子育て シンママ「ぱぱ」について語る

「君の半分は、ママなんだよ」
いつも全力元気で明るい。
目元は私にそっくりだといつも思う。

「ママちゃうわ。僕は僕や」
2歳10ヶ月の口からはコテコテの関西弁。
それもまた、私に似ている。

「君は君だよ。君はママの半分と…ママが大好きだった人の半分が1つになって、生まれてきたんだよ。」

「その人、どこに居るん?」

「え?」

「ママが大好きやった人、どこに居るん?」

「…ママも、分からないなぁ。」

彼とは一切、連絡を取っていない。
息子を妊娠したとき、悲しい反応をした。
私はそれが許せなかった。

「僕も会いたかったなあ、ママの大好きな人に」

「大好きだった!人ね。過去形や。」

この先もずっと、会わせるつもりはない。
でも息子は会いたいだろう。

(連絡だけでも取ってみようか)
そんなことを考えたが、良い結果が返ってくるとは思えなかった。

「ママ、その人とケンカしてん。大好きやったのに、大嫌いになっちゃって、バイバイ。もう会いません。って、お別れしてん。」

「その人は、君のパパになるはずだった人だよ。」

「にーに?」

「違う。さっきの、ママが大好きだった人。だけどケンカしてバイバイしたから、『あなたはパパにならないでいいです』って、『ママ1人でこのかわい子ちゃんを育てます』ってお話したの。だから、君にはパパが居ないんだよ。」

彼と過ごしていたあの頃は、もう4年も前だ。辛いことはたくさんあった。
それはもう、私の中で美化されている。

『楽しかった』『幸せだった』
綺麗になった記憶はそのままにしておきたい。

だから息子の『パパ』になる人はその彼じゃなく、『面白い』誰かであって欲しい。
そう思って、明後日を見た。

息子に『パパ』の存在について話したのは、昨日が初めてだった。

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