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📝 わたしのヤーテロ物語(2)小さな村で60年以上愛されるアイスクリーム屋台

特に印象に残っているjäätelökioski(アイスクリーム屋台)がIitti-イーッティ-にあります。
ヘルシンキから北東へ約150km、電車でだいたい2時間ほどの場所にあるイーッティは、私が度々訪れるKouvola(コウヴォラ)に隣接します。フィンランドで最も魅力的な教会の村に選ばれたこともあり、美しい村の真ん中には木造のイーッティ教会が今も昔と変わらぬ姿でひっそりと佇んでいます。

その教会の隣に夏季限定で開かれるアイスクリーム屋台が、60年以上この地でお店を構える「Iitin kirkonkylän kioski」です。

教会を訪れたついでに立ち寄る、というよりは、わざわざ車を走らせてやってくる人も少なくないのではないかと思います。実際に私たちがそうでした。コウヴォラに暮らす友人の家族をはじめて訪れたとき、彼らは用意周到なスケジュールを組んで町中を案内してくれたのですが(その話もいずれ記事にまとめたいです)、ここでのアイスクリーム休憩はいわば必須のようでした。

販売員を務めるのは15歳から17歳までの若者で、5月から8月までのサマージョブを経験するのだそうです。私たちが過ごしたわずか1時間足らずの間にも、お客さんが次から次にやってきて、時には列をつくることもありました。それでも店員さんは、不必要に慌てるわけでなく、私たちも決して誰かを急かすわけでなく、週末の昼下り、ゆっくりした時間がただそこに流れていることがとても幸せに感じられました。


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