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🇫🇮 等身大のフィンランドvol.4 - 雪解けの季節 -

フィンランドの老舗アイスクリーム店「ヘルシンギン・ヤーテロテフダス」が今シーズンの営業を再開したそうです。ヤーテロの屋台が街に戻ってくるといよいよ春の到来。すぐそこで足踏みしている初夏にちょっと待ってと声をかけて、フィンランドで暮らす皆さんの近況をご紹介します。

4月の雪

サウナーにはお馴染み!?サウナでの忍耐力を競う「サウナ世界我慢大会」で有名なフィンランド南東部の町ヘイノラで暮らすトゥーラさんは、先週お誕生日を迎えました。日本から送ったプレゼントが無事に届いたことを知らせるメッセージに添えられていたのが、ご覧の雪景色です。

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フィンランドではこの時期に雪が降ることは珍しくはなくて、このようなことわざがあります。"Uusi lumi on vanhan surma"- 新しい雪が古い雪を溶かしてくれる-  春がもうすぐそこまで近づいているよ、という意味です。(トゥーラさん)

母の日に贈る二輪草

4月24日はフィンランドではKoirienpäivä(=犬の日)だそうで、フォロワーさんたちの愛犬がタイムラインに大集合。その中には、ある夏の日に元気いっぱいに自慢の遊び場を案内してくれたエッリの姿がありました。
まん丸な瞳とくせっ毛がかわいいエッリは、フィンランド南東部のミュッリュコスキの町でピルヨさんとシモンさんと一緒に暮らしています。

エッリが毎日駆け回っているお庭にはブルーベリーやりんごの木が植えられていて、太陽の光が輝く夏のあいだは丁寧に育てられた花が一斉に蕾を開き、美しい季節をますます素敵に彩ります。

この日、前日までの雪がようやく溶けた庭でピルヨさんが見つけたのが「ヴァルコヴォッコ」と呼ばれる二輪草。わざわざ写真を撮って送ってくださったのですが、よーく目をこらさないと足元に可憐に咲く白い花に気がつきません。

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フィンランドは毎年5月の第2日曜日は母の日で、ヴァルコヴォッコの花を贈ったりします。わたしも、庭で咲いているこの花を見つけることができた年は決まって母親にプレゼントしています。(ピルヨさん)

そっと芽吹いた二輪草。エッリもしばらくはおてんばを封印して、庭をパトロールしてまわることでしょう。

わたしたちの好きなアイスクリーム

先日、フィンランドのアイスクリームについてInstagramを更新したところ、現地の方々からたくさんのリアクションがありました。面白かったのが、何のフレーバーが好きかを質問したら、ベリーやサルミアッキの類の答えがなかなか返ってこなかったこと。たしかに、私たちも抹茶アイスばかり好んで食べるわけじゃありませんよね。

結果がこちらです。(日本でスミオのヤーテロを恋しがっている方々からも回答が届きました!)

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【2票】
マンゴーメロン/チョコレート/バニラ/ラクリッツ 
【1票】
ソフトクリーム/ピーカンナッツと塩キャラメル/昔ながらのバニラ/ 
/ヴァリオ社のラムレーズン/ 
チョコミント/ピスタチオ/サルミアッキ

フィンランドでアイスクリームが生産されたのは1930年代。はじめはワッフルコーンや小皿にのせて提供されたそうですが、1934年にアイスキャンディーの製造が始まったことで、売上が大幅に増加しました。

1939年に第二次世界大戦が勃発し、フィンランドにも苦しい時代が訪れます。アイスクリームの生産規制が緩和されるまで、人々はスキムミルクや人工甘味料のサッカリン、ゼラチンから、それまでのアイスクリームに代わるものをつくって食べていたそうです。(※)

【※引用先】Ruoka tieto
https://www.ruokatieto.fi/ruokakulttuuri/nykypaivan-ruokajuhla/vuodenajat/kesa/jaatelo-saapui-valimerelta-pohjolaan

幼少期を戦火と共に過ごしたイルメリさんは当時を振り返ってこのように話します。

初めてアイスクリームを食べたときのことを私は全く覚えていません。私の子供時代、アイスクリームは非常にまれな御馳走でした。 家にはアイスクリームをつくる小さな機械がありましたが、実際にそれを使う機会は滅多にありませんでした。そのマシンがどのようなものであったかよく覚えていません。(イルメリさん)

機械はあったけれど、材料が簡単に手に入らない時代。アイスクリームをはじめて食べたときの記憶が遠くかすんでしまうほど、その日を健やかにおくることに精一杯だった、イルメリさんの姿を想像しました。お気に入りは今も変わらずバニラ味だそうです。偶然かもしれないけれど、小さいときに食べた思い出の味、だったりするのでしょうか。

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