がりでありながら、現代性やスマートさなども兼ね備えているのは、KnxwledgeやJerry Paper、DJ Harrisonといったストーンズ・スロウおなじみのメンバーの貢献でしょうか。

最後にひとつだけ。冒頭はバッハのモティーフを使ったダスティン・オハロハンの穏やかな作品から、ジェイムス・テイラーの『American Standard』の後日談という感じの「Over The Rainbow」へ。自分なりの想いを込めてみたつもりです。

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V.A.『Red Hot + Bach』
Gretchen Parlato feat. Gerald Clayton & Mark Guiliana「Wonderful」
Marcos Ruffato『Vata』
Steve Arrington『Down To The Lowest Terms: The Soul Sessions』
Max Zuckerman『The Corner Office』
Lionel Loueke『HH』
Joni Mitchell 『Joni Mitchell Archives – Vol. 1: The Early Years (1963–1967)』
BADBADNOTGOOD feat. Jonah Yano「Goodbye Blue」

Lunch-time~Tea-time 水曜日12:00~16:00

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橋本徹(SUBURBIA)を始めとする「usen for Cafe Apres-midi」の選曲家17人がそれぞれのセレクトした音楽への思いを綴る 「Voice of “usen for Cafe Apres-midi” Crew」