子供の頃、格闘ゲームで勝ちたかった理由
皆さんはどうしてもどうしても勝ちたかったゲームはありますか。私はあります。
そう思い出したのはこの有名な動画を見たから。ゲームの再生回数でギネスにも認定されてるウメハラさんの試合。残り体力が少ない中での逆転劇。それも0.1秒たりともミスが許されない。音量ありで聴くと大歓声。何か震えた。
3人の中で勝ち抜きをしたかった小学生
SFCのストリートファイターが好きだった。私が小学校の頃、家にはSFC(スーパーファミコン)がなかった。FCはあった。家の歩いて1分くらいの3つほど上のお兄ちゃんちにはSFCがありストリートファイターⅡがあった。彼の名はもう覚えていないが仮でケンお兄ちゃんと呼ぶ。
私には2つ年上の実の兄もいるので近所のケンお兄ちゃんと兄と私でストリートファイターⅡを遊んだ時期が1週間くらい続いた。
ストリートファイターⅡは2人用だ。
我々は3人だ。
自然と勝ったら続けてプレイできる。負けたら交代の勝ち抜き戦となる。
負けられない戦いがあるんだ。
燃える展開だ。なぜならまだ2人の兄には、身体的にも知識的にも様々な遊びで勝つ事が難しいのだ。子供の頃の2つ歳の差は大きな差に感じられる。子供社会の中で、このストⅡで勝つ事で認められたいのだ。こいつ…できるぞ…と。
初めてプレイしたストⅡ
ほんとに格闘ゲームが初めてだった。今でも鮮明に覚えている。下蹴りに対して必死に「なぜだ!なぜガードが効かない!」
ワイはしゃがみガードの概念を知らなかった。
ワイに教えてやれよ!兄達!
勝負は残酷だ。毎回下蹴りで負けるワイ。勝ち抜き戦なので余計にしゃがみガードを覚えさせてくれる機会と経験が兄達より断然少ない。
初日が終わった。
兄達は次の投げや波動拳を練習している。
ワイは、いつまでも「なぜ下蹴りがガードできない」と唸っていた。インターネットでググるなどない。残酷だった。
2日目
3日目
記憶にない。
1週間後
記憶にない。きっと負け続けたので忌々しい記憶として脳が忘れた事にしてしまったのだろう。
ワイのSFCのストⅡはここで終わっている。
第一部 SFC編完
3人の中で勝ち抜きしたかった中学生編
しばらくしてケンお兄ちゃんとは疎遠になってしまった。
ワイは中学生までに成長していた。家にはPSがあった。ストⅡも練習した。夏休み炎天下の部屋の中でもくもくと!兄とストⅡと遊ぶのはすぐに飽きた。勝ちたい理由がないのだ。ほんと勝ちたい理由がなかった。勝つと険悪だし負けると険悪だしどっちにせよいい事がなかった。小学生の記憶が蘇る。
家から2分くらいのシゲお兄ちゃんがここで登場する。
シゲお兄ちゃんは格闘ゲームの真髄 ネ オ ジ オ を持っていた。いやまじで。シゲお兄ちゃんと兄とワイ。いつものルールだ。
3人で勝った方が遊び続けれる。
負けられない戦いがあるんだ!!!!
いつしかワイは、兄達に勝っていた。きっと悔しかったんだろう。上手くなった。コントローラー🎮では誰にも負けない自信ができた。
強い奴に会いに行く。
シゲお兄ちゃんに連れられて初めてゲーセンデビューをした。お小遣いのなけなしの数百円を握りしめて。
1回100円!?負けたら終わり?…負けられない!!!
ワイはコントローラー🎮には自信があった。だけどゲームセンターはスティックだった🕹なんだこのスティックは。どう持つのかわからなかった。いや知っていた。ネオジオはスティック🕹が標準だ。だけど。ワイはもう一つの方のコントローラー🎮を毎回選んでいたからだ。
卓球🏓のラケットの持ち方に似てた。上から手のひらをかぶせて持つやり方と下からすくうような持ち方があるんだな。
ワイの数百円は一瞬で溶けた。
負けれない。学んだ。攻略本を読んだ。ネオジオフリークだ。
いつからかストⅡを遊びつつもkof(キングオブファイターズ)を遊ぶようになった。
ネオジオを購入し、夏休みの炎天下、トレーニングモードで遊んでいると隣にいた父親が呆れた顔をしていたのは覚えている。
勝つ事は楽しかったけど
勝つ事は楽しかった。時に負けて、たまに負けて、ずっと負ける事があったから勝ちたかった。負けていたのが勝てるようになると楽しかった。初心者の時は負けても楽しかった。いや、負けると悔しくて悔しくて楽しくはないけど、勝つために練習して上手くなれた。
そして今はケンお兄ちゃんやシゲお兄ちゃんや兄や友達と対戦して遊んだその時の思い出が残ってる。
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